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大型トラックに付いている「謎の浮くタイヤ」どんな意味? 故障じゃないの? タイヤが浮くワケとは

掲載 更新 98
大型トラックに付いている「謎の浮くタイヤ」どんな意味? 故障じゃないの? タイヤが浮くワケとは

■たまに見かける「タイヤが浮いているトラックー」、なぜ浮いてる?

 大型トラックや大型トレーラーなどが走行している際、「後輪タイヤを浮かしている」のを見掛けることがあります。
 
 とくに複数輪のタイヤが備わっている場合に浮いていますが、どのような理由があるのでしょうか。

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 浮いているタイヤの特徴として、例えば左右3つずつある後輪の内、接地しているは真ん中だけで前後の2本は浮いて回転していないといったことが挙げられます。

 一見、タイヤが浮いている状況を見ると「故障でタイヤがうまく接地していないのでは?」と思うかもしれません。

 しかしこの状況について、トラックドライバーは「タイヤが浮いている理由は『リフトアクスル機能』によってタイヤを浮かせているからで故障ではありません」と話します。

 リフトアクスル機能とは、積荷の量に応じてセンサーが発動し、圧縮空気等の力によって自動で車軸が降りてくる仕組みのものです。

 一般的な「リフトアクスル」では、トレーラーの後前軸(プラス後中軸)の車軸をリフトアップ。2軸車の場合後前軸を、3軸車の場合後前軸と後中軸の2軸を浮かせます。

 つまり、リアタイヤが2つ続きになっているものは前側が、3つ続きになっているものは1番後ろを残してリフトアップするようになっているのです。

 なおリフトアップは、積荷が軽いもしくは空荷の場合に行い、積荷が重い場合には装着されているタイヤをフルに使って走行しています。

 ではなぜタイヤを浮かす必要があるのでしょうか。前出のドライバーによると「運送コストの削減につながる」とのこと。

 そもそも、トレーラーの車軸(タイヤの数)が多いのは、重い荷物を積んでも安定して走行できるよう積載量に応じた車軸の数が決められています。

 そのため、荷物を沢山積んで走行する際は、必ず全てのタイヤが接地していないといけません。

 しかし、荷物を積んでいない、あるいは荷物が少ないときは、4車軸で走行する必要はありません。

 そこで、リフトアクスル機能で必要のないタイヤを浮かせることで、タイヤの摩耗を少なくしたり、ガソリンを節約したり(接地しているタイヤが多いほど燃費は悪くなる)しているのです。

■タイヤが浮くことで「高速道路料金」や「物流改善」にも影響!? なぜ?

 また、接地している車軸を減らすことで、「高速料金を安くできる」のも大きなメリットの部分だと言います。

 高速道路の料金区分は、「軽自動車・二輪車」、「普通車」、「中型車」、「大型車」、「特大車」に分かれており、車軸が4つ以上のトレーラーは最も料金の高い「特大車」に入ります。

 さらに高速道路の車種区分(トレーラー)は次に決められています。


 ・大型車
「けん引普通自動車等と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引中型車と被けん引自動車(1軸車)との連結車両およびけん引大型車(2車軸)と被けん引自動車(1車軸)との連結車両」

 ・特大車
「けん引中型車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引大型車と被けん引自動車との連結車両で車軸数の合計数が4車軸上のものおよび特大車がけん引する連結車両」


 つまり、トレーラー単体の車軸が、2車軸以上あると「特大車」の料金となります。

 例えば、平日昼間に東北自動車道の浦和ICから青森ICまで走行した場合、特大車(全タイヤ接地)では3万8200円です。

 しかし大型車(タイヤ浮かせる)の場合は2万3000円となり、その差は1万5200円で約40%安くなります。

※ ※ ※

 なおリフトアクスル機能を搭載するトレーラーは年々増えているようで、その要因として「トラックドライバー不足」が背景にはあるようです。

 具体的には、ドライバー不足による問題と物流効率の改善という観点から一度に大量の荷物を運ぶために年々トレーラーが大型化。

 そのトレーラー大型化を後押しするのが前述のようなメリットがあるリフトアクスル機能だと言います。

 このようにクルマ側の負担軽減から物流コスト低減、そしてトラックドライバー不足など様々な要因に影響しているリフトアクスル機能。

 知らずに見ればただタイヤが浮いているだけですが、そこには様々な背景があったようです。

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