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立川祐路との最後のレースに臨む石浦宏明、“GTの顔”として人々を魅了してきたレジェンドに「しっかりバトンを繋いで、今年で一番良いレースがしたい」

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立川祐路との最後のレースに臨む石浦宏明、“GTの顔”として人々を魅了してきたレジェンドに「しっかりバトンを繋いで、今年で一番良いレースがしたい」

 モビリティリゾートもてぎで行なわれるスーパーGT第8戦もてぎ。ホンダNSX-GT、GT500のミシュランなど、今回のレースがラストランとなるものがいくつかあるが、38号車ZENT CERUMO GR Supraの立川祐路もそのひとつ。多くのファンが彼の引退を惜しんでいる。

 予選前には、立川の引退セレモニーが実施された。オープニングの映像を見た時点で「ジーンと来た」と語る立川は、ゆずの『栄光の架橋』がサーキットに流れる中、かつてライバルと共にしのぎを削ったTGR TEAM SARDの脇阪寿一監督が運転するオープンカーに乗ってサーキットを1周。ファンに感謝の気持ちを伝えた。その後は立川の家族をはじめ、スーパーGTを戦うドライバーたちがホームストレート上に集結する、感動的なセレモニーとなった。

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 チームメイトとして長年立川とGT500を戦ってきた石浦宏明は、その大々的なセレモニーを目の当たりにして、立川はGTを代表するドライバーだったのだと改めて感じたという。

「僕は子どもの頃からずっとレースを観てきました。歴代で言うと、星野(一義)さんや長谷見(昌弘)さんとか、国さん(高橋国光)とか、土屋圭市さんとか、関谷(正徳)さんとか……そういった方々が引退されるシーンはすごく覚えていますし、最終戦でこうやって大々的にやるのは最近ではなかなか無かったと思います」

「(立川には)3回のチャンピオンという結果はもちろんですが、GTに残してきた功績や記憶に残る走りがありますし、それ以上に『GTと言えば』というドライバーだと思います。それだけ、人を魅了する走りだったんだと思います」

 かくいう石浦もスーパーフォーミュラでは2度のチャンピオンに輝き、スーパーGTでもGT300でチャンピオン、GT500でも6勝を挙げるなど数々の実績を残してきた。立川に渡す花束を抱えた石浦の写真をドライバー仲間たちにSNSで引用され、「お疲れ様でした!」と続々投稿されるなど“引退イジリ”をされていた石浦だが、自身の引退時にこのように盛大に見送られることに憧れるかと問うと、「めっそうもございません(笑)」と笑う。

「GTの顔になるくらいの結果とパフォーマンス、それら全てを持っている人じゃないとそうはなりませんよね。何よりファンの人気もあります」

 そしてセレモニーの後に行なわれた予選で38号車は、石浦がQ1をドライブするも12番手に終わり、Q1敗退。立川にQ2へのバトンを渡し、最後の予選アタックを任せることはできなかった。

 練習走行の段階からパフォーマンス的に厳しい状況にあった38号車だが、チーム戦略としていつも通り石浦→立川の順で予選を戦うことにしたという。

「事前にチームでミーティングして、チームとしての作戦を言われた通りにやることになっていました。ドライバー側がどうしたいか、というのはありませんでしたし、普段から僕がQ1を担当しています」

「立川さんには一応『Q1走らなくて良いんですか?』と聞いたのですが、『いや、いつも通り石浦で』ということを言われました」

「朝の感触では、かなり厳しい状況でした。朝の公式練習では、ニュータイヤを履いてアタックしましたが、8番手までコンマ8秒あったんですよ。正直、周りのチームのドライバーたちが『立川さんがQ1行った方が良いんじゃないの?』と僕に言ってくるくらいでした」

「とはいえ、しっかりクルマを仕上げて僕がQ1を通るというのが、本来チームのやりたかった一番の目標でした。そうやって立川さんにバトンを繋げれば一番良いと思い、色々セットアップを変えてもらったり、午前中ストレートが少し伸びなかったところもTCDの皆さんに分析して解決してもらったりして、かなりタイム差は近くなって戦える位置まできていました」

「ただそれでもコンマ2秒くらいは足りませんでした。朝は8番手までコンマ8秒の差があったので、それを考えると、朝よりも予選の方がレベルアップできました」

 予選では38号車をはじめスープラ勢が4台Q1敗退になった一方で、タイトルを争う36号車au TOM'S GR Supraは3番手タイムを記録した。トヨタ陣営としても、36号車のデータを共有しながら試行錯誤しているという。

「今回36号車が3番手までいっていますが、自分たちもパッケージとしては36号車と同じモノを持っています。そういう意味では、本来それぐらいにはいないといけないんだと思っています。現状シーズンを通して36号車が頭ひとつ抜けているので、周りのチームはそれに追いつけるように頑張っているという感じです」

「もちろん、データも共有しているので36号車のセットアップが分からない訳ではありません。ただそういうところを共有しながらも、なかなか追いつけないので、その原因や要因を探しながら各チームがクルマのベストな状態を探ってトライしています」

 ともあれ、石浦と立川のコンビで戦うレースはこれが最後。石浦は、今季一番良いレースをしてシーズンを締めくくりたいと意気込んだ。

「今シーズンで一番いいレースだったねと言えるような結果にしたいと思っています」

「お客様には、立川さんの走りを見に来ている方も沢山いると思いますので、しっかり最後まで走り切ることが大事だと思っています。バトンを繋いで、最後までいい走りを見せたいと思っています」

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