現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 走りと3列目はセレナが優位!? 視界はステップワゴンがベスト!! 300万円台ミニバン日常使い徹底比較

ここから本文です

走りと3列目はセレナが優位!? 視界はステップワゴンがベスト!! 300万円台ミニバン日常使い徹底比較

掲載 77
走りと3列目はセレナが優位!? 視界はステップワゴンがベスト!! 300万円台ミニバン日常使い徹底比較

 ミニバンといえば休日のお出かけはもちろん、平日の送り迎えや買い物にも重宝され、いわゆる「日常使い」の便利さが重要になる。そこで、ライバル関係にあるトヨタ ノア/ヴォクシー、ホンダ ステップワゴン、日産 セレナの3台を用意し、徹底テストを実施した!!

※本稿は2023年7月のものです
文/ベストカー編集部、鈴木直也、渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部、撮影/平野学、茂呂幸正
初出:『ベストカー』2023年8月26日号

走りと3列目はセレナが優位!? 視界はステップワゴンがベスト!! 300万円台ミニバン日常使い徹底比較

■燃費はほぼ互角!?

ライバル関係にある3台のミニバンに改めて試乗したところ、いろいろと興味深い感触が掴めた

 ノア/ヴォク、セレナ、ステップワゴンの御三家が激しい戦い展開する2Lクラスミニバン市場。この3車の比較試乗を行った結果、いろいろと面白い事実が判明。

 まず面白い事実その1。かつては燃費部門では絶対王者とされていたトヨタのハイブリッドに、今やライバルがかなり肉薄しているという事実。

 かろうじてWLTC準拠燃費コースの総合成績ではノアHVがトップを死守したのだが、その差はきわめて僅か。さらに、部門別に見ると、高速道路ではセレナ、郊外路ではステップワゴンといった具合で、シチュエーションによってはTHSが後塵を拝するというケースもある。

 以前からTHS最大の強みは市街地燃費と言われてきたが、今回はまさにそれが証明されたカタチ。ミニバン三国志は混沌の時代に入ったといえるかもしれない。

ノア/ヴォクシー、ステップワゴン、セレナの燃費テスト結果。各車得意分野が異なるのが数値からわかる

■ドライバビリティはセレナに軍配

ノアはTHS、ステップワゴンはe:HEV、セレナはe-POWERと各メーカーの渾身のハイブリッドが集結

 面白い事実その2。進境著しいセレナe-POWERが、燃費のみならずドライバビリティでも高評価を獲得したこと。

 かつて、アクセルを深く踏み込むとエンジンがうなるばかりでちっとも加速しなかった先代セレナe-POWERだが、1.4Lに排気量アップした新型エンジンによって見違えるほどドライバビリティが向上。

 以前から電動走行の割合が多いのがe-POWERの特徴だったが、さらにエンジンが裏方に徹していて静粛性が高い。

 この点では、ノアもステップワゴンも一歩リードされた印象。ファミリーユースにおけるセレナの優位性が光る。

テスト車3台の詳細スペック比較。全長はステップワゴンが最も長く、価格はほぼ横並び

■3列目の座り心地も予想外の結果!?

セレナの3列目シート。クッション性もあり3台中ベストな座り心地

 面白い事実その3。3列目シートの座り心地にけっこうな差があること。以前から、3列目シートが唯一ダイブダウン型収納のステップワゴンが、荷室の使い勝手と引き換えにややシートバックが平板。結果として座り心地にチープ感があると評されていた。

 ところが、今回3車横並びで座り比べてみたところ、ノアのシートバックもステップワゴンと五十歩百歩。寸法や座面角度などを総合すると「ひょっとして一番ダメかも?」という評価になった。

 対して、あんまり期待されていなかったセレナが、クッション肉厚も充分で座り心地ベスト。静粛性に続いてさらに評価を高めることとなった。

0→50km/h加速タイム。発進加速はモーターが最もパワフルなステップワゴンが最速で気持ちいい!! 一方高速の追い越し加速ではセレナが奪首

 そのほか、2人乗車と6人乗車で0→50km/h加速タイムを計ってみると、エンジン回転がギンギンに上がるもののステップワゴンが最速。イメージ的に遅そうだったセレナが電動パワーをうまく使って2番手など、予想をくつがえすテスト結果もちらほら。

