積算1万948km クルマの状態を確かめられるアプリ
最近の筆者は、メルセデス・ベンツが提供する自動車用アプリで遊んでいる。気が付かない間にテクノロジーが進んでいて、ちょっと取り残されたような気分にもなる。
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手持ちのスマートフォンを確かめると、現在いる場所から2400km以上離れた場所に、長期テストのSクラス S 580eがあると示されている。旅立つ前、最後に自分が駐車したところから動いていないようだ。
ドアロックを掛け忘れていても、スマートフォンを介してロックできる。必要ならロックの解除もできる。クルマへ近接した人へ警告を鳴らす、セキュリティアラームの距離も遠隔で設定が可能だ。
高級ホテルで、駐車係にクルマを預けてきた場合も安心。衝突検知センサーが作動するほど、激しくボディを揺らした人がいないことも確認できる。ガソリンタンクと駆動用バッテリーの残量も正確に教えてくれる。
Sクラス S 580eへ乗る前に、暑い真夏でも寒い真冬でも、室内の温度を予め調整しておくこともできる。サイドウインドウやサンルーフの開閉も可能。前回の旅の記録だけでなく、最も燃費効率に優れる次の旅の計画もスマートフォン上で検討できる。
新しいクルマの利用体験を提供する
このアプリの名前は、メルセデス・ミーという。感心するほどの情報と機能を網羅しており、世界中のどこからでも愛車の状態を確かめられるのは便利だと思う。実際に使用する頻度が多いのか聞かれると、そんなことはないのだが。
自宅で荷物を沢山降ろした後、うっかりドアをロックし忘れていたことへ気付いた時は有用に感じた。スマートフォンのアイコンをタップするだけで、鍵を探す必要もなく、部屋の中からロックできる。とはいえ、その程度だ。
ソフトウエアで機能を追加することは、他の手段より技術的な進歩をユーザーに感じさせやすい。特にメルセデス・ベンツSクラスのような高級車にとっては、快適性などをさらに高めることは難しい課題といえる。メーカーが率先する理由かもしれない。
近年の多くのモデルには充分な大きさのタッチモニターが備わり、多彩なアプリが実装されている。とはいえ、実際に利用する機能は限定的といっていい。
自身のクルマを所有している筆者の息子に聞いてみても、アプリの利用頻度は極めて低いという。われわれ家族は、一般的なユーザーとは少し異なるのかもしれないが。
少なくとも、メルセデス・ミーが新しい利用体験を提供していることは事実。歓迎すべきことだと思うし、価値のある技術的な進歩だといえるだろう。
積算1万2403km ロングボディは縦列駐車も一苦労
ある日、帽子をかぶった見知らぬ男性がつぶやいた。「本当に酷い停め方だな・・」
筆者がロングボディのSクラスの駐車に手を焼いているのは間違いない。ロンドンでは、必要以上に狭い駐車エリアへなんとか押し込む羽目になった。通りに面した縦列駐車でも一苦労している。彼の意見は正しい。
テストデータ
気に入っているトコロ
アプリが生む世界:メルセデス・ミーが提供する世界の可能性は大きい。感心するほどの技術を、手のひらで自由に操れる。
気に入らないトコロ
触覚フィードバック:ステアリングホイールに搭載されたタッチセンサーの触覚フィードバックが、しっくりこない。乗っているうちに慣れると考えていたが、6000kmほど距離を重ねた今でも違和感がある。
テスト車について
モデル名:メルセデス・ベンツSクラス S 580e L AMGライン・プレミアム・プラス・エグゼクティブ(英国仕様)
新車価格:11万3880ポンド(約1913万円)
テスト車の価格:11万3880ポンド(約1913万円)
テストの記録
燃費:18.8km/L
故障:なし
出費:なし
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