現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 消費者の自動運転に対する関心に“ブレーキ”がかかる

ここから本文です

消費者の自動運転に対する関心に“ブレーキ”がかかる

掲載 更新
消費者の自動運転に対する関心に“ブレーキ”がかかる

「2019 Deloitte Global Automotive Consumer Study(2019 デロイト グローバル自動車消費者意識調査)」において、 自動運転の技術面での実用化が近づく一方で、 その安全性に対する消費者の信頼が停滞していることが示された。

出光興産:中国・恵州に潤滑油製造工場を新設

 本年の調査では、電気自動車(EV)に対する消費者の需要の高まりが明らかになり、自動運転より先に電動化がグローバルモビリティに対する影響を与えるものであることが示された。

 EV の一般普及には依然として課題が残るものの、追い風となる環境政策、大手企業による相次ぐ電動化表明・モデル投入及び変わりゆく消費者の嗜好などを受け、EVと代替パワートレイン技術に対する需要はアジア太平洋地域全般において拡大している。
 中国と日本では関心が加速度的に高まっており、中国では65%、日本では59%の消費者が、次に購入するクルマにハイブリッド電気自動車(HEV)、完全電気自動車(BEV)、その他の代替技術を含めた非伝統的なパワートレインを希望している。特に中国においては、世界のEV成長を牽引するために素早い動きを見せており、公害問題への対応、原油輸入依存の軽減、グローバルモビリティ分野における次世代リーダーとしての位置づけの確立を目指している。

モビリティ革命は逆風に直面

 モビリティ革命は旧態依然の消費者行動という壁にぶつかっているようだ。
 消費者は自家用車の所有にこだわっており、ライドシェア利用は鈍化し、複数の交通手段の利用は依然として一般的ではない。しかし、調査結果から世代間での差が明確に示されており、シェアード・モビリティの将来は、デジタル技術の取り込みに対して、抵抗のない若年層にかかっていると言える。

・自家用車の所有は今後も「現状維持」の見通し
 アジア太平洋市場の一部においては、自家用車の日々の利用率は非常に高いものの、より低い利用率の地域でも、今後数年は「現状維持」となる見通し。日常的に自家用車を利用する消費者の割合は、東南アジアとオーストラリアの59%から日本の21%まで幅があるが、全市場において消費者は現状の水準が今後3年間続くことを予想している。

・複数の交通手段の利用は引き続き低調
 一度の移動において、自家用車に加えて地下鉄や電車といった複数の交通手段を組み合わせるという考え方は、引き続き大多数の消費者にとっては一般的ではない。

・ライドシェア利用は鈍化
 ライドシェアが浸透している市場もあるが、ライドシェアを常用している人は過去2年間で減少した。

・世代間の差異
 若年層消費者は年長世代と比較してシェアード・モビリティの概念に理解があり、クルマの所有の必要性に疑問を抱いているようだ。日本がこの点では突出しており、Y世代とZ世代の60%がライドシェアによりクルマを所有する必要性に疑問を抱くと回答しており、この割合はX世代で53%、ベビーブーマー以前の世代で45%となっている。
* ベビーブーマー以前の世代:1964年以前に誕生
 X世代:1965–1976年に誕生
 Y/Z世代:1977年以降に誕生(サンプルは16歳未満の消費者を除く)

交通の新しい選択肢に加えて、コネクティビティが消費者の車両購入に新しい選択肢をもたらす

・優先事項
 調査回答者の圧倒的多数が、コネクティビティ機能に対して、時間の節約と確実な安全性をもたらすことを期待している。渋滞情報や代替ルート案に関する最新情報、より安全なルートに関する提案、道路の安全性向上と衝突回避のための最新情報といった項目がコネクテッドカーの機能として常に上位3項目に挙がっている。中国、インド、東南アジアでは、近隣駐車場へのアクセス(利用可能性、予約と決済)についてもコネクテッドカーに望む機能として挙げられている。

・コネクティビティのメリットについては意見が割れる
 クルマのコネクティビティについて、消費者の意見は割れている。中国の消費者(79%)はコネクテッドカーという考え方を受け入れており、これは日本の消費者(36%)の2倍以上。

・データ収集とプライバシー
 コネクテッドカーのセンサーは、パワートレインのパフォーマンスから、運転行動の統計、地理位置情報、乗員の健康状態に至るまで、あらゆるものを追跡できる。インド(70%)、韓国(55%)、オーストラリア(53%)といった国では半数以上の回答者がコネクテッドカーを通じ第三者によって生体認証データが取得され、共有されることについて懸念を示している。

・データを管理するのは?
 消費者の懸念は、コネクテッドカーで生成・共有されたデータを誰が管理するのかということに及んでいる。その役割として自動車メーカー(OEM)を信頼する消費者もいるが、多くの消費者は政府、自動車ディーラー、保険会社、クラウドサービスのプロバイダー、その他といった別の主体を希望している。

・コネクティビティへの追加支出に前向き
 オーストラリア以外のアジア太平洋地域の国において、消費者は一般的に、先進的なコネクティビティ機能のついたクルマを入手するための支出に前向きだ。世界の他の国々においては、消費者の大半が追加支出に前向きでないことから、大きな違いとなっている。

 理想的な未来のモビリティシステムは一朝一夕に実現されるものではない。世界中の消費者が先進的な自動車技術を懐疑的に検討し、それに対して追加支出をするかどうか考えている中で、OEMは投資に対するリターンを得られる時期が不透明な状態のまま費用負担の重いR&Dを進めていく必要がある。

「コネクテッドカーやEV、自動運転車両は、社会に大きな価値をもたらします。しかし、その安全性、費用、利便性について明確な改善がみられ、信頼できるブランドから満足できる経験を得られるまでは、消費者はこの最先端技術を一気に受容するには慎重になる可能性があります」と、デロイト グローバル 自動車セクターリーダーのJoe Vitale氏は述べている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
AUTOCAR JAPAN
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
くるまのニュース
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
レスポンス
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
日刊自動車新聞
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
Auto Messe Web
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
くるくら
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
レスポンス
外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
くるまのニュース
やっぱり2年目は厳しい? F1ラスベガスGP、2024年はチケット売り上げ、経済効果共に減少
やっぱり2年目は厳しい? F1ラスベガスGP、2024年はチケット売り上げ、経済効果共に減少
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105 . 8万円 128 . 8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13 . 8万円 75 . 0万円

中古車を検索
ホンダ Zの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105 . 8万円 128 . 8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13 . 8万円 75 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村