リバティ・メディアが発表した決算結果によると、フォーミュラ・ワン・グループは、2019年に1700万ドル(約18億4000万円)の利益を上げたという。リバティ・メディアは2016年末にF1の商業権を44億ドル(約4763億円)で購入した。
昨年、F1の総収入は2018年の18億2700万ドル(約1977億円)から20億2200万ドル(約2191億円)に増加した。2017年には3700万ドル(約40億円)、2018年には6800万ドル(約73億6000万円)あった損失は、リバティがデジタルメディアへの露出拡大といった分野へ投資を増やした結果であるという。
「2021年コンコルド協定交渉は最終段階」とF1ボス。収益分配システムの見直しが主眼
チームへの分配金は2016年に9億6600万ドル(約1046億円)だったが、2017年には9億1900万ドル(約995億円)、2018年には9億1300万ドル(約989億円)にまでその額が落ち込んでいた。しかし最新のデータによると、チームへの支払額は10億1200万ドル(約1096億円)に上昇している。
リバティにとって、このニュースの到来はこの上ないタイミングだろう。リバティは各チームとFIAとともに、今後10年間F1を統治することになる、競技、技術および商業規則を定める新コンコルド協定の話し合いを進めているからだ。
さらに、開催権料の減少はあるものの、F1の基本収入源である放送料とスポンサー料には増加が見られた。
2019年は、それ以外の収入源からの収益も成長を見せている。総レース観客数は2パーセント増の420万人となり、ソーシャルメディアのフォロワー数は33パーセント増の2490万人、累積テレビ視聴者数は9パーセント増の19億人となった。
「放送収益は第4四半期および通年で増加しているが、これは契約率の増加に伴うものだ。為替レート低下の影響により、一部相殺される形となった」と決算報告は続けている。
「広告およびスポンサーシップ収益は、第4四半期では比較的横ばいとなったが、通年では新スポンサーシップ契約からの収益により成長を見せている」
「こうした収入源における成長は、第4四半期および通年において、レース宣伝収益の減少により一部相殺された」
「第4四半期におけるレース宣伝収益の減少は、主に1件の契約更新条件が関連している。通年における減少は、2件の契約更新条件の影響と、為替レートの低下によりもたらされた」
「2019年全体および第4四半期における他のF1収益の増加については、デジタルメディア収益の増加、パドッククラブ参加者数の増加、イベントごとの催しからの収益増加、またF2およびF3チームからの機材、パーツ、メンテナンスの売り上げの増加が含まれる」
しかしながら、コストも上昇している。これについてリバティは、「様々な技術イニシアチブ、デジタルおよびソーシャルメディア製品とプラットフォームのさらなる開発と配信の継続、F2およびF3チームへの機材、パーツ、メンテナンスおよびその他サービス販売に関連するコスト、そしてFIA会費の高騰」などによるものだとしている。
F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、この決算結果を歓迎し、F1の経営状態が非常に健全であることが示されたと述べている。「F1は過去数年にわたって行われてきたビジネスへの投資から、引き続き利益を得ている」とキャリーは述べている。
「2020年はF1の70周年の節目にあたることから、さらなる勢いが生まれるだろう。それは、この強力な決算結果、視聴者数、観客数や参加者数に見て取ることができる」とキャリーは付け加えた。
リバティの社長兼CEOのグレッグ・マッフェイは、同様にF1の“非常に素晴らしい決算結果”と、視聴者数の増加およびレース観客数の成長ぶりを称賛している。
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