古くからの読者の皆様はおそらくご記憶であろう、ベストカーのレジェンド、タケちゃんマンこと竹平素信氏。御年76歳の今もますますお元気。今回、最新のアノ車と共に竹平氏のショップにお邪魔した。タケちゃんマンは最新車に何を感じたか!?
※本稿は2024年1月のものです
文/竹平素信、ベストカー編集部、写真/MAZDA、ベストカー編集部、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2024年2月10日号
燃費は驚異のリッター49.5キロ!! MX-30 REVは質感が高い! ロータリーだからこそ付け加えてほしい機能とは?
■ベストカーのレジェンドが久々の登場!
御年76歳のタケちゃんマンこと竹平素信氏が久々の登場。お元気そうでなにより!!
タケちゃんマンこと竹平素信氏。古くからのベストカー読者の皆さまだったら、よーく知っているだろう。1980年代から2010年代のベストカー誌面にはいなくてはならなかったレジェンドだ。
そんなタケちゃんマンも御年76歳!!
「最近はめっきり自動車メーカーの試乗会にも行かなくなったからのぉ。もちろん、情報は探っとるから、どんなクルマが出たかくらいはわかっておるぞぃ。ん? どれどれどれ?」
タケちゃんマン、ノリノリでお元気であります。
「ところでウメキ、今日のこのクルマはなんじゃい?」
■待望のロータリーEVに御大も歓喜
さっそくエンジンルームを覗き込む。「おっ、このオレンジ色のコードは……」。相変わらず表情はひょうきんだが観察眼は鋭い
竹平「ベストカー読者の皆さん、明けましておめでとうございます。ま、取材日はまだ12月なんだがな……」
ベストカーウメキ「竹平さん、ご無沙汰しています。ちょっと面白いクルマが出たので、ぜひ竹平さんに乗っていただきたくてやって来ました」
竹「ほいきた! 任せておきなさい!!」
ウ「ではさっそく」
竹「ところでウメキ、エンジン音が聞こえんが、こりゃ電気自動車か? MX-30にはEVあったよな?」
ウ「惜しいです、竹平さん」
竹「どれ、エンジンルームを見てみるかいの? おっ、なんかいろいろ詰まっているな。オレンジ色のコードは高電圧系だから……、わかったぞい、ハイブリッドだな!」
ウ「さすがですね!」
竹「おお、ウメキ! フロントフェンダーのエンブレム、わかったぞ、アレじゃな!!」
ウ「アレですよ、アレ」
竹「ロータリーじゃな。ほほ~っ! ついに商品化されたのか。もうずいぶん前だったけどが、たしかデミオにロータリーエンジン積んで発電しながらモーターで走る試作車に乗ったことがあるぞ」
ウ「それです!」
竹「どこにロータリーエンジンが積まれているのか、エンジンルーム見てもわからんな」
ウ「シングルローターなので薄いですからね。ちょうど、このカバーの下あたりです」
竹「シングルローターってことは、エンジンは新開発ということだな?」
ウ「そのとおりです。容積830ccですから、以前の13Bより単体の容積は大きいです」
竹「このロータリーエンジンで発電して、モーターで走るということだな!?」
ウ「そういうことです。じゃ、ひとっ走りお願いします!」
■いまだ衰え知らずのタケちゃんマン
マツダ MX-30 Rotary-EV。エンジンルームに新開発のシングルローターエンジンを搭載し、170ps、26.5kgmのモーターで前輪を駆動するPHEVだ
ということでいつもの試乗コースへ!!
「スムーズな加速だな、さすがモーター。ところでエンジン、かかっとらんな? えらい静かだ。“シューん”としか音が聞こえんぞ」
相変わらずのスムーズなドライビングに、まったく年齢を感じさせないタケちゃんマン。さすがレジェンドだ。
裏山を登るワインディングに入ってアクセル開度が大きくなると、微振動を感じる。
「おっ、エンジンかかったな。なんか思っていたロータリーサウンドではないなぁ。
こう、もっと“ギュ~わわわわン”と吹け上がっていくのかと思っとったけどが、ほとんど音も振動もなく、遠くで扇風機が回っているような“むぅぅぅぅ~ん”という小さい音が聞こえる程度。言われなければエンジンがかかっているとはわからんな」
そうなんです竹平さん。この8C型ロータリーエンジンは発電用に特化した出力特性で、最高出力72ps、最大トルク11.4kgmともに4500rpmで発揮するチューニングなんです。
ある程度、アクセル開度に合わせた回転の上下はあるものの、基本的にはなるべく燃費効率のいい領域で一定の回転で回るセッティングなのです。
「モーターはトルクがあって急な上り坂でもグイグイ走るし、ハンドリングもいいから走っていて楽しいぞ。せっかく新開発のロータリーエンジン積んだんだから、スピーカーから出る作った音でいいから、懐かしのロータリーサウンドを聞かせてほしいものだな」
竹平さん、そのアイデアマツダに伝えておきます!!
