昔は今では考えられないような斬新なアイディアがあった
デザインというのは時代によって変化するもの。流行もあったりと、時代を映す鏡と言ってもいいだろう。最近のカーデザインは、デジタル化とそれを再現する生産技術の向上もあって、形状が複雑化していたり、プレスラインが大胆かつシャープに入っている。昔にはなかったスタイルが主流だ。
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ただし、平均化されているというか無機質な面があり、大胆なチャレンジがあまり感じられないのも事実。すべて計算ずくでやっている感じもしてくる。一方、1980年代までのデザインは、デザイナーのセンスがダイレクトに反映されていて個性的なものも多い。今回は今では考えられない斬新なデザインのクルマを見てみよう。
三菱コルトギャラン
1969年に登場したのがコルトギャラン。のちにコルトが取れてギャランだけになる、三菱のコンパクトセダン&クーペシリーズだ。
その初期型にオプション設定されていたのが、ヘッドライトに付けるルーバー状のカバー。法規的にその後、ヘッドライトに透明以外のカバーなどを付けるのは禁止されたこともあり、日本市場で唯一のルーバータイプが付くモデルとなっている。アメ車の影響を大きく受けているのだが、かなりワルな感じになるのは注目だ。
スズキ・キャリイ
ヘンテコグルマでお馴染みなのが、スズキの4代目キャリイだ。キャリイは今でもあるが、1969年に登場したこちらはジウジアーロデザインが炸裂した逸品。前後対称のデザインは唯一無二の存在だし、フロントマスクも角目2灯で、ロボットのようなインパクトがある。ちなみにバンだけでなくトラックもあって、さすがにこちらは前後対称ではないが、キャビンはそのままでまた違ったユニークさがある。
マツダ・コスモスポーツ
1967年に姿を現したロータリースポーツの先駆車である。デザインも社内デザイナーながら鬼才の小林平治氏。雨が降っているから会社に行かないとか、宇宙人との遭遇をスケッチに描いてみたりなど、とにかくユニークなデザイナーだ。それだけに、コスモスポーツが宇宙船みたいな雰囲気なのもうなずけるだろう。ちなみに小林氏は、これまた宇宙船みたいでユニークなR360クーペも担当している。
ホンダ・シティ
1981年に登場したこちらもユニークなデザインでは相当なレベルにある。ノーマルもさることながら、ターボIIでのダイナミックフェンダーなど、迫力のディテールは、可愛らしさと融合して独自の魅力となっている。デザイナーは田中 徹氏で、まもなくして退社して世界に羽ばたいた人物だ。ちなみに筆者は仲がよく、実際に話してもかなり変わっているというかユニークな方。
ホンダZ
N360をベースにして1970年に登場した初の軽自働車のスペシャリティカーで、2ドアハードトップとしてもお馴染み。こちらの魅力はやはりリヤウインドウまわりの処理で、太く、そして黒く縁取られていたことから、水中メガネの愛称で呼ばれている。現在でもうまくアレンジして取り入れられそうなディテールではある。
日産チェリー
1970年に登場したのがチェリー。4ドアセダンもユニークなスタイルだが、2ドアクーペはリヤを背負い込んだようなスタイルがかなりユニークだ。富士山をモチーフにしたものと言われ、当然、後席の開放感はゼロに等しいレベルだった。今ではNGなスタイルだろう。
日産シルビア
シリーズ最後のほうは2ドアクーペスポーツ感全開だった。逆にシリーズ初期はデザインコンシャスだった。初代はクリスプカットという面を活かしたスタイルが時代を先取りしていたし、2代目はうねる面を取り入れた大胆というか、不思議なデザインだった。ハマグリの愛称というのもかなりユニークだ。こちらもチェリー同様に、後席の開放感はゼロ。
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みんなのコメント
丸目のかわいい奴でした
今の背高ノッポの軽の中にあれば新鮮に映ります。
俺だったらバモスホンダも入れるな。スタイルだけでなく安全性でももうあんなデザインの車は作れないだろう。