トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD、西脇憲三社長、横浜市港北区)は7月1日、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(下請法)違反に関して指摘を受けていることを明らかにした。ホームページ上で「事実関係の確認に全面的に協力し、公取委の指導に真摯に対応する」とコメントを出した。
TCDは下請け企業約50社に対し、バンパーなどの製造に必要な金型などを無償で長期保管させたり、不当に部品を返却したりしていたという。公取委はTCDに対して下請法違反で勧告する方針を固めた。今週内にも再発防止を勧告する。
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保管料などは数千万円に上るとみられる。TCDは約90社の下請け企業に対して関連費用を全額支払う見通しだ。また、下請け企業から納品を受けた際、検品したにも関わらず、不当に部品を返品していた疑いもあり、約60社に5千万円を超える損害を与えたという。金型の長期保管と不当返品の被害が重複している企業もある。
TCDは、カスタマイズ(合法改造)用品などを手掛けるトヨタ自動車の子会社で、トヨタが株式の9割を保有している。用品ブランド「モデリスタ」などを展開するほか、レーシングカーを開発するモータースポーツ事業、救急車など特装車事業も手掛けている。
トヨタは、TCDに対する公取委の指摘について「現在、事実関係を確認している。トヨタでは金型保管に関する対応をはじめ、下請法順守に努めており、子会社での法令順守についても引き続き徹底していく」とコメントした。
金型を下請け企業に長期間保管させる商慣行は、以前から自動車業界で問題視されており、経済産業省や日本自動車工業会などが「型取引の適正化」に向けたガイドラインを策定したりしている。しかし、補修部品は長期にわたって在庫を持つ必要もあり、サンデンやニデック子会社が金型保管問題で下請法違反の勧告を受けるなど、依然としてこうした慣行が続いているようだ。
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