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なぜ、Nボックスは売れ続ける? 新型に試乗 ホンダでは珍しい「熟成」で勝負に

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なぜ、Nボックスは売れ続ける? 新型に試乗 ホンダでは珍しい「熟成」で勝負に

歴代の魅力 3つの要素とは

クルマがモデルチェンジをするのはなぜか。時の流れとともに鮮度が薄れ、販売台数が低下することが理由のひとつだろう。ところがホンダNボックスは、2代目となる現行型は2017年9月発売なので、すでに6年が経過しているのに、今年上半期のベストセラーカーになっている。

【画像】走る姿は、やっぱりNボックス! 新型の標準型&カスタム【デザイン/内装をチェック】 全82枚

いまだに多くの人に支持されているのはなぜか。個人的にはデザイン、パッケージング、走りの3要素が高次元で両立していることが理由だと思っている。

多くの軽自動車スーパーハイトワゴンと同じように、Nボックスもターゲットユーザーは子育て世代の母親だった。でもデザインはジェンダーフリー&エイジフリーであり、結果として幅広いユーザーが積極的に選びたくなるクルマになった。

しかも前席下に燃料タンクを置いた、ホンダお得意のレイアウトのおかげで、自転車さえ積み込める広く使いやすい室内空間を実現した。

走りについては、軽自動車のレベルを超えた高速道路での安定感、現行型では全タイプ標準装備の先進運転支援システムのおかげもあって、片道100kmぐらいなら余裕でこなせるロングラン性能を備えている。

こうなるとしばらくモデルチェンジなしでもいけそうだが、ホンダはNボックスを3代目に進化させ、10月に発売することにした。

きっかけは交通/ユーザーの変化

それを前にテストコースで行われた事前試乗会では、この6年間でニーズが変わったことを、モデルチェンジの理由に挙げていた。

具体的には高速道路の一部区間で最高速度が120km/hになったほか、センシングやコネクティビティの技術が進化し、ユーザーが求めるレベルもアップしたことを挙げた。

一方でプラットフォームやパワートレインは2代目で一新し、ライバルを凌駕する出来だったこともあり、今回は継承している。

グランドコンセプトは、従来からの価値を磨く「ずっと大切に」という側面と、クルマとしての価値を拡げる「もっと楽しく」の両面を追求した、「HAPPY Rhythm BOX」というキーワードにまとめた。

ボディは標準車とカスタム、エンジンは自然吸気とターボというバリエーションは変わらないが、標準車とターボエンジンの組み合わせはあまり売れなかったようで、新型ではターボはカスタムのみになった。

デザイン・内装 注目すべきは?

デザインもエクステリアについては、人気の源泉でもあったので、大きくは変わっていない。

ただし前後のフェンダーの張り出しは穏やかになり、カスタムはクロームメッキが控えめになり、標準車のグリルがパンチング加工となるなどの違いはある。全体的に落ち着きを増した印象だ。

対照的にインテリアは変わった部分が多い。

もっとも目立つのがメーターで、2代目ではインパネ奥から盛り上がるように置かれ、ステアリングの上から見る形だったのに対し、新型は水平基調のインパネ内にコンパクトに埋め込まれ、ステアリングのリム内から見る一般的な場所になった。

最近のホンダ各車が心がけている視界へのこだわりも取り入れており、フロントウインドウ下端はほぼ水平で、ドアガラス下端と揃えてある。

全体的にすっきりした印象だが、標準車ではコルク、カスタムでは石皿を思わせる質感のトレイを加えるなど、クオリティへのこだわりも感じられる。

シート・視界・ADASについて

パッケージングは先代と同じだが、シートはウレタンの形状と表皮の貼り方を工夫して、沈み込むような感触が得られるようにしたとのこと。これは試乗でも確認できた。

ステップワゴンに続いて後席からの視界やフラットな乗り心地にも配慮して、乗り物酔いしないクルマに仕立てたという。

スロープ仕様では荷室容積が拡大された。ほとんど利用されていなかったアシストグリップをなくしたことが大きい。新型ではレジャーにも活用してほしいとのことで、撮影車両にはキャンプなどで使うキャリーワゴンを用意していた。

前述のように、エンジンは2代目の完成度が高かったためもあって、改良に留めた。それでもWLTCモード燃費は自然吸気で21.2km/Lから21.6km/L、ターボで 20.2km/Lから20.3km/Lに向上を果たしている。

定評の先進運転支援システムは、カメラの検知角度を50度から100度に広げることで、側方の車両の動きも把握。ペダル踏み間違え防止としては、誤発進抑制機能に加え、近くの車両や外壁などを検知してブレーキを掛けるとともに、障害物がなくても急なアクセル操作を抑制する機能を追加した。

標準車 「乗り心地」の秘密

まず乗ったのは標準車。

自然吸気エンジンでありながら、望むだけの加速がリニアに手に入る。CVTが臨機応変に変速パターンを変えてくれることがわかった。

自然吸気なので音はそれなりに届いてくるものの、それが軽自動車らしからぬ低めのサウンドだったことも印象的だ。

実は新型、遮音にも気を配っていて、フロアの穴にフィルムを貼るとともに、天井裏のウレタンの形状を変えるなどの対策を施している。これが耳障りでない音に結びついているのだろう。

乗り心地は2代目も悪くなかったが、新型はしっとり感とフラット感がアップしているような気がした。直進安定性に優れ、ハンドリングが素直だったことも確認できた。

実は新型、フロントサスペンションのキャンバー調整やリアのサスペンションの剛結の方法を変えている。

これまで空車状態でやっていたものを、積車状態に変えたのだ。その効果が大きいのではないかとのことだった。

カスタム・ターボの印象は?

でも進化の度合いで言えば、カスタムのターボのほうが顕著だった。

こちらはダンパーを新開発している。改良だけでは望む性能が得られなかったので、新規に部品を起こしたそうだ。

その効果は明確で、硬くはないがしっかり押さえが効いた、プレミアムという言葉を使いたくなるレベルを獲得していた。

加速はターボらしい力強さはそのままに、角が取れてまろやかになった。

発進の瞬間、その後のターボの盛り上がりなど、すべてを滑らかにやってのける。床と天井の遮音はこちらも効いていて、調律されたサウンドを響かせていた。

試乗にお付き合いいただいた開発スタッフのひとりに、3世代続けてコンセプトを変えないのはホンダでは珍しいと問いかけたところ、たしかに熟成型の開発はホンダは不得意であまりやらなかったし、上層部からは「開発期間が短くてもいいのでは?」と言われたが、“時代に合わせて上質にしたい”という気持ちを貫いたとのこと。

同氏いわく「やり切った」という新型は、たしかにこれまで以上に純度の高いNボックスになっていた。

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みんなのコメント

7件
  • kuz********
    新しいことはほとんどなく価格が大幅に上がっただけ
    商品力は2代目のほうが高かったんじゃないか
  • h_m********
    かなり内装が悪くなってしまっているようだね。
    コストカットだと思うが、、、んーーー残念。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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