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コルベット用V8から678ps キャデラックCT5-V ブラックウィングへ試乗 M5キラー

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コルベット用V8から678ps キャデラックCT5-V ブラックウィングへ試乗 M5キラー

コルベットZ06用V8をチューニング

シボレーのスモールブロックV8をフロントに押し込んだ、ゼネラル・モーターズ渾身のスーパーサルーンが誕生した。その名も、キャデラックCT5-V ブラックウィング。BMW M5 CSに対する、挑戦状といえるだろう。

【画像】ブラックウィング キャデラックCT5-VとCT4-V 欧州の高性能サルーンと比較 全109枚

キャデラックは近い将来、純EVに特化したブランドになる。既にクロスオーバーの次期モデル、リリックが2023年に控えている。ラグジュアリーなSUVが、今後複数台展開される見込みだ。

それまでの短い期間、内燃エンジンの最後の蜜を楽しめるように、このブラックウィングが届けられた。ボンネットの内側に宿るのは、C7世代のコルベットZ06に搭載されたLT4ユニット。6.2Lの排気量を、イートン社製のスーパーチャージャーで過給する。

このV8エンジンは、初めから軽量なチタン製バルブと鍛造のコネクティングロッド、ピストンなどで武装済み。さらに冷却系と吸気系を見直すことで、最高出力678psと最大トルク90.9kg-mを発揮する。つまり、C7コルベット以上にパワフルというわけ。

キャデラックがライバル視するBMW M5 CSの場合、635psと76.3kg-mだから、その差は小さくない。0-97km/h加速時間は、3.0秒に対して3.6秒と逆転するけれど。

最新の競合モデルでは珍しい装備となるのが、3ペダルの6速マニュアル。GMとフォードの共同開発による10速オートマティックも選択できるが、ここはやはり、オールドスクールなMTを選びたいところ。クルマ好きとの話題も増えるだろう。

カーボンセラミック・ブレーキも搭載可

6速MTの操作感は、非常に滑らか。ここまでパワフルな後輪駆動モデルなら想定できる、駆動系の荒々しさも伝わってこない。クラッチペダルも軽く踏め、つながりは漸進的。かつての日本車のようだ。

現代モデルらしく、シフトダウン時に回転数を合わせてくれるレブマッチ機能と、フルスロットルのままシフトアップできる、フラットシフト機能も付く。ただし、極端に太い最大トルクを鑑みて、フラットシフトを試す勇気はなかった。

678psのCT5-V ブラックウィングは後輪駆動のみで、四輪駆動は選択できない。BMWの技術者の多くは550馬力以上のクルマには四輪駆動が必要だと話すが、少なくともドライ・コンディションの限り、ブラックウィングのトラクションは見事といえる。

シャシーには、電子制御のリミテッドスリップ・デフに加えて、GM最新のマグネティックライド・コントロールと呼ばれるアダプティブダンパーが搭載されている。タイヤは専用開発のミシュラン・パイロットスポーツ4Sを履く。

これでも足りないというドライバーに向けて、カーボンセラミック・ブレーキも104万円程度で追加できる。充分に温まる前でも、信じられないような制動力を生み出す。ポルシェ911のGTシリーズにも匹敵すると思う。29kgの軽量化にもつながる。

ドライビングに惹き込まれるサルーン

全長4923mm、全幅1882mm、全高1453mmのブラックウィングの車重は、カーボンセラミック・ブレーキを付け、サンルーフを省いた状態で1870kg。M5 CSとほぼ同じ重さだ。スーパーサルーンとして、車体は軽い方が良い。

ステアリングホイールを握り走らせてみても、決して重くは感じられなかった。俊敏な身のこなしを知ると、そのボディサイズが信じられないほどだ。最高速度は322km/h以上が主張される。

足まわりは硬く、アメリカの山岳部にあるような路面が荒れたワインディングでは時折不安定なるものの、クルマから得られる自信は絶大だ。ブレーキは強力で、アクセルレスポンスも鋭敏。アンダーステアも殆ど顔を見せない。

19インチのミシュランは驚異的なグリップ力を生み出す。マグネティックライドの減衰力特性も素晴らしい。ドライブモードをスポーツやトラック(サーキット)に設定すれば、姿勢制御も秀抜になる。

一方で、最もソフトなツアー・モードを選べば、流れるように路面を進む。往年のビッグ・キャデラックのように。

直線番長のマッスルカーとは違う。凄まじいV8エンジンのノイズも楽しめるが、ドライビングに惹き込まれる、とても楽しいハイパフォーマンス・サルーンだと感じた。

節目に最善を尽くしたキャデラック

BMW M5 CSより良いかと聞かれると、即答は難しい。しかし、北米価格は8万3995ドル(約965万円)から。カーボンセラミック・ブレーキを付けても、北米ではドイツ製ライバルの半額で買えてしまう。

燃費はあまりご紹介したくないが、今回の試乗時の数字は5.3km/L。満タンで走れる距離は、300kmを少し超える程度になる。昨今の情勢的に、あまり褒められるものではないだろう。

インテリアの仕立ては、充分に上質。デザインに無駄はなく、直感的に扱いやすい。質感ではアウディに届かないにしろ、購買意欲を削ぐほど悪くはない。

キャデラック最後の内燃エンジン・モデルの1台となる、CT5-V ブラックウィング。アメリカのラグジュアリー・ブランドは、その節目に最善を尽くしたといって良いだろう。

キャデラックCT5-V ブラックウィング(北米仕様)のスペック

北米価格:8万3995ドル(約965万円)/10万8115ドル(約1243万円/試乗車)
全長:4923mm
全幅:1882mm
全高:1453mm
最高速度:322km/h以上
0-100km/h加速:3.6秒
燃費:6.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1870kg
パワートレイン:V型8気筒6162ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:678ps/6500rpm
最大トルク:90.9kg-m/3600rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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