復活を遂げたフランスの高級車メーカー「ドラージュ」は8月20日、ハイブリッドハイパーカー「D12」をワールドプレミアした。
20世紀初頭のフランス製高級車を代表する存在だったドラージュ。“フラムボワイヤン”(火炎様式)とも称される豪華絢爛なボディを架装された超高額モデルは、各国の貴族や富豪に愛され、女性への最高のプレゼントとして人気を誇ったという。レースシーンでも1927年に「ワールド・チャンピオンシップ・オブ・カー・ビルダーズ」に輝くなど素晴らしい活躍を見せたが、時代の変化には勝てず、同郷の「ドライエ」による吸収を経て、戦後1953年には完全にブランドの歴史を閉じていた。
それから67年後の現在、ドラージュはフランスの企業家ローラン・タピにより再興され、パリはルヴァロワ・ペレ地区に所在するかつての工場で、D12を生産すべく動き出している。2百万ユーロ(約2.5億円)で30台のみが生産されるD12は、自社製の7.6L V12自然吸気ユニットにモーターを組み合わせたハイブリッドパワートレーンを採用。スタンダードな「GT」グレードは1,400kgの車重で1,130psの最高出力を発揮する。加えて、モーターを小型化することで重量を削減した「クラブ」グレードも用意され、こちらは1,310kgに対し1,038psの出力となる。組み合されるトランスミッションは、8速ギアボックスとのみ発表されている。
プロトタイプマシンさながらのデザインを持つボディは、バイクのように2人がタンデム乗車するスタイルで、F1にインスパイアされたプッシュロッドサスペンションを採用。最高速度は公表されていないが、0-100km/h加速は2.5秒というから、その性能は恐ろしいほどハイレベルだ。シャシーの開発には1997年のF1ワールドチャンピオン「ジャック・ヴィルヌーブ」が起用されたとのことで、将来的にはニュルブルクリンク北コースの市販車記録更新も視野に入れているようだ。
何から何まで規格外のD12だが、かつてのドラージュは自動車の常識を超えたデザインが魅力だった。その意味で、D12はやはりドラージュの血統に連なるマシンといえそうだ。今から実車の登場が楽しみな1台だ。
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みんなのコメント
多分、メーカーとしては長くは続かないんだろうけど、そういう会社や車っていっぱいあったしね。