現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ロシア制裁が「中古車市場」に影響!? 最大輸出先のロシア…今後の影響はいかに

ここから本文です

ロシア制裁が「中古車市場」に影響!? 最大輸出先のロシア…今後の影響はいかに

掲載 15
ロシア制裁が「中古車市場」に影響!? 最大輸出先のロシア…今後の影響はいかに

■ロシアは日本の中古車輸出の最大市場

 ロシアによるウクライナへの侵攻が開始されてから、まもなく2か月近くが経過します。
 
 その影響は世界経済全体に及びつつあり、日本もその例外ではありません。
 
 そのひとつとして、日本における中古車価格も影響を受けているといわれていますが、実際にはどうなのでしょうか。

石油王用の「GT-R」がヤバ過ぎる! ド派手モデルは4500万円超え!

 自動車関連だけに絞ってみても、原油価格高騰によるガソリン価格の上昇、生産に必要な部品供給網の損壊による納車遅れなど、日本のユーザーへの影響が見られつつあります。

 さらに、ロシアとウクライナの戦争状態は、新車市場のみならず、中古車市場にも暗い影を落としているようです。

 日本中古車輸出業協同組合によると、2021年には、122万4924台の中古車が日本から海外へ向けて輸出されています。

 そのうち、約13.3%にあたる16万2249台がロシアへの輸出となっており、2位のアラブ首長国連邦(UAE)、3位のニュージーランドを押しのけて1位となっています。

 また、2021年はコロナ禍の影響を大きく受けた2020年に比べて、ロシアへの輸出台数は30%近く増加しています。

 加えて、2022年の1月と2月も前年比30%以上の輸出台数となるなど確実に回復基調にありました。

 コストパフォーマンスと耐久性に定評のある日本車は、内外装のコンディションが悪かったり過走行であったりするなどして、日本ではほとんど商品価値がなくなったものでも、海外では問題なく売れる場合があります。

 ロシアに対しては、新潟港や富山港などから輸出され、極東ロシアの中心的都市であるウラジオストクなどへと運ばれます。

 実際に、ウラジオストクで多くの右ハンドルの日本仕様のクルマを見ることができます。

 しかし、ロシアによるウクライナ侵攻をうけて、日本政府はロシアに対してさまざまな経済制裁措置を発動。

 中古車に関しては、600万円以上の中古車の輸出禁止が4月5日から実施されています。

 600万円以下の中古車についても、不安定なロシア経済の影響を受け、輸出台数は大幅に減少しているようです。

■下落傾向の中古車価格、現時点ではロシアの影響は軽微か

 日本の中古車市場に目を向けると、2022年2月には過去最高となる100万6000円を記録した中古車平均落札価格も、3月には91万1000円に下落するなど落ち着きを見せています(USS調べ)。

 こうした中古車価格下落の理由は、ロシアへの中古車輸出の停滞が大きいとする報道がありました。

 中古車価格は、市場全体の需要と供給によって大きく変化することで知られていますが、これまでロシアへ輸出されていた中古車が日本国内へと残ったことにより、需要に対して供給が増えたことが、中古車価格の下落につながったという指摘です。

 ただ、これは必ずしも正確とはいえません。

 もちろん、一部の4WD車など、ロシアで需要の高い車種に限定して見れば、そうした影響もあるかもしれませんが、大局的に見れば季節要因の影響のほうが強いと考えられます。

 中古車市場は、新生活に向けてクルマを手に入れる人が多いことなどから、例年3月が最大の需要期となります。

 中古車販売店の視点では、2月のうちから積極的に仕入れを行うため、中古車販売業者向けである中古車オークションの平均落札価格は、2月にピークを迎えることは珍しくありません。

 たしかに、3月の中古車平均落札価格は、2月から比べればやや下落しています。

 ただ、2021年に比べればおよそ20%程度上昇しており、2020年以前と比べてもかなりの高水準にあります。

 これには、コロナ禍によって「密」を避けられるクルマでの移動が再注目されたことに加え、近年では半導体不足などに起因した新車の納車遅れの影響から、比較的納車が早い中古車の需要が高まっているという背景があります。

 スーパーカーや超高級車など、オーダーから納車まで年単位の時間を要することの多かったクルマに関しては、これまでも新車が納車されるまでの「足」として、中古車を購入することは珍しくありませんでした。

