現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > FCAとPSAの合併で「ステランティス」誕生へ いま世界の自動車グループはどうなっている?

ここから本文です

FCAとPSAの合併で「ステランティス」誕生へ いま世界の自動車グループはどうなっている?

掲載 更新 5
FCAとPSAの合併で「ステランティス」誕生へ いま世界の自動車グループはどうなっている?

■新たな自動車グループ再編で現状を振り返ってみる

 2020年7月15日、グループPSAとFCAが合併してできる企業の名「STELLANTIS(ステランティス)」が発表された。

なぜホンダの技術はマネされない? 他社が採用しない理由

 この2社の合併は2019年12月に発表され、2021年に完了する予定のもの。STELLANTIS(ステランティス)はラテン語のSTELLOが語源であり、その意味は「星たちとともに輝く(“to brighten with stars”)」となる。自動車業界を照らす新しい星を目指すというわけだ。

 今回の新たなグループ誕生にあわせ、世界の自動車グループの現状を振り返ってみたい。

 まず、STELLANTIS(ステランティス)は、フランスのメーカーであるグループPSAと、イタリアとアメリカ企業が合弁したFCAとが融合して2021年上半期に生まれる新しいグループの名前だ。

 傘下にあるブランドは、グループPSAでいえば「プジョー」「シトロエン」「DS」「オペル」「ボクスホール」があり、FCAが「フィアット」「アルファ ロメオ」「アバルト」「マセラティ」「ランチア」のイタリアブランドと「クライスラー」「ジープ」「ラム」「ダッジ」のアメリカブランドとなる。

 フェラーリは、近年にFCAから独立したものの、緩やかな関係は続いており、仲間といえる存在だ。合併してできるこのグループ全体の年間販売台数は、2018年度の実績からいえば約870万台となり、フォルクスワーゲン(VW)グループやトヨタグループ、ルノー・日産・三菱アライアンスに次ぐ世界4位に該当する。フランス、イタリア、アメリカという多国籍ブランドが揃う個性的なグループといえるだろう。

 では、世界ナンバーワンの自動車グループは何か? といえば、2019年の覇者は年間1097万台のVWグループだ。

 このグループには「フォルクスワーゲン」「アウディ」「ポルシェ」「セアト」「シュコダ」「ベントレー」「ブガッティ」「ランボルギーニ」「ドゥカティ」「スカニア」「MAN」が属する。

 4輪の大衆車から超高級車、スポーツカー、オートバイ、商用車まで、幅広い車種が用意されているのが特徴だ。とはいえ、ブランドはすべて欧州発というのが特徴だろう。

 そのフォルクスワーゲンとトップを争うのがトヨタグループだ。

 メンバーは「トヨタ」「ダイハツ」「HINO(日野自動車)」。

 2019年はグループ全体で約1074万台を売り上げ、VWグループに肉薄した。また、「スバル」も台数合算はないが出資比率20%でトヨタが筆頭株主、また「マツダ」も資本関係があり、技術開発などで協力する仲間と呼べる存在だ。ブランドとしてはほかに当然「レクサス」もある。

 フォルクスワーゲンやトヨタに次ぐ存在となるのは、ルノー・日産・三菱アライアンスだ。2019年の販売台数は約1015万台という。ほかにグループルノーとして「アルピーヌ」「ダチア」「RADA」「RSM」のブランドがある。

 ただし、今年のコロナ禍によって業績が悪化。ルノーの2020年1-6月期の純損益は過去最大の72億9000万ユーロ(日本円で約9000億円)もの巨額赤字を発表。日産も三菱も2020年度は日産が6700億円、三菱が3600億円の赤字となる見通しと発表されている。ほかの自動車メーカーに比べて赤字幅が大きく、来年以降も世界3位のポジションを守れるかどうかは不透明だ。

■2020年のコロナ禍は世界の自動車勢力図を大きく変えるはず

 1000万台には届かないものの、700万台を誇るのがゼネラルモーターズと現代自動車(ヒュンダイ)の2つのグループだ。

 ゼネラルモーターズの2019年の販売台数は772万台。傘下のブランドは「キャデラック」に「シボレー」「GMC」「ビュイック」などアメリカ発のブランドのほか、オーストラリアの「ホールデン」などを擁する。ビジネス面ではアメリカと中国市場が主戦場となっている。

 韓国の現代自動車グループは、2019年に719万台を販売。「ヒュンダイ」のほか、傘下に「キア」もあり、韓国国内市場だけでなくアメリカ、欧州、中国、インドなど世界市場で活躍する。品質も向上しており、海外市場では日本車の強力なライバルとなっている。

 その下の500万台クラスにあるのが「フォード」と「ホンダ」だ。フォードの2019年の販売は539万台、ホンダは517万台であった。どちらも国内市場だけでなく、中国などの世界市場で戦うブランドである。

 ちなみに、STELLANTIS(ステランティス)となったグループPSAとFCAも、単体では、どちらも年間400万台から500万台クラスであり、順位的にはフォードやホンダの下という存在であった。

 そして、もう少し規模の小さいグループがドイツのダイムラーとスズキだ。ダイムラーの2019年の販売台数は約334万台。スズキは約306万台であった。ダイムラーの擁するブランドは「メルセデス・ベンツ」「スマート」「ダイムラー・トラック」など。「三菱ふそうトラック・バス」も現在は、ダイムラーの一員となっている。

 かたや高級車、かたや大衆車というダイムラーとスズキではあるが、意外にも販売規模は同じくらい、また市場も同じくグローバルという共通点を持っているのだ。

 またBMWグループの2019年の販売台数は約252万台。「BMW」のほか「MINI」「ロールス・ロイス」のブランドがある。

※ ※ ※

 世界を見渡せば、年間に1000万台を販売する自動車グループ(1000万台クラブ、とも呼ばれる)の3強がフォルクスワーゲンとトヨタ、そしてルノー・日産・三菱だ。

 その次のポジションには、新生したSTELLANTIS(ステランティス)が飛び込み、以下、ゼネラルモーターズとヒュンダイ、フォード、ホンダと続く。かつてのビッグ・スリーが中段に揃うという状況だ。そして、300万台クラスにダイムラーとスズキが並んでいる。

 ただし、2020年のコロナ禍は世界の自動車マーケットに大きな衝撃を与えた。2020年7月から8月にかけて発表された、各社の2020年通期の見通しをチェックすると、どこも前年比20%ほどのマイナスと考えているようだ。

 しかし、同じだけ台数が減っても、黒字となるメーカーと赤字となるところがある。そうした体質の差は、この先の新車開発や販売活動の差になってくるはず。その結果、グループごとの販売台数、そして順位への影響も大きいことが予想される。

 2020年のコロナ禍は、世界の自動車勢力図も大きく変えるものとなるはずだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

5件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村