 やっぱし、クルマは実際に試してみないとわからない。それを実感した取材でした。
(文/鈴木直也)

■前方視界テスト

 前方視界は、視線に対してインパネの上端が低いステップワゴンが見やすい。飛び出し坊やの口から上が視野に入る。セレナは左目まで見えて、ノアは左目が半分隠れた。車両から左に50cm離れた場所では、ステップワゴンは注意の文字が見えたが、セレナとノアは頭の部分だけだ。注意の文字はボディに隠れた。

 左側のAピラーに飛び出し坊やが隠れる車両からの距離は、ノアが78cmで最も近く、次はセレナの90cm。ステップワゴンは137cmで隠れるから、ほかの2車に比べて衝突の危険が下がる。

 以上のようにステップワゴンは、運転席から周囲を見た時に、ウィンドウの下端やインパネが低く感じ、床も下がり、着座位置も低いから、背の低い障害物を見やすい。

 ノアも床と座る位置はステップワゴンに近いが、質感を高めるためにセダン的な囲まれ感を重視。この影響で背の低い障害物は若干見えにくい。

 セレナはプラットフォームの設計が古く床は高いが、ウィンドウの下端などを下げて、見下ろしやすくした。背の低い障害物も見やすいが、ステップワゴンほど視界はよくない。

■室内空間ドラポジチェック

・ノア

ノアのインパネ。3車の中では比較的セダンライクな運転姿勢

 ノアの運転姿勢とペダル配置は、今回取り上げた3車のミニバンでは最も自然だ。セダンから乗り換えても違和感が少ない。ATレバーも3車の中では最も操作しやすい。エアコンスイッチも従来のクルマに近く、誰でも直感的に扱える。逆にオーディオの操作は慣れを要する。

 3列目のシートは、サイズなどは平均的だが、背もたれや座面が薄い。その代わりワンタッチでコンパクトに格納できる。ノアは全般的に使いやすさを優先させた。

・セレナ

セレナのインパネ。シフト操作はボタン式

 運転席に座ると、左足を置くスペースが狭い。左足がインパネの下側に当たる。よって運転姿勢とペダル配置の採点が下がった。シフトはD/MやRなどの操作がボタン式に変更され、横向きに並べたから扱いにくい。オーディオも少々使いにくいが、エアコンの温度調節はしやすい。

 3列目のシートは、座面長がライバル2車よりも長い。1、2列目のスライド位置を共通化すると、セレナの3列目は足元空間が最も広く多人数乗車に適する。

・ステップワゴン

ステップワゴンのインパネ。シフトはe:HEVがボタン式で、ガソリン車はストレート式

 運転席に座ると、シートの生地が滑りやすく、腰の収まり方が不満だ。もう少し体が座面に沈むといい。シフトスイッチも、プッシュボタンなどが混ざって使いにくい。シフトスイッチの左側に装着されるエアコンの操作パネルは、直感的に扱いやすい。オーディオの操作性も良好だ。

 3列目シートは床下に格納してスッキリした広い荷室になるが、座面長は40cmと短く、座り心地に違和感が伴う。スライドドアの開口部は床が低く乗降性もいい。
(文/渡辺陽一郎)

■小回り性能&駐車のしやすさ

・小回り性能

1周で測定した実測値だとステップワゴンが11.8m、ノアが12m、セレナが12.4mの順

 最小回転半径が小さいステップワゴン5.4m、ノア5.5m、セレナ5.7mの順となったが、ほぼ同じサイズでもクランクの多い住宅街などの走りやすさや狭い道での小回り性能で大きな差がつく。

・駐車のしやすさ

駐車のしやすさはステップワゴンが78点、セレナが73点、ノアが70点の順となった

 ステップワゴンは最も四角くて車両感覚がつかみやすいので高得点。セレナは三角窓の下端が下げられているので左側方が見やすいのに対し、ノアは見切りをよくする特徴がない。

