WRC第2戦、アークティック・ラリー・フィンランドが行なわれ、ヒュンダイのオット・タナクが総合優勝を果たした。
コロナ禍の影響で開催が取りやめられたラリー・スウェーデンに代わり、急きょカレンダーに加わったアークティック・ラリー・フィンランドは、その名の通り、WRC史上初となる北極圏を含むエリアで開催された。
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タナクは初日の2ステージで、スペアタイヤを1本に絞るという戦略も功を奏して最速タイムを叩き出し総合首位に立つと、デイ2もその勢いは衰えず。2番手以下に24秒以上の差をつけた。
ヒュンダイのアンドレア・アダモ代表が「不必要なリスクを冒して勝利を危うくするのは愚かなことだ」とコメントしたこともあってか、競技最終日の最初のステージであるSS9はステージ6番手タイムと控えめ。それでも、2番手のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)に19.2秒差で最終パワーステージのSS10に臨んだ。
SS10ではロバンペラが最速で駆け抜ける中、タナクは1.7秒差の4番手。つけいる隙を与えず、ボーナスポイント2点を加えて今季初優勝を上げた。
トヨタは期待の若手、ロバンペラが総合2位を獲得した。初日はミスもありながら総合3番手と上位につけると、好調をキープ。タナクを逆転することはできなかったが、昨年のラリー・スウェーデン以来の表彰台を獲得し、WRCでの自己ベストリザルトを更新した。パワーステージではトップタイムをマークし、2年連続スノーラリーで速さを示した形だ。
トヨタ勢の2台目はエルフィン・エバンスが総合5位。だがティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)が総合3位となったため、各陣営上位2台のポイントが加算されるマニュファクチャラーズランキングでは開幕戦でワンツーフィニッシュし首位に立つトヨタに対し、ヒュンダイが11ポイント差に迫る形になった。
開幕戦モンテカルロウイナーのセバスチャン・オジェ(トヨタ)は、気温が高めとなった初日の走行順がトップバッターに。軟らかい雪の”雪かき役”になってしまい苦戦、総合9番手で初日を終えた。その後は順調に追い上げ一時は6番手につけていたものの、デイ2最終ステージSS8のフィニッシュ直前、姿勢を乱し雪壁に激突。スタックしてしまい、まさかのデイリタイアとなってしまった。
オジェはパワーステージのSS10で意地の走りを見せ、ステージ5番手となりボーナス1ポイントを獲得したものの、総合順位でのポイント加算はできなかった。なお、パワーステージ2番手は総合4位のクレイグ・ブリーン(ヒュンダイ)。ヌービルもステージ3番手でボーナスポイントを手にしている。
ドライバーズランキングでは、ロバンペラが39ポイントで首位。2番手には2戦連続表彰台のヌービルが4ポイント差で続いている。
トヨタWRCチャレンジプログラムのメンバーとして今季フル参戦している勝田貴元は、SS9で5番手タイムを出し、総合6位となった。
今回がWRCデビュー戦となるヒュンダイ育成のオリバー・ソルベルグはSS2で4番手タイムを記録するなど速さを見せ総合6番手に立っていたが、最終SS10の終盤に雪壁に突っ込んでしまい、勝田に逆転されてしまい総合7位となった。
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