輸入車 [2024.03.09 UP]
ポルシェづくしの1日を味わえるアミューズメント施設
文●九島辰也 写真●ポルシェ
ポルシェ「マカン」初のフル電動モデルがデビュー!最大航続距離は613キロ!【動画あり】
ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京をご存知でしょうか。一日中ポルシェと遊べるアミューズメントパークです。なんて書くとふざけているように思われますが、一度足を運ぶとこの意味がわかってもらえると思います。そこへ行けばポルシェが身近に感じられ、そのパフォーマンスの可能性を強く感じられるはずです。
ポルシェ・エクスペリエンスセンター、通称PEC(ペック)と呼ばれる施設は世界中で展開しています。個人的に訪れた経験のあるのは、ロサンゼルス(アメリカ)とホッケンハイム(ドイツ)ですが、このほかにもシルバーストーン(英国)やル・マン(フランス)、上海(中国)、アトランタ(アメリカ)、ライプツィヒ(ドイツ)などにあります。ロサンゼルスは992型911の発表場所として、2018年ロサンゼルスモーターショー前日にイベントが行われ、その時に訪れました。かなりインパクトのある催し物だったのは言わずもがなです。
そんな中のひとつポルシェ・エクスペリエンスセンター東京は2021年10月に9番目のセンターとしてグランドオープンしました。よって、それ以降何度か足を踏み入れています。ですが、今回の訪問は久しぶりとなりました。
ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京
では簡単に施設の説明をすると、ここにはさまざまな体験型の走行エリアがあります。外周路となる「ハンドリングトラック」、スラロームやローンチコントロールを試せる「ダイナミックエリア」、強制的にクルマをスピンさせる「キックプレート」、低ミュー路で定常旋回する「ドリフトサークル」、クルマの挙動を肌で感じられる「ローフリクション・ハンドリングトラック」、それとカイエンの走破性を目の当たりにする「オフロードエリア」などです。
今回はそのオフロードエリアとキックプレートをメインに体験走行しました。というのも、オープン当初はまだこの2つのエリアは準備されていなかったからです。特にオフロードエリアは興味津々。ジープとランドローバーが得意ジャンルでしたので、世界中のオフロードコースを走った経験があります。
コースはそれほど長くありませんが、ちょっと体験するにはいい塩梅だと思います。23度くらいのヒルクライムや35度くらいのダウンヒルは、こういった傾斜を経験したことのない方には新鮮です。特に下りはなかなかブレーキから足を離せないでしょう。ヒルディセントコントロールを信用しろと言われても最初は難しいもんです。
「オフロードエリア」を走行するカイエン
そんなコースを何周か走っているとカイエンのオフロード性能の高さに気付かされます。前後のアングルやランプブレークオーバーアングルは想像以上に深く、かなり攻められます。エアサスで車高を上げると効果覿面です。それに「走行モード」を「オフロード」にして、「Rocks」を選択するとトラクションを有効に使えます。モニターにカイエンの透視図が映り、センターデフとリアデフをロックするのがわかります。この辺の演出はいいですね。ただデフロックとはいえメカニカルなロック機構ではなく、ブレーキで摘むような構造だった気もします。どうだったかな。調べ出すとまたまたカイエン熱が上がりそうです。
なんて感じでオフロードエリアに時間を費やしていましたが、やはりここの人気コースはハンドリングトラックだと思います。ラグナ・セカのコークスクリューやニュルブルクリンクのカルーセル、鈴鹿サーキットのS字を疑似体験できます。ラグナ・セカは走ったことがありますがかなり似ています。左右逆ですが、楽しいです。でもこういうのって左右逆にするのがルールなんですかね。よく行くゴルフ場にもそんな感じのホールがあります。アメリカで有名なゴルフ場のホールを模しているんですが、左右逆。まぁ、そうしないと著作権的に問題なんでしょうけど……。
「ハンドリングトラック」
話が逸れましたが、ここには走行体験以外にも楽しめる施設が備わります。ドライビングシュミレーターやミュージアム、カフェやお土産ショップやレストランなどです。また、施設主導で、ポルシェオーナー向けのカーミーティングや、女性向けのドライビングレッスンなんかも催しています。まぁ、これだけのスケールですからなんでもできますよね。プログラムのいくつかは千葉県木更津市のふるさと納税返礼品になっているとか。興味のある方はお調べください。返礼品でポルシェを体験するのもオツですよね。
自動車ジャーナリストの九島辰也氏
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