スーパーGTは、富士スピードウェイで行なわれる予定の今季第2戦で、フルコースイエローコーション(FCY)を導入することを目指している。
スーパーGTでは、セーフティカー(SC)が出動した際にはピットレーンへの進入が禁止されるため、この出動タイミングが勝敗を大きく左右することが多い。2019年の富士戦では、セーフティカー出動直前にピットインしたマシンが、後続を大きく引き離して優勝。また昨年も同様の事例がいくつかあった。先日岡山国際サーキットで行なわれた2021年シーズンの開幕戦でも、コース上にストップした車両が出るやいなや、SC出動によりピットレーンクローズとなる可能性を見越した各車がピットに雪崩込み、混乱するシーンがあった。そして、マシンによっては有利不利が生まれた。
■明暗を分けたピットストップ……勝利を逃した37号車KeePerの平川が当時の状況を語る:SGT開幕戦岡山
このような状況では、「レース自体の面白さを希釈してしまう」という指摘が、各メーカーから噴出。そのためスーパーGTを運営するGTA(GTアソシエイション)は、有利不利を生み出しづらいFCYの導入を検討、それに向けた準備を進めてきた。
FCYは、コース上に障害が生じた際、各車を減速させ、その間に障害を排除することを目指したもの。WEC(世界耐久選手権)やフォーミュラEでは以前から使用されているし、F1では似たような形のバーチャル・セーフティカーが導入されている。
GTAとしては、各車にデバイスを搭載し、FCY宣言時に速度をコントロールするシステムの完成を目指していた。しかしそのためには、レースコントロールから各車に、無線を使って情報を伝達する必要がある。しかし、サーキット全体に等しく電波を届けるのは難しく、情報をスムーズに受信できるマシンとそうでないマシンに差が生じる可能性があるという。これは富士、鈴鹿、もてぎではテストも実施されているが、岡山やSUGO、そしてオートポリスではまだテスト未実施であり、いきなり本戦で導入するのは難しいという。
そのためGTAは、マーシャルポストで振られるフラッグとボードを用い、速度監視システムを使わない形での”FCY”を導入することを目指しているようだ。このFCYが宣言されると、各車は60km/hや80km/hなど一定の速度に減速することが求められるが、前述の通り速度に関してシステムは用いられないため、まずは”紳士協定”という形での実施が目指されるようだ。ただ、FCY宣言時のオーバーテイクは認められない。
確かにこの形では、車両同士の間隔を厳密に保つことはできない。しかしセーフティカーを出動させ、ピットレーンをクローズすることによる有利不利が生じてしまうよりもいいという判断のようだ。
この導入についてはまだ決定ではなく、今度エントラントやドライバーらとの話し合いを経て、実施の可否を判断することになるようだ。
なお第2戦富士では、インディスタイルのローリングスタートを実施することも検討されている。
現在のスーパーGTは、それぞれのマシンが自身のグリッド上を通過する走行ラインを取る形で隊列を組み、スタートが切られていた。つまり、イン側のグリッド上を通る車列と、アウト側のグリッド上を通るマシンの車列が大きく離れていたわけだ。その上、オーバーテイクが可能になるのは、スタートラインを通過した後とされている。
一方インディスタイルでは、グリッドとグリッドの間を全車が通過することになるため、インとアウトの車列の間隔が狭まる。より接近したスタートになるわけだ。さらにグリーンシグナルが点灯した直後から、オーバーテイクが可能になる。
これにより、より見応えがあるスタートシーンが生み出されることが期待されており、第2戦からの導入に向け準備が進んでいるようだ。
ただ、スーパーGTはタイヤがワンメイクではないため、その温まり方もそれぞれ違い、スタート直後のペースに差が生じる可能性もある。そうなれば、安全上の問題があるのではないかとの意見も出ているようだ。
このインディスタイルのスタートの導入可否も、エントラントやドライバーとの話し合いを経て、最終決定が下されることになりそうだ。
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