フレンチラグジュアリーブランド「DS」に、新たな電動車が加わった。それがフラッグシップモデルのPHEV「DS 7 クロスバック E-TENSE 4×4」だ。
この電動化技術「E-TENSE」は、EVフォーミュラカーレース「フォーミュラE」に参戦し、2019年と2020年の2年連続で総合優勝を飾った「DS TECHEETAH」チームからのフィードバックを受け、開発されているという。
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さらに2モーターを搭載した4WDシステムを搭載する点も大きな見どころだ。DS初のPHEVにして、四輪駆動車でもある「DS 7 クロスバック E-TENSE 4×4」を紹介しよう。
文:大音安弘 写真:グループPSAジャパン
【画像ギャラリー】電動車かつ4WDなDS「DS 7 E-TENSE 4×4」
■フォーミュラEの技術を取り入れたPHEV
グループPSAジャパンは、2021年3月10日、DSのフラッグシップSUV「DS 7」のPHEV「DS 7 クロスバック E-TENSE 4×4」を追加し、同日より販売を開始した。
日本仕様は、右ハンドルの「グランシック」のみとなり、価格は732万円だ。
DS 7 クロスバックにPHEV仕様の「E-TENSE 4×4」を追加。
フレンチラグジュアリーSUVの「DS 7 クロスバック」の新仕様として追加された「E-TENSE 4×4」は、ガソリンエンジンに加え、前後モーターを搭載した4WDのPHEVであることが大きな特徴だ。
その電動化技術「E-TENSE」の開発には、DSが提携するフォーミュラEチーム「DS TECHEETAH」からのフィードバックを受けた技術と知見が活かされているという。
フォーミュラEとは、EVフォーミュラカーによるレースであり、同チームは、2019年と2020年の2連連続で総合優勝を飾った実力派だ。
■ビジュアルの差別化は限定的
DS 7 クロスバック初の電動車となる「E-TENSE 4×4」だが、意外にもビジュアルの差別化は限定的。これは先進的かつモダンさを前面に打ち出したDSブランドと電動化技術の親和性の高さを、さりげなく主張するためだ。
エクステリアの細やかな違いを挙げると、専用外装色となる「クリスタル パール」の設定、フロントフードとリアゲートに配された「E-TENSE」のコンパクトなエンブレムくらいのもの。
ただ給油口と給電口のふたつが必要なため、左右リアフェンダーにそれぞれのリッドが備わる。それも数少ないビジュアルの差となっている。
給電口と給油口は左右別々の場所に設置。ただひと目でPHEVと判断するのは難しいほど、差別化は限定的だ
差別化が最小となるのは、インテリアも同様だ。E-TESE 4×4には、エンジン車の最上級グレードでもある「グランシック」仕様を採用。
ダッシュボード中央のB.R.M製のアナログ時計やダイヤモンドクロスステッチが印象的な「リヴォリ」デザインのシートやトリム、先進の電子デバイスなどを備えた贅沢な空間が広がる。ただしインテリアカラーは限定され、パールグレーのみとなる。
インテリアは、パールグレーに。トリムレベルは、エンジン車のトリムレベル「リヴォリ」と同じ仕様となる(日本仕様は右ハンドル車のみ)
■パワフルなPHEVシステム
新採用のPHEVパワートレーンは、フロントにエンジン+モーター、リアにモーターを備えるツインモーターユニットである。
エンジンには、ハイチューン仕様の2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載。最高出力200ps(147kW)、最大トルク300Nmを発揮。前輪用の駆動モーターは、最高出力110ps(81kW)、最大トルク320Nmを発揮する高出力なもの。
このフロント側モーターは、8速ATに内蔵。この電動化に合わせて、トランスミッションのトルクコンバーターを排して、湿式多板クラッチに変更されている点も特徴のひとつ。
後輪駆動を担うリア側モーターは、最高出力112ps(83kW)、最大トルク166Nmと、フロントモーターとも仕様が異なる。取付は、サブフレームに内蔵式となり、スペース効率を最大化。リダクションギアを介することで前後のバランスを取るという。