■久々のニューモデル試乗!! ワシもまだまだやれるぞぃ!!
差し入れにニギリメシ……? ははぁん、オニギリ型の“アレ”だなぁ!? ウメキめ、やりおるのお……
久しぶりにベストカーウメキから電話が来た。「面白いクルマが出たので、竹平さんに乗っていただきたいんです」という。フムフム……、いったい何を企んでいるのやら?
はるばる裾野市のテイクスまでやってきたウメキが乗ってきたのは、ん……? 見たことのあるSUVだぞ? カッコいいクルマだ。
リアドアが観音開きになっていて、RX-8みたいではないか! MX-30と言ったな、たしか。ちょっと前からあるクルマではないか。もちろん知っているぞ。
妙にニヤニヤ顔のウメキが「竹平さん、差し入れです」とニギリメシを差し出した。おいウメキ、ワシはたった今、今日の取材に備えて早めの昼メシを食べたばかりだぞい。
と、ここでピンときた。MX-30のフロントフェンダーのエンブレムも怪しいと思っていたのだけどが、マツダ車ときてオニギリ、はは~ん、ロータリーエンジンだな?
というわけでさっそくひとっ走りだ。
ん? ロータリーエンジンの存在感は……ないな。そりゃあそうだ。駆動力はモーターで、ロータリーエンジンは発電用で車載のリチウムイオンバッテリーを充電する。
この電池は外部からの充電も可能で、モードによっては100km程度モーターだけで走れるという。
ワインディングの上り坂でアクセルを踏み込むと、たまに“むぅぅぅぅ~ん”とエンジンが回るが、静かだ。
それにしても乗り心地もハンドリングも質感が高いSUVだ。ワシの知らぬ間にクルマはどんどん進化、変化しておるのだな。
■ロータリーEV長距離ドライブでの燃費は?
マツダ MX-30 Rotary-EV 実走行データ
バッテリー容量17.8kWhのPHEVで、フル充電でのEV航続距離はカタログ値では107km。充電してバッテリ-残量100%時にメータに示されるEV走行可能距離は85kmであった。
横浜市内から静岡県裾野市にある竹平さんのショップ「テイクス」まではチャージモードで走行。常にエンジンが稼働し、バッテリーをチャージしながら走るモードだ。これだと燃費は11.7km/L、電費は8.0km/kWhだった。
帰路、東名高速足柄SAで急速充電をして残量100%として「ノーマルモード」で走る。バッテリー残量が45%になるまではほぼEV走行だったのだが、40%以下にならないよう、エンジンが作動する時間が増える。45%前後を維持する制御となっている。
こうして編集部に戻った時(102.9km走行)の燃費は49.5km/Lで電費は7.8km/kWhだった。
●MX-30 Rotary-EV主要諸元
・価格:478万5000円
・ハイブリッド燃費:15.4km/L
・充電電力使用時走行距離:107km
・全長:4395mm
・全幅:1795mm
・全高:1595mm
・ホイールベース:2655mm
・車両重量:1780kg
・エンジン:水冷1ローター 8C-PH型
・排気量:830cc×1
・最高出力:72ps/4500rpm
・最大トルク:11.4kgm/4500rpm
・モーター出力:170ps/9000rpm
・モータートルク:26.5kgm/0-4481rpm
・バッテリー:リチウムイオン 355V
・総電力量:17.8kWh
・最低地上高:130mm
・最小回転半径:5.3m
・サスペンション:ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ:215/55R18
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みんなのコメント
燃費の意味 理解してるのか?
恥ずかしい記事のせないでよ!
それならBEVは燃費∞になっちゃうよ