 しかし、昨今のように、一般的な価格帯の量販車でもそうした事態が起こっていることは、まさに異例としかいいようがありません。

 このように、日本の中古車市場におけるロシアの影響は、現時点ではそれほど大きくないと見られます。

 しかし、逆にいえば、これから影響が出てくる可能性が高いことを意味しているともいえます。

 加えて、半導体不足やそのほかの部品の供給不足もすぐに解消する見込みはないことから、当面の間は中古車価格の高止まりは避けられないと考えられます。

 ※ ※ ※

 中古車価格の高騰や新車の納車遅延、そしてガソリン価格の上昇など、ユーザーにとっては苦しい状況が続いています。

 社会情勢の変化が大きい昨今、クルマに関しても、これまで以上に冷静かつ慎重な判断が求められています。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタGR、『GR86/BRZ Cup』『ヤリスカップ』『ラリーチャレンジ』の2025年カレンダーを発表
トヨタGR、『GR86/BRZ Cup』『ヤリスカップ』『ラリーチャレンジ』の2025年カレンダーを発表
AUTOSPORT web
BMW「M5ツーリング」日本初上陸!727馬力、M専用PHEVシステム搭載の高性能ワゴン
BMW「M5ツーリング」日本初上陸!727馬力、M専用PHEVシステム搭載の高性能ワゴン
グーネット
1000馬力超えの“新型スーパーカー”「ヴァルハラ」登場へ! 爆速の「V8ツインターボ」をミッドに搭載! アストンマーティン史上「最強モデル」は日本国内でも目撃可能!?
1000馬力超えの“新型スーパーカー”「ヴァルハラ」登場へ! 爆速の「V8ツインターボ」をミッドに搭載! アストンマーティン史上「最強モデル」は日本国内でも目撃可能!?
くるまのニュース
新型「フリード」キャンピングカーを25年1月末に発表! ホワイトハウスキャンパーが斬新「パカッとルーフ」の“車中泊”仕様「STYLE_iD」幕張でお披露目へ
新型「フリード」キャンピングカーを25年1月末に発表! ホワイトハウスキャンパーが斬新「パカッとルーフ」の“車中泊”仕様「STYLE_iD」幕張でお披露目へ
くるまのニュース
【ヨコハマタイヤ アイスガード7 /SUV試乗】走りを“愉しめる”スタッドレス、20年以上も支持されるには理由がある…中三川大地
【ヨコハマタイヤ アイスガード7 /SUV試乗】走りを“愉しめる”スタッドレス、20年以上も支持されるには理由がある…中三川大地
レスポンス
TOYOTA GAZOO Racingが2025年からKYOJO CUPへの支援を拡大。SF参戦チームが多数参加へ
TOYOTA GAZOO Racingが2025年からKYOJO CUPへの支援を拡大。SF参戦チームが多数参加へ
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン 東京オートサロン2025は「ゴルフ」づくし!新型2車をジャパンプレミア
フォルクスワーゲン 東京オートサロン2025は「ゴルフ」づくし!新型2車をジャパンプレミア
グーネット
キャンパーからテスラまで!オートバックスの多彩なカスタムカー集結!東京オートサロン2025
キャンパーからテスラまで!オートバックスの多彩なカスタムカー集結!東京オートサロン2025
グーネット
【インド】全長5m級! トヨタ新型「カムリ」発表! 伝統の「FF最大・最上級セダン」が登場! 斬新“サメ顔”採用した「11代目モデル」の姿とは!
【インド】全長5m級! トヨタ新型「カムリ」発表! 伝統の「FF最大・最上級セダン」が登場! 斬新“サメ顔”採用した「11代目モデル」の姿とは!
くるまのニュース
KDDI、SF新チーム『KDDI TGMGP TGR-DC』のメインスポンサーに就任。人財育成を支える
KDDI、SF新チーム『KDDI TGMGP TGR-DC』のメインスポンサーに就任。人財育成を支える
AUTOSPORT web
[カーオーディオ・素朴な疑問]パワーアンプ編…「クロスオーバー機能」って何? 使う利点は?
[カーオーディオ・素朴な疑問]パワーアンプ編…「クロスオーバー機能」って何? 使う利点は?
レスポンス
Juju、SF参戦を通して“クルマづくり”で成長見せる。話題を呼んだ強気のバトルは「郷に入れば郷に従え」の考えも
Juju、SF参戦を通して“クルマづくり”で成長見せる。話題を呼んだ強気のバトルは「郷に入れば郷に従え」の考えも
motorsport.com 日本版
布製チェーンの装着体験もできる!プロスタッフ、カーケミカル製品を展示販売でアピール…東京オートサロン2025
布製チェーンの装着体験もできる!プロスタッフ、カーケミカル製品を展示販売でアピール…東京オートサロン2025
レスポンス
トヨタGR、2025年も『もっといいクルマづくり』に向けS耐とニュルへ挑む。プロ11名を発表
トヨタGR、2025年も『もっといいクルマづくり』に向けS耐とニュルへ挑む。プロ11名を発表
AUTOSPORT web
【中国】ホンダ新型「イエ P7」公開! パワフルな「4WD」採用の「超スポーティSUV」! クーペ風な流麗ボディが美しい「新モデル」登場
【中国】ホンダ新型「イエ P7」公開! パワフルな「4WD」採用の「超スポーティSUV」! クーペ風な流麗ボディが美しい「新モデル」登場
くるまのニュース
鮮やかな赤のコスモスポーツや白のトヨタ2000GTなど…アクト冬フェス~クリスマスファイナルクラシックカーミーティング
鮮やかな赤のコスモスポーツや白のトヨタ2000GTなど…アクト冬フェス~クリスマスファイナルクラシックカーミーティング
レスポンス
【愛犬家必読】車内のしつこい動物臭を消す方法は? ペットによる車内の汚れや抜け毛を一気に解決! プロ直伝のクリーニング方法とは
【愛犬家必読】車内のしつこい動物臭を消す方法は? ペットによる車内の汚れや抜け毛を一気に解決! プロ直伝のクリーニング方法とは
Auto Messe Web
TOYOTA GAZOO Racing、2025年もTGR-DCを通じ若手を育成。中村仁の海外挑戦も明らかに
TOYOTA GAZOO Racing、2025年もTGR-DCを通じ若手を育成。中村仁の海外挑戦も明らかに
AUTOSPORT web

みんなのコメント

15件
  • 中古車と部品(中古・新品)のロシアへの輸出を禁止しましょう。
  • 知人が20年前に廃車にしたランクル60ディーゼルGX。手を入れて、独特の色に塗り替えていたのだが、てっきり潰されたかと思ったら、廃車にしたあと1週間くらいしてロシアへの中古車輸出関連の新聞記事の掲載写真に映り込んでいた。
    そしてつい先だってバイカル湖を取材したテレビの画面に、明らかにそれと分かるそのランクルが映り込んでいた。

    彼曰く、「あのとき売らなければよかった‥」
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村