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「ひとり勝ちは許さない」ライバルたちに見た逆襲への光明【GT500シーズンプレビュー】

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「ひとり勝ちは許さない」ライバルたちに見た逆襲への光明【GT500シーズンプレビュー】

 オフシーズンテストから好調だった2023年王者のau TOM’S GR Supra。開幕戦岡山でも走り始めの公式練習からトップタイムをマークし、予選ではポールポジションを獲得、決勝でも危なげない走りで完勝。振り返れば、2023年シーズンから3連勝を飾ったことになる。絶対王者へ──圧倒的な速さ、強さを示した。しかし、それが許されるほど、スーパーGTはあまくない。

 5月2日発売のauto sport臨時増刊『2024 スーパーGT公式ガイドブック』では、開幕戦を完全制圧したau TOM’S GR Supraの裏側で、「Stop the au」の可能性を感じさせたライバルたちの動向にも注目。ここでは、その一部を抜粋してお届けする。

開発首脳陣が評価する新車ホンダ・シビックの開幕戦。発展途上の中で光ったラップタイムとポテンシャル【第1戦GT500あと読み】

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 スタート直後の接触、スピン、クラッシュにより一気に3台が勝負権を消失。2024年スーパーGT第1戦岡山は大混乱の幕開けとなった。それは波乱のシーズンを予言するものか、それとも後続のカオスを尻目に独走で開幕戦を制した、王者auトムスGRスープラの安泰を暗示するものか──。

 2024年シーズンを迎えるにあたっては、各チームの体制、マシン、タイヤサプライヤーに大きな変化があった。マシンに関してはエアロダイナミクスも開発凍結が解除されたこともあり、久々に各メーカーのエンジニアたちが存分に腕を奮う機会が訪れた。

 ホンダは、長年スーパーGTの活動を支えてきたNSX-GTの任期満了により、新たにシビック・タイプR-GTを投入。ニッサンはZであることは変わらずも、ベースモデルがロングノーズのバージョンニスモに。市販車の全長が30mm伸びたことにともない、スケーリングが変更されボディ形状が大きく変わった。

 唯一、トヨタだけがGRスープラを継続使用。そのためプロポーションは変わらないが、エアロダイナミクスは全面的に見直された。また、全車がエンジンや冷却系をリニューアルし、内容的にはニューカーが出そろったと言っても良い。それだけに、開幕戦岡山では各車のパワーバランスに大きな注目が集まった。

 土曜日午後に行なわれた予選は今年からシステムが見直され、前年までの“ノックアウト”方式から、Q1とQ2のタイムを合計して順位を競う“合算タイム”方式に変更された。その上でQ1、Q2、決勝の第1スティントを1セットのタイヤで走らなければならなくなり、ふたりのドライバーのアベレージスピード、タイヤのマネジメント能力が浮き彫りになる予選方式となった。

 その新予選システム初戦の岡山は、au TOM’S GR Supraの坪井翔/山下健太がポールポジション獲得。DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛/中山雄一が2番手、STANLEY CIVIC TYPE R-GTの山本尚貴/牧野任祐が3番手タイムにつけた。トップ5に4台が入るなどGRスープラの速さが目立つ結果だが、合算タイムで1番手から9番手までのタイム差が1秒以内に収まるという、かなりの接戦でもあった。

 その中でも、2番手に0.226秒差を築いたau GR Supraは、Q1を担当した新加入の山下が5番手タイムだったのに対し、Q2で坪井が圧巻のトップタイム。Q1で1アタックしたユーズドタイヤで、山下のタイムを0.065秒上まわって見せた。しかも坪井は1コーナーでリヤがスライドし、0.1秒程度を失うミスがありながらのタイム。ポールポジションを獲得したにも関わらず、山下が落ち込み気味だったのも無理はない。

 Q1でのミスさえなければ、ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8の野尻智紀/松下信治はポールポジション争いに絡んでいた可能性がある。チーム新加入の松下はQ1を担当したが、最終コーナーでの四輪脱輪によりアタックラップのタイムが抹消。セカンドタイムでは予選通過基準タイムとなる107%(1分23秒077)をクリアできず、決勝ではピットレーンスタートとなってしまった。ただし、四輪脱輪直前まではセクター1で最速、セクター2ではヘアピンでリヤをスライドさせながらも、そこまでのトータルタイムはそのときトップタイムを刻んでいたMOTUL AUTECH Zの千代勝正からわずか0.011秒しか遅れていなかった。ポールポジションも狙えるスピードがあったことは、シビック・タイプR-GTの開発者たちに大きな自信を与えた。なぜなら、シビック勢は岡山での公式テストの段階で良いタイムが出ず、苦戦を覚悟していたからだ。

 予選でポテンシャルの片鱗を見せたのは、シビック・タイプR-GTだけではない。Zニスモもトップを戦える力を示した。松田次生に代わり、今年からロニー・クインタレッリとともにMOTUL Zをドライブすることになった千代は、Q1でトップタイムを記録。オフシーズンテストの内容から、岡山ではGRスープラ勢の優勢が予想されていただけに、千代のタイムはニッサン陣営にうれしい驚きをもたらした。彼らも、岡山ではあまり多くを期待していなかったからだ。

* * * * *

 au TOM’S GR Supraの無双ぶりが強く印象に残った開幕戦岡山であるが、その覇権が第2戦以降も続くという保証はない。『2024 スーパーGT公式ガイドブック』では、その理由にも触れている。

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