また前後それぞれの独立した駆動制御ができるので、自由度の高さも持ち味となる。
駆動用のリチウムイオン電池は、リアシート下に搭載。燃料タンクも燃費向上のため62Lから43Lに削減されている。充電は200Vの普通充電のみ対応。標準装備となる3kWの車載充電器では、約5時間で満充電となる。
ハイブリッドシステムの性能は、トータル出力が300ps、トータルトルクが520Nmと、かなりパワフル。これはエンジン車の最高出力を上回るだけでなく、クリーンディーゼルターボエンジンの最大トルク400Nmをも大きく超えるものだけに、最も高性能なDSモデルでもあることを示している。
力強いPHEVパワートレーンは、最もパワフルなDSを生みだした
■DSらしい優雅で快適な「E-TENSE 4×4」
DS 初の4WDシステム「E-TESE 4×4」は、主にドライブモードで制御する。ドライブモードには、「4WD」、「SPORT」、「HYBRID」、「COMFORT」、「ELECTRIC」の全部で5つのモードを用意。
始動時のデフォルトは、モーター走行を基本とした「ELECTRIC」となる。EV走行は135km/hまで対応できる。
最も幅広く活躍するのが「HYBRID」で、モーターとエンジンをシームレスに切り替える最も効率よく走る。もちろん、駆動バッテリーの残量があれば、モーター走行を優先する。
「SPORT」は、エンジンの活躍範囲を拡大し、スポーティな走りを重視したもの。ターボエンジンと8速ATの活躍を期待でき、スポーツモデルのような雰囲気も楽しめる。
快適性を高める「COMFORT」は、基本的には「HYBRID」モードの制御となるが、DSアクティブスキャンサスペンションを活用するのがポイント。サスペンションのコントロールを行うことで、往年の名車「DS」の「魔法の絨毯」感覚をイメージした乗り心地が楽しめる。まさにDSらしいモードだ。
そして目玉の「4WD」は、前後の駆動をリアルタイムで制御することで、SUVらしい悪路走破性を発揮したもの。これまでDSは、街乗り高級SUVというイメージが強かったが、そこにオールラウンダーの価値を加えた「E-TENSE 4×4」の秘密兵器というべきもの。
当然、電動車が得意とする効率を優先し、路面状況に応じてはFFにもなる。またシステム作動速度は、135km/hに設定されており、それ以上の領域では「HYBRID」に切り替わる仕組みだ。
もっとも如何なる走行モードでも、状況に応じてエンジンとモーターの駆動がシームレスに切り替わるようになっており、PHEVのよさを最大限活用したシステムとなっている。
満充電時のEVモード航続距離は、56km(WLTP)を実現。主体となるハイブリッド走行での燃費消費率は、14.0km/L(WTLC)と公表されている。
四駆のPHEVシステムということもあり、燃費面では、やや重量増が不利ともなるが、日常なら、ほとんどEVモードでカバーできるため、積極的に充電機能を使えば、走行コストを抑えることは簡単にできそうだ。
電動4WDの搭載で、悪路走破性も飛躍的に向上
■同門ブランドへの拡大にも期待!
フランス発の同門ブランド、プジョーやシトロエンより先行して、PHEVを導入したDS。これは先進機能は、まずDSからという3ブランドのポジショニングに沿ったものだ。
ただ近年、プジョーやシトロエンもSUVラインアップに注力しているのは皆さんもご存じの通り。そうなれば、近い将来、日本でも他ブランドに、4WD のPHEVが導入されることを期待したくなるというものだ。
その未来を思い描くためにも、フォーミュラE直系の電動化制御と走りはいかがなもののなのか、DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4の実力を試してみたいものだ。
電動車時代の到来と共に注目も高まるフォーミュラE。DSには、その知見も活用される
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