ホンダとルネサスエレクトロニクスは1月8日、高度な自動運転の実現に向けて、2000TOPS(1秒当たり2000兆回の演算処理能力)で消費電力も大幅に抑えることが可能なSoC(システム・オン・チップ)を共同開発すると発表した。ホンダが2020年代後半以降に市場投入する予定の電気自動車「ホンダ0(ゼロ)シリーズ」への搭載を目指す。
両社が共同開発するSoCは、ソフトウエアで機能を実現するソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)向けを想定している。自動運転・先進運転支援システム、パワートレイン制御、快適装備などをソフトで最適制御するコアECU(電子制御ユニット)向けのSoCを開発する。
ホンダの次世代EV「ゼロ」、開発のカギはAI用いた「シームレス」 自動運転やインフォテイメントで差別化
高度な制御を実現するため、AI性能は業界トップクラスとなる2000TOPSとする。AI半導体は電力消費量が大きくなるが、両社は20TOPS(1秒当たり20兆回の演算)当たり1ワットの電力効率の高いSoCの開発を目指す。TSMC(台湾積体電路製造)の3ナノメートル世代の半導体を使用する。
ルネサスが27年に量産する予定の第5世代の車載用SoC「Rカー・X5シリーズ」と、ホンダが独自に開発したAIアクセラレーターを、異なる機能のチップを組み合わせるチップレット技術を用いてシステムを実現する。チップレットを活用することでカスタマイズ性能や、将来の拡張性も確保する。
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