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宮田莉朋の開幕戦、F2のパフォーマンスを見た現役SFドライバーたちの視点と同情の声

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宮田莉朋の開幕戦、F2のパフォーマンスを見た現役SFドライバーたちの視点と同情の声

 今週末、鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権の2024シーズンが開幕するが、昨年ここでシリーズチャンピオンを獲得した宮田莉朋は今年FIA F2に挑戦。一足早くバーレーンで開幕ラウンド、そして第2戦サウジアラビア、ジェッダ市街地でのレースを迎えた。

 開幕戦の予選では5番手に入り、決勝2レースとも上位グリッドを獲得。スプリントレースではスタートで大きく出遅れて18番手まで後退したものの、着実に追い上げていって9位フィニッシュを果たすと、最終日のフィーチャーレースではセーフティカーなどの展開に恵まれないところもありながら、粘りの走りで9位に入り、FIA F2初ポイントを獲得した。

【追記】トライデントの2台が失格に。デニス・ハウガーが繰り上がり優勝/FIA F2第2戦ジェッダレース1

 そんな宮田のFIA F2デビュー戦、そしてFIA F2でのパフォーマンスを、今年スーパーフォーミュラに参戦するFIA F2経験者たちはどう見ていたのだろうか。鈴鹿で、それぞれのドライバーに聞いてみた。

■プルシェール「タイヤとコースに慣れるのが難しい」

「(レースの)全部を見たわけではないけど、バーレーンラウンドはチェックしていた。今年そこに僕がいないのは少し寂しいけど、僕は僕で新たな挑戦が待っているから、今はそっちに集中したいし、振り返るとFIA F2での3年間は素晴らしかったからね」

 そう語るのは、2023年のFIA F2チャンピオンであるテオ・プルシェール。今年はITOCHU ENEX TEAM IMPULからスーパーフォーミュラに初挑戦する。

「今年は面白くてFIA F2とスーパーフォーミュラのチャンピオンがお互い参戦カテゴリーを変えている。彼(宮田)も最初は大変だろうけど、それは僕にも言える話だ。最初の方は苦戦すると思うけど、ひとつずつ勉強して慣れていきたい」

 プルシェールは、宮田のレース展開を細かく見ていたわけではないというが「スーパーフォーミュラとは大きく異なるカテゴリーだから、彼にとってFIA F2は簡単ではないと思う」と、最初の苦戦は免れられないと断言する。

「彼は素晴らしいドライバーだし、最初は難しいと感じる部分も多いかしれないけど、慣れてくればパフォーマンスは上がってくるだろう。何と言っても彼は(SFの)チャンピオンだからね。彼のベストを尽くす走りを期待している。繰り返しになるけど、FIA F2は本当に簡単じゃない」

 プルシェールが強調する“簡単じゃない”という要素のひとつがFIA F2で使用されているピレリタイヤの特性だという。

「クルマもスーパーフォーミュラとFIA F2では異なるところがあるし、ピレリタイヤの特性を理解するのは難しい。僕はドイツのADAC F4に参戦した2019年からピレリタイヤを使ってきたから、そのノウハウは昨年のFIA F2で活きたと思うけど、莉朋にとっては初めての経験になる。ウォームアップのやり方やタイヤのデグラデーション(性能劣化)、予選での攻め方も(SFでのヨコハマタイヤとは)違うから、最初は難しいと感じるはずだ」

「その点では僕も同じでピレリとヨコハマの違いを今経験している最中だ。特にヨコハマタイヤの場合は予選で1周だけタイヤの一番良いグリップを使えるという印象だから、予選でそれをうまく合わせていかないといけない。決勝に関しては、最初に少しピークと比べてグリップが落ちるけど、そのあとは安定していく感じで、デグラデーションは大きくないと感じている」

 さらにプルシェールは「何より大きな要素がコースだ。スーパーフォーミュラのカレンダーとは異なりFIA F2ではストリートコースがある。ジェッタ、モナコ、メルボルン……いずれも初めて走るドライバーにとっては簡単ではないコースだ」とストリートコースの有無がスーパーフォーミュラとの大きな違いだと語る。

「それは僕も同じで、日本のコースをほとんど知らないから、今年は学びながらやっていくしかない。だけど、SFではストリートコースがないという点では少し楽なのかなと思っているし、オンボード映像がたくさんあるから、それでコースを覚えることもできる。だけど、ストリートコースの場合はオンボード映像が少ないから、短期間で慣れるのは難しいと思う」

■松下信治「彼は能力があるから、上位に来るのは時間の問題」

 このFIA F2第1戦バーレーン戦のスプリントレースでDAZNの解説を担当した松下信治。彼もFIA F2で経験があり、現在はスーパーフォーミュラ(TGM Grand Prix)とスーパーGT(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT)を主戦場としている。松下も、やはり“日本とヨーロッパの違い”が最初の壁になるのはないかという。

「日本でレースをしている人たちは、毎回同じところで同じ人たちと走っていて、“職人”のようなところがありますけど、ヨーロッパはそことは違くて、自分がポンっと行ってすぐにやらないといけないから、そういうのが彼にとっては今年初めての経験になるのではないかなと思います」と松下。

「でも、今年はヨーロッパのレースも出ているから、そういうこともトライしていると思います。能力はあると思うので、(上位に来るのは)時間の問題じゃないですか」と、ここからの躍進を期待していた。

 ちなみに、昨年FIA F2で優勝を飾りランキング4位となった岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は「ハイライト映像はチェックしていましたけど、基本的に昨年自分が所属していたダムス(今季よりダムス・ルーカスオイルという名称)のパフォーマンスを確認しただけで……基本的には僕のレースの方に集中している感じです」と、宮田のレース内容は追いかけていなかったようだ。

■細かく見ている牧野任祐の指摘とドライバー視点でのFIA F2を戦う上での要点

 また、宮田のFIA F2での走りを練習走行からしっかりと見ていたのが、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だ。牧野はカート時代より宮田と旧知の仲で、牧野自身も欧州でヨーロピアンF3、そしてFIA F2を経験しており、宮田の今回の渡欧に際しても、親身にアドバイスを贈っていたことで知られている。その牧野のFIA F2の宮田への見方が興味深い。

 開幕戦のバーレーンは事前のテストでも走行していたことからコースの特徴を事前に知ることができたが、第2戦のサウジアラビア、ジェッダ市街地コースは宮田にとって全くの未経験コース。

「その初めてのコースで、45分間の練習走行しかなくて予選、決勝に行くのは本当に厳しい。しかも、今回のジェッダの練習走行で莉朋はショートラン(3~5周走ってピットに入る)を繰り返していた。ピレリタイヤはデグラデーションが大きいのでペースの理解も難しいし、その中で短い時間でコースを理解したり決勝のペースを把握するのは本当に大変です。特に今回は練習走行で赤旗も出て(10分以上)走る時間が短かったですからね」

 その牧野の見方のとおり、第2戦ジェッダでの宮田は予選で20番手と低迷してしまった。開幕ラウンドでも、基本的にチームの方針に従ってセッションのメニューを進めていた宮田。今後も未体験のサーキットが多いFIA F2で、コースに慣れるまでの時間短縮をどのようにするのかが、今後の大きな課題となる。

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みんなのコメント

5件
  • fit********
    今年のSFも面白くなりそう
    F2はなかなか観るのが難しいけど
    宮田選手にはSFチャンピオンを誇りに
    頑張って欲しい
  • dor********
    タイヤの使い方 コースの特徴 マシンの方向性
    そう簡単にアジャストは難しいよね
    でも、きっと良い結果だけを信じて
    頑張ってほしい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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