この記事をまとめると
■新車納期は改善傾向にあり数カ月で納車可能なモデルも増えてきた
いくら「電子化」「リモート」が進んでも「リアル新車販売店」が重要なワケ
■納車のタイミングによっては登録は年内なのに納車は年明けというケースも出てくる
■年内登録となると年明けすぐに年落ちとなり売却時の査定にも大きく影響が出る
登録だけ年内で納車は年明けの越年納車は避けたい
新車の納期遅延も昨年あたりに比べると改善傾向となっており、数カ月で納車可能という新車も珍しくなくなってきている。となると、この時期ならではのセールストークとして、「年内に納車できそうなので値引きも頑張りますからどうですか」というセールスアプローチ。これは暦年(1月から12月)締めでの年間販売目標台数達成を意識したトークと言える。「安く買えるならいいか」とついつい流れそうだが、ここは注意してもらいたい。
改善傾向にあるとはいえ、新車販売全体では納期遅延傾向はまだまだ続いている。そうなると、ちょっとしたきっかけで生産遅延が顕著になることもある。仮に年内登録(軽自動車は届け出)できたとしても、仕事納めの12月27日あたりが納車日になることも十分考えられる。それでも、新年は新車で出かけることができるのでまだマシともいえる。最悪なのは年内最終で新規登録だけしてナンバープレートは取得するが、納車が越年してしまうという状態で、これは絶対に避けてもらいたい。
年内登録するということは、12月ギリギリで間に合ったとしても2023年12月式となる。これは仮に年内最後の新規登録受付が12月28日で、その日に登録できても変わらない。ただ1週間も経たないうちに2024年1月がやってくる。新規登録してたった数日で年式が古くなる、つまり「年落ち車」になってしまうのである。
前述したように、それでも年末ギリギリで実車が手元にくればいいが、登録だけ間に合い2023年12月式になったのに、納車が2024年1月では、気持ちとしては中古車を買ったような気分になってしまうし、12月に1日も新車を使っていないのに、年落ち車になってしまうのではたまったものではない。
気分としては2024年に納車になっていれば2024年に買った新車にもなるが、実際に乗り換える際には2023年式として下取り査定などを受けるので、想定より低い下取り査定額が提示されることも目立つ。
これでは「年内登録になるので値引きしますよ」と言われても、とくに引き締め傾向の目立ついまどきの値引きでは元を取ることなどはできなくなるのである。
納車時期に懸念があったらあらかじめ交渉しておくべし
納期が早まっているとはいえ、9月に契約するとすれば多くのモデルではすでに納車予定は越年してしまう。ただし、年末に増産モードなどに入ることにより、納期が短縮される傾向も目立っており、思ってもいないなかで年落ちに巻きこまれることもある。
筆者もじつはいまの愛車の納車では悩ましい問題にぶつかった。当初は2023年3月あたりに注文車種のラインオフ、つまり出荷目途がつく予定だったのだが、それが早まり2022年12月下旬にラインオフになるとの連絡がきた。しかし、いまどきは新車を運ぶ陸送段階でも時間を要するので、生産工場から地元まで配送されるのは、年内に間に合わない可能性が高いといわれた。
はっきりとは言われなかったが、「年内に登録だけさせてくれ」といったオーラを感じたので、筆者は「それなら新規登録は2023年1月以降にして欲しい」と頼んで、1月末に新規登録してもらった。日ごろ、そして長いこと世話になっているセールススタッフだが、やはり2022年式なのに納車は2023年というのは納得できなかった。
これはもう各個人の肌感覚での判断しかない。需給状況が安定していないので、確かなタイミングを知るのは難しい。まずは商談段階で「登録だけ年内というのはやめて欲しい」と必ず告げること。そうすればセールススタッフも無用のトラブルになることを避けるためにも、越年登録、越年納車という方向に持っていくはずだ。
それこそ1~2カ月で確実に納車できる車種以外は、いまどきは物価高もあってそうそう目立った値引き拡大も期待できないので、けっして「とらぬなんとか……」にはならないようにしてもらいたい。
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みんなのコメント
そこまで悲観するほど変わるものでもない。