フォーミュラE第9戦ベルリンE-Prixの決勝は、ジャガーのニック・キャシディが今季2勝目をマークした。
テンペルホーフ空港跡地を舞台に、ダブルヘッダーで開催されるベルリンE-Prix。土曜日の第9戦は、日曜日の第10戦と比べて2周長く、アタックモードも計6分とより長いため、エネルギーマネジメントがより重視されるレースとなる。
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また同じ週末にWEC(世界耐久レース)のスパ戦が開催されていることもあって、計5人のドライバーがリザーブまたは代役参戦となった。
ポールポジションはマヒンドラのエドアルド・モルタラ。今季これまで苦戦が続いていたため、ポールのボーナス2点が今季初のポイントとなった。2番手、3番手にはDSペンスキーのストフェル・バンドーン、ジャン-エリック・ベルニュが並んだ。
ポイントリーダーのパスカル・ウェーレインは6番グリッド。ジャガー勢はランキング2番手のキャシディが9番手、前戦モナコウイナーのミッチ・エバンスが10番手からのスタートだ。
40周のレースがスタートすると、まずはモルタラがホールショットを奪い隊列を引っ張るが、3周目に早速アタックモードを使用。エネルギー消費が激しいトップを譲った。
これでモルタラが5番手まで後退。この間にウェーレインが首位に躍り出た。そのウェーレインもアタックモードを起動しポジションダウン。続くDS勢も同様にアタックモードを使い、首位は次々と入れ替わった。
11周目、ジョエル・エリクソン(エンヴィジョン・レーシング)が右リヤのサスペンションにダメージを抱え、コース上にストップしたことでセーフティカー(SC)が出動した。
混戦状態だったこともあり、隊列の整理に時間がかかったこともあってレース再開は17周目。ウェーレインが首位に躍り出て、翌周にアタックモードの義務を消化した。
その他上位勢も続々とアタックモードを使い、接近戦を繰り広げた。後方からポジションを上げたマシンも多く、15番手スタートのオリバー・ローランド(日産)が2番手、20番手スタートだったジェイク・デニス(アンドレッティ)が7番手につけるなど、幅の広いコースを使った混戦模様が続いた。
30周目、マキシミリアン・ギュンター(マセラティ)がマシンにダメージを抱えてクラッシュしたことで、2度目のSC出動となった。
この時点でミッチ・エバンス(ジャガー)が首位に立ったが、唯一アタックモードを消化しきれていない状態。2番手にウェーレイン、3番手にローランドが続いた。
レース再開は34周目。トップ4が横並びになるなど激しい争いが続くが、デニスはブレーキを激しくロックさせ、緊急ピットインを強いられた。
SC走行が長引いたことで、レースのアディショナルラップは6周。40周を終えたところでベルニュが首位に立つが、それを追ったのがキャシディだった。彼は一時最後尾を走りエネルギーを温存していたが、そのアドバンテージを使いながら徐々にポジションを上げていくと、残り3周のところで首位に浮上したのだ。
キャシディはアドバンテージを吐き出しながら、一気にリードを拡大。後続に3秒差をつけてファイナルラップに突入すると、2位以下が激しいポジション争いをするのを尻目にトップチェッカーを受けた。
2位は終始上位を走ったベルニュ、3位には今季5度目の表彰台獲得となるローランドが入った。
キャシディは20周目ごろには21番手を走っていたが、2度目のSC時点で14番手。しかし目の前で起きた多重クラッシュを上手く切り抜け、40周目には5番手を走行。そこからさらに終盤にプッシュし、見事な大逆転勝利を掴んだ形だ。
そのチームメイトであるエバンスはウェーレインを徹底マークし、4位フィニッシュ。ポイントリーダーだったウェーレインが5位に終わったこともあり、キャシディが9ポイント差のポイントリーダーに復帰した。
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