こんな記事も読まれています

【大阪府】自己と向き合い勝運を祈る勝ちダルマの寺 ~男を磨くデイドライブ~
【大阪府】自己と向き合い勝運を祈る勝ちダルマの寺 ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【北海道】 住宅街にたたずむ古民家カフェで至福の一杯を ~男を磨くデイドライブ~
【北海道】 住宅街にたたずむ古民家カフェで至福の一杯を ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【兵庫県】レストランクルーズ船で贅沢なひとときを ~男を磨くデイドライブ~
【兵庫県】レストランクルーズ船で贅沢なひとときを ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【大阪府】豊かな感性とイマジネーション育む図書施設 ~男を磨くデイドライブ~
【大阪府】豊かな感性とイマジネーション育む図書施設 ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
【大阪府】全国のバーテンダーが惚れ込む、プロ御用達の洋酒専門店 ~男を磨くデイドライブ~
【大阪府】全国のバーテンダーが惚れ込む、プロ御用達の洋酒専門店 ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
[空飛ぶクルマ]6輪車で登場か!? 実用化なれば結構アリかも!! でも意外な欠点とは?
[空飛ぶクルマ]6輪車で登場か!? 実用化なれば結構アリかも!! でも意外な欠点とは?
ベストカーWeb
自動車界の生きた化石、モーガン「4/4」に中学時代から憧れて…念願かなって16年前に購入!「オリジナルのまま乗り続けるのが目標です」
自動車界の生きた化石、モーガン「4/4」に中学時代から憧れて…念願かなって16年前に購入!「オリジナルのまま乗り続けるのが目標です」
Auto Messe Web
定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話
定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話
旧車王
家の中で愛車を楽しむ!クルマを飾れるギャラリー付きマンション誕生 東京・千歳船橋
家の中で愛車を楽しむ!クルマを飾れるギャラリー付きマンション誕生 東京・千歳船橋
グーネット
シトロエン ありがとう「C3」! 日本販売ラストを飾る限定車「メルシー!」は人気カラー採用
シトロエン ありがとう「C3」! 日本販売ラストを飾る限定車「メルシー!」は人気カラー採用
グーネット
ホンダ ポータブル電源「パワーポッド e:」発売 着脱バッテリーで長時間の連続使用も可能に
ホンダ ポータブル電源「パワーポッド e:」発売 着脱バッテリーで長時間の連続使用も可能に
グーネット
ポルシェ 新型「タイカン」六本木ヒルズで初公開!大谷翔平選手とのコラボキャンペーンも
ポルシェ 新型「タイカン」六本木ヒルズで初公開!大谷翔平選手とのコラボキャンペーンも
グーネット
まるで走りはスーパーサルーン! アストン マーティンDBX707へ試乗 タッチモニター獲得で誘引力UP
まるで走りはスーパーサルーン! アストン マーティンDBX707へ試乗 タッチモニター獲得で誘引力UP
AUTOCAR JAPAN
なぜホンダ新型「ヴェゼル」は純正のタイヤ銘柄が増えた? 辛口モータージャーナリストがFFと4WDの走りの進化を検証します
なぜホンダ新型「ヴェゼル」は純正のタイヤ銘柄が増えた? 辛口モータージャーナリストがFFと4WDの走りの進化を検証します
Auto Messe Web
マクラーレン育成ボルトレートが初優勝。マシントラブル相次ぐ一戦に/FIA F2第7戦レース2
マクラーレン育成ボルトレートが初優勝。マシントラブル相次ぐ一戦に/FIA F2第7戦レース2
AUTOSPORT web
マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキの「認証不正」どうなった?  調査結果を国交省が公表! マツダは同日にコメント発表
マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキの「認証不正」どうなった? 調査結果を国交省が公表! マツダは同日にコメント発表
くるまのニュース
クルマの「怒り顔」 20選 意外と好印象? 不機嫌そうに見えるデザイン
クルマの「怒り顔」 20選 意外と好印象? 不機嫌そうに見えるデザイン
AUTOCAR JAPAN
アウトバーンは130キロで走行しても遅くて流れを止めることも!? 安全かつスムーズな走り方をドイツ在住ジャーナリストが解説【みどり独乙通信】
アウトバーンは130キロで走行しても遅くて流れを止めることも!? 安全かつスムーズな走り方をドイツ在住ジャーナリストが解説【みどり独乙通信】
Auto Messe Web

みんなのコメント

77件
  • 批判的なコメントをしている人が多いけど、3車ともファミリーカーとしては最適だと私は思いますけど…
  • ノアヴォクからステップやセレナに買い替える人は少ないだろうし・・・
    まぁ~好きな車種買えばいいんじゃないの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村