ティザーサイトがサーバーダウンするほどの注目度
11月26日、光岡は新型SUV「Buddy(バディ)」を発表した。発表後まもなくして限定200台が完売となったロックスター(マツダ ロードスターがベース)以来、じつに2年ぶりとなる新型車だ。9月24日に車名と概要を発表、10月29日にはデザインがティザーサイトで公開されるとアクセスが集中し(ロックスターの3倍!)、一時サーバーがダウンしてしまうほど注目を集めたという。
バディは光岡として初のSUV。トヨタRAV4がベースで、1970~80年代のアメリカンSUVをテーマに外観の大部分を変更している。変更部位はボンネットフード、フロントフェンダー、フロントグリル&バンパー、リヤバンパー(リヤコンビランプ部分含む)、リヤゲート背面。全長4730mm×全幅1865mm×全高1690mm(20LXグレード)はRAV4(アドベンチャー)と比べると全長が120mm長い。ちなみに、RAV4をベースに選んだのは、アメリカンSUVのデザインにマッチさせるには若干直線的なデザインのほうが適していたからだ。
価格は、469万7000~589万9300円。
企画は2019年3月にスタート。アメリカンテイストあふれる2シーターオープンの「ロックスター」が好評で自信が生まれ、従来にないカテゴリーで遊び心のある楽しいクルマづくりに挑戦しようということに。そこで拡大市場のSUVに参入することになったわけだが…過去にもSUVの企画は存在したという。
渡辺 稔執行役員は「輸入車ブランドでは、SUVをフラッグシップカーとして導入していますが、どうしても各社とも、ブランドイメージを優先するためにラグジュアリー路線、高級感一辺倒だなと私自身は感じていました。例えて言いますと、きれいな洋服を着てパーティ会場に行くといった、フォーマルなイメージのクルマに思えてなりませんでした。私からするとちょっと堅苦しくて、疲れてしまうという感じ。いろいろ考えているうちに、Tシャツにジーンズで気取らず気軽に、さりげなく、さらりと乗れるようなSUVがあれば、みなさんに喜んでいただけるのではないかなと思いました」と語る。
さらに渡辺氏は、出すのであれば「アメリカン・ヴィンテージ」と自身のなかで決めていたという。氏が1985~89年まで4年間アメリカに住んでいたとき、角目のSUVが多く走っていて、若い青春の1ページとして強く印象に残っていたからだ。
テーマは「角」。子どものころの憧れを現代風に再現
デザインを担当した青木孝憲 開発課 課長は、「初めのうちはもっと豪快でやんちゃなアメ車像が浮かんでいました。渡辺とディスカッションを重ねるなかで、やはり日本車の持つよさ、サイズ感や機能性、丈夫さを採り入れたほうがいいだろうと。今回のテーマは『角(カク)』。四角いボディ、四角いライン、四角いグリル、四角いバンパー…1970~80年代のカルチャーやクルマ、デザインを僕のなかで一言で表現すると『角』なんです。そういったものを表現したかったし、僕自身子供のころ見ていてすごくカッコいいなと思っていたので。アメ車だけではなく、日本車もけっこう『角』を使っていた記憶があります。ただし、それをそのまま今の時代にもってきて同じ表現をしても、時代感がメチャクチャになってしまいます。アメリカン・ヴィンテージの香りは残しながら、今の令和という新しい時代感も採り入れて全体のシェイプを整えました」と語る。
また、外板の変更部位の素材変更もポイントの1つ。従来は少量生産に対応するために、FRP(繊維強化プラスチック)を多く使ってきたが、このバディからは一般的な自動車の外装に使われるABS樹脂やPP(ポリプロピレン)を採用した。四角い造形を表現するにあたって、表面平滑度や細かい角Rの表現にメリットがあるABSやPPのインジェクション成型をチョイス。品質向上と生産効率向上にも貢献しているという。
バディは台数限定車ではなくカタログモデル。ベース車のRAV4同様に2Lガソリン車、2.5Lハイブリッド車をラインアップ。価格は469万7000~589万9300円。2020年11月26日より先行予約受け付けを開始し、2021年に50台、2022年以降は年間150台を生産する予定。車両のデリバリーは2021年6月からスタートする見込みだ。すでに数千件の問い合わせがあったといい、ロックスターに続きバディも大人気間違いなしだ。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
信頼性のあってアメリカンな外観、いいと思う。
三菱とか、中身は結構いいのに外見がイマイチなので参考にしても良いのでは