英国では2年ぶんの台数が90分で完売
この試乗レポートは、英国の読者にとっては余り意味のないものかもしれない。この地へ導入される新しいトヨタGR86は、すでに完売状態だからだ。
【画像】乗り手の気持ちを鷲掴み トヨタGR86 善は急げ 日本のスポーツモデルは他にも 全136枚
2022年に注文の受付が始まると、先代で定評を築いた小さなFRスポーツクーペは瞬く間に売り切れた。ちまたで高評価の人気パティシエによる新作スイーツなどより、短時間だったといえるほど。
AUTOCARの英国編集部では、新しいGR86を半年ほど前に海外で試乗している。その反響も小さなものではなかった。2年ぶんの英国への割り当て台数が、たった90分で埋まったという事実を裏付けるように、素晴らしい印象を残してくれた。
GR86は、新車で購入できる内燃エンジンを搭載した手頃な価格のスポーツカーの、数少ない選択肢でもある。この事実が、人気へ一層の拍車をかけたのだろう。
今年の初め、スペインのモンテブランコ・サーキットで開かれたプレス向け発表会の後、ガズー・レーシングの技術者はスタビリティ・コントロールのソフトウエアに改善が必要だと考えたらしい。そのアップデートには、想像以上に時間を要した。
だが、ようやく英国でも注文者の手元へクルマが届き始めた。欧州では、運転支援システム用カメラとセンサーの装備義務が施行される2024年の半ばまでに、GR86の納車は終了する。それ以降の販売計画は、今のところない。
86を確実に成長させたトヨタ
この安全性に係る規制がなければ、2030年まで欧州でも販売できた可能性があるそうだ。ハイブリッド・モデルを多く提供するトヨタにとって、GR86が排出するCO2の割合は小さい。メーカー平均値を大きく引き上げることは、なかったという。
このセンサーやカメラの搭載を可能とするには、GR86のボディシェルを再設計する必要がある。フロントガラスの角度と、ルーフの高さを改めなければならない。その結果、空力特性も悪化することが想定される。
他の市場でも販売されるGR86にとって、欧州の規制に合わせた変更が与える影響は小さくない。一部の市場を諦めるというトヨタの判断は、理解できないものではないだろう。結果として、英国では90分での完売に至った。
果たして、限定的に英国へ届けられるGR86のドライビング体験は、そんな熱い期待へ応えるものだろうか。前回の内容を踏まえると、英国の一般道での評価が大きくひっくり返る可能性は低い。それでも、称賛に値する仕上がりにはあるだろうか。
先に明かしてしまうと、オーダーに成功した少数の幸運な人は喜ばれて良いと思う。予定より納車が遅れヤキモキされているかもしれないが、トヨタは86を確実に成長させた。届けられるまで待っていることを、誇らしく感じても良いかもしれない。
英国仕様のGR86で、筆者は1日中公道を思い切り運転させてもらった。期待を裏切ることはなかったとお伝えできて、筆者もうれしい。
インテリアには安っぽい樹脂部品も
そもそも、メーカーのイメージを左右するような象徴的なスポーツカーに、落胆させられるケースは基本的に少ない。トヨタのように、力強く魅力的にプロダクト展開を進めているメーカーの場合は特に。
ただし乗り心地と操縦性には、あえて触れておきたい変化も見られた。先代の86と比べても、筆者の予想と比べても、少し異なる方向性を感じたことは事実だ。
もう1つ、その前にインテリアでも気になる部分があった。2021年末に筆者が試乗したGR86はプロトタイプで、内装の仕上げや素材は最終的なものではないという説明を受けていた。
その後、AUTOCARの別の編集部員が量産仕様へ乗っているが、その時もインテリアを褒めてはいない。そして今回、改めて確認できた。先代と同様に、GR86のインテリアにも驚くほど安っぽく感じられる部品が混ざっている。
座面が低く、足を伸ばすスタイルのドライビングポジションは良好。シートはサイドサポートがしっかりしていて、メーターパネルも見やすい。人間工学的には目立った不満はない。スポーツカーとして考えれば、荷室も実用的な大きさがある。
だが、プラスティックが目立つダッシュボードや、ドアハンドルの質感は・・。少なくとも、軽量に仕上がっていることは間違いないだろう。
クラッチペダルは重めで、6速MTのシフトレバーはスプリングで戻される感覚が強い。2000年代初頭の、マニュアルのスバル車を思い出させてくれる。久しぶりに懐かしい友人に再会したような、そんな気分になった。
この続きは後編にて。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?