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なんとエンジンフードがガルウイングの衝撃! デ・トマソ・マングスタは中身もスーパーだった

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なんとエンジンフードがガルウイングの衝撃! デ・トマソ・マングスタは中身もスーパーだった

 この記事をまとめると

■デ・トマソ・マングスタはフォード、ギアとのコラボレーションによって生み出された

デ・トマソ・パンテーラはなんと24年間も生産されていた! スーパーカーブームを支えた伊&米コラボマシン

■車両重量は1000kg以下で、フォード製V8をミッドシップに搭載したスーパーカーだ

■デザインはジウジアーロが担当し、その見どころはガルウイング方式のエンジンフードだ

 スポーツカーメーカーとなったデ・トマソ

 アレッサンドロ・デ・トマソ。彼の出身地がアルゼンチンであることを考えれば、あるいはアレハンドロ・デ・トマソと発音するのが正しいのかもしれない。彼と自動車との関係は、多くの自動車メーカーの創始者がそうであったように、モータースポーツにあった。母国アルゼンチンでドライバーとして活躍し、その後ヨーロッパへと渡り、おもにオスカ・スポーツカーのドライバーとして活躍。

 ここで彼には運命的な出来事が待っていた。それはアメリカのオスカ・チームでドライバーをしつつも莫大な財産を持つ、イザベル・ハスケルとの結婚だ。彼女の持つ資金を背景に、デ・トマソはイタリアのモデナにデ・トマソ・カー・カンパニーを1959年に設立。その後F1GPにも4回参戦するが、残念ながらポイントを得ることはなく、1970年にレーシングコンストラクターとしての活動を終えている。

 そのデ・トマソが次に始めたビジネスは、当然のごとくと表現してもよいだろう、スポーツカーの開発と生産だった。ファーストモデルはフォード製の1.5リッター直列4気筒エンジンをミッドに搭載し、強固なバックボーンフレームを基本構造体とする「ヴァレルンガ1500ベルリネッタ」。

 最高出力はスタンダードな仕様で102馬力、チューニング版では135馬力を得ることが可能だったとされた。ボディはフィッソーレ製の魅力的なクーペスタイルで、実際にギアによる生産が行われた時には素材は軽量なFRP製となった。

 世にも珍しきガルウイングのエンジンフード

 ヴァレルンガの生産は1965年に始まるが、この時すでにデ・トマソの内部では、というよりもヴァレルンガで確立されたデ・トマソ、フォード、ギアのコラボレーションによる、さらに大型なスポーツカーの開発計画が進められていた。

 それが1966年のトリノショーで発表された「マングスタ」で、シャシーはヴァレルンガから、さらにサイズを拡大したバックボーンフレームが基本。

 ミッドにはフォード製の4728cc 4バレルのV型8気筒OHV。10.5の圧縮比から得られた最高出力は305馬力と高性能で、これに5速MTを組み合わせ、わずかに985kgの車重に収められた車体を250km/h以上の最高速にまで到達させた。

 ちなみにトリノショーの時点では、搭載エンジンは4778ccのフォード製とされ、ウェーバー・キャブレター付きが418馬力、デカルミ製燃料噴射を組み合わせた仕様では、じつに437馬力と506馬力の最高出力を選択できると紹介され、最高速は300km/hに迫ると紹介されたのだから、マングスタはこのショーでのひとつの華となったことは想像に難くない。

 ギアに移籍直後にあったジョルジョット・ジウジアーロによるデザインもまた、マングスタでは高評価を得た部分だった。エンジンカバーがガルウイング方式で開くのは、実際にマングスタのエンジンルームの大きさを見れば自然と理解できようともいうべきものだが、それもまたこのマングスタの大きな個性でもある。

 マングスタの生産は後継車のパンテーラが1970年にデビューしたことを受けてこの年に終了するが、生産台数はわずかに400台前後だったとされている。

 その性能を考えれば、デ・トマソの残した貴重なスーパーカーともいえるマングスタ。それを実際に見るのはなかなか難しいことだ。

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みんなのコメント

13件
  • この車が半世紀以上前に作られたことに驚きを禁じ得ない。
    最近の自動車デザイナーたちは、見習った方がいい。
  • ヴァレルンガは日本にあるようだがマングスタはあるのかな?見てみたいな。
    画像で見るとパンテーラ同様V8縦置きミッドシップなのにホイールベースが短くてレーシングカーみたいでカッコいい。その犠牲でドアの前後が短いがそれも潔くてイイね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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