2007年、三井物産オートモーティブがシボレーHHRの販売を開始した。当時、アメリカ車の話題が何かと多かったが、中でも三井物産オートモーティブはタホやトラバースなど魅力的なシボレー車を積極的に導入、市場を賑わせていた。ではこのユニークな「スタイリッシュ・アメリカン・コンパクト」はどんなクルマだったのか。日本上陸間もなく行われた試乗の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年8月号より)
インパクトのあるフロントマスク、レトロだが古臭くない
ハマーH2、H3、キャデラック・エスカレードなど、個性的なアメリカ車の輸入販売で実績を残す三井物産オートモーティブ(株)が、またまた楽しいクルマを導入した。それは「シボレーHHR」というSUV、いやSUVではなくて・・・、ちょっとひとことでは表現しがたい、そう「楽しいクルマ」なのだ。同社によるパンフレットなどには、「スタイリッシュ・アメリカン・コンパクト」というコピーが付けられている。
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さて、このクルマには生みの親が同じ、宿命づけられたライバルが存在する。親は同じだが兄弟ではない。何やら昼メロ風になってきたが、GMのボブ・ラッツ副会長が、クライスラーに在籍していたときに手がけたPTクルーザーのヒットを見て、そのGM版を作ろうということで、開発をスタートしたのが、この「シボレーHHR」なのだ。
しかし、結果的に出来上がったものを見ると、ずいぶんとその個性は違う。同じレトロ調でも、PTクルーザーはデザイン優先と感じられる部分が多いが、シボレーHHRは1949年式サバーバンのデザインをインスパイアしたということもあり、機能性にたいへん優れているのだ。収納スペースは至るところにあるし、ラゲッジスペースのフロアボードは、トノカバーのように上部にも、また斜めにも装着することができる。6:4分割式リアシートをワンタッチで倒せば、フラットスペースが出現、助手席のシートバックも可倒式なので、サーフボードなども簡単に収納できる。
ボディサイズは、全長4500×全幅1740×全高1620mmで、BMWのX3(4585×1855×1675mm)より、ひと回り小さいと言ったところ。プラットフォームは、GMのFFグローバルカーに使われている「デルタ」で、シボレーコバルトやサターンアイオン、オペルアストラなどと共通のものだ。搭載エンジンは、これまたグローバルな「ECOテック」で、2.2Lと2.4Lを用意している。
初めに試乗したのは、2.4Lエンジンを搭載する最上級モデルの「2LT」。100mも走ると、予想外(失礼)に走りがジェントルであることに驚いた。全般に静粛性は高く、エンジンは直4とは思えないほど滑らかに回る。4速ATのマナーもよく、シフトアップ、ダウンはスムーズだ。走りにガサツなところがなく、しっとりとした、いいフィーリングに仕立てられている。アメリカ車らしい乗り味の中にも、しっかり感がある。ステアリングには確かな手応えがあってドライビングが楽しいのだ。
この大きさにしては軽いといえる1460kgという車重、そしてその前後バランス(前840kg、後620kg)、FFにしてはあまりフロントヘビーではないことが、このドライブフィールの実現に一役買っているのだろう。もちろんサスペンションもいい。
さて、疑り深い性格のせいか。どうしても2.2Lエンジンを搭載する量販グレード、1LT(325万5000円)にも乗りたくなった。短時間だが試乗して、これまたびっくり。そのフィーリングは、2LTとほとんど変わらない。違いは排気量差そのままのパワー&トルクだけという印象だった。2LTとはエンジン以外にもサンルーフやオーディオ、本革シートなど、標準装備の違いがあるが、47万2500円という価格差を考えると、どちらがオススメかは悩むところだ。
試乗前、三井物産オートモーティブの担当者に販売目標を訊いたところ「アグレッシブですよ。年1000台です」とのことだった。そのときは「それはちょっと……」と内心思ったが、試乗後には「十分に行ける」と確信した。「アメリカ車復活」などと大仰に言う気はないが、大ざっぱな見方をしないで、これからは1台1台、じっくりとその魅力を探っていきたいと、この「楽しいクルマ」に試乗して、思った。(文:荒川雅之/Motor Magazine 2007年8月号より)
シボレーHHR 2LT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4500×1740×1620mm
●ホイールベース:2630mm
●車両重量:1460kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2384cc
●最高出力:177ps/6200rpm
●最大トルク:223Nm/4800rpm
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:372万7500円(2007年)
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