11月6日(水)、キック・ザウバーはバルテリ・ボッタスがチームを離れることを発表した。
ザウバーは2026年からアウディのワークスチームとしてF1グリッドに並ぶことが決定しており、マシン開発が加速する2025年のドライバー選択が非常に重視されてきた。
■ブラジルの新星ボルトレト、ザウバーの来季シート獲得か。ボッタスとのシート獲得競争制し、契約合意した模様
ザウバー/アウディは4月に、現在はハースに在籍するニコ・ヒュルケンベルグを来季から起用すると発表。ドイツ製パワーユニットが搭載されるマシンにドイツ人ベテランドライバーが乗るというパッケージが完成していた。
ただ、ヒュルケンベルグとコンビを組むもうひとりのドライバーは発表されず。アウディはワークスチーム化も見据えて様々なドライバーに働きかけ、有望な若手を起用するか、それともボッタスをはじめ経験豊富なドライバーを起用するのか、議論が行なわれてきた。
しかし今回の発表の通り、ボッタスは来季シート獲得競争から降りることとなった。
また後任ドライバーも明かされなかったが、既にmotorsport.comが伝えている通り、マクラーレン育成として今季のFIA F2を戦うブラジル人のガブリエル・ボルトレトが有力候補と考えられる。仮にそのシナリオとなれば、来季のザウバーはベテランと新人のコンビという構成になる。
一方でボッタスとしては来季のF1グリッドに残る可能性が実質的に絶たれたことになる。現時点で来季シートが確定していないのはレッドブル傘下のRBの1席のみ。同陣営が起用可能な若手ドライバーは多く、ボッタスが割って入る隙はない。
ただ、古巣であるメルセデスに戻り、リザーブドライバーに就任する可能性が高まっているという情報がある。近年はリザーブドライバーのグランプリ出走という機会が増えており、ボッタスにとってはこれがチャンスに繋がる可能性がある。
ボッタスは2013年にウイリアムズからF1デビュー。ニコ・ロズベルグの引退を機に2017年からメルセデスに移籍すると、所属した5シーズンで10勝をマークし、チームのコンストラクターズタイトル連覇に貢献した。
アルファロメオ/ザウバーでの3シーズンは、チームのパフォーマンス不足もあり苦汁をなめるグランプリも多かったボッタスだが、トップチームでの重圧が消え、コミカルな一面を見せるように。チャリティのために文字通り服を脱いだり、テレビCMでオーストラリア人を熱演してみたり……その個性はF1ファンの心を掴んでいた。
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