ポルシェ ジャパンは2024年7月17日、ブランド初のフル電動SUVとなる新型マカンの予約受注を開始した。
車種展開および車両価格は以下の通り。
ポルシェ911カレラおよび911カレラGTSがアップグレード。GTSには911初のハイブリッドドライブを搭載
マカン:998万円
マカン4:1045万円
マカン4S:1196万円
マカンターボ:1525万円
今回の全面改良で第2世代に移行するミッドサイズSUVのマカンは、パワートレインのフル電動化を果たすとともに、内外装の刷新や新しいオペレーティングシステムとAR技術によるポルシェドライバーエクスペリエンスの進化などを実施して、次世代SUVとしての新たな基準を打ち立てたことが特徴。また、本年1月にはマカン4とマカンターボを発表していたが、今回の日本導入ではエントリーモデルで後輪駆動のマカンと、前述の2モデルの間に位置する全輪駆動モデルのマカン4Sをラインアップに加えた。
最新のプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)に搭載する注目のパワートレインは、マカン4およびマカン4S、そしてマカンターボがフロントとリアのアクスルに配する最新世代の永久励磁型PSM電気モーターと、アンダーボディに設置する総電力量100kWh(使用可能な電力量は最大95kWh)のリチウムイオンバッテリー、800Vの電動アーキテクチャーで構成。システム総出力はマカンターボが470kW(639ps)/1130Nm、マカン4Sが380kW(516ps)/820Nm、マカン4が300kW(408ps)/650Nmを発生する。性能面では、マカンターボが0→100km/h加速3.3秒、最高速度260km/hを、マカン4Sが同4.1秒、240km/hを、マカン4が同5.2秒、220km/hを成し遂げる。一方、マカンについてはマカン4に採用するリアアクスルのモーターのみを搭載して後輪を駆動。システム総出力は265kW(360ps)/563Nmを発生し、性能面では0→100km/h加速5.7秒、最高速度220km/hを実現した。
充電については、普通充電(AC)と急速充電(DC)に対応。また、走行中には電気モーターを介して最大240kWのエネルギーを回生する。オンボードACチャージャー、高電圧ヒーター、DC/DCコンバーターの3つのコンポーネントを組み合わせたインテグレーテッドパワーボックス(IPB)も、軽量化と省スペース化を果たしながら配備した。肝心の航続距離については、欧州WLTPモードでマカンターボが最大591km、マカン4Sが最大606km、マカン4が最大613km、マカンが641kmを実現している。
前後のモーターで構成するマカン4およびマカン4S、そしてマカンターボの電動4WD機構は、パワーエレクトロニクスを介してほぼリアルタイムにコントロール。電子制御ポルシェトラクションマネージメント(ePTM)は、従来の4WDシステムの約5倍の速さで作動し、10ミリ秒以内にスリップに対応する。また、4WDの配分は選択されたドライビングプログラムによって制御。リアアクスルの電子制御式ディファレンシャルロックであるポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)も、トラクション、走行安定性、横方向のダイナミクスに貢献している。一方、シャシー面ではポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)電子制御ダンピングコントロールを組み込んだ専用セッティングのエアサスペンション仕様を設定。PASMには2バルブ技術を採用したダンパーも配備し、より広範なダンパーマップにより快適性とパフォーマンスの間の範囲を広げて、ドライビングプログラムの違いをさらに明確化する。また、マカンとしては初めて最大操舵角5度のリアアクスルステアリングをオプションで用意。市街地走行や駐車時に11.1mというコンパクトな回転径を実現するとともに、高速走行時の卓越した走行安定性を成し遂げた。
エクステリアに関しては、よりシャープなプロポーションとクーペのようなボディラインに、ポルシェデザインのDNAを高度に融合させて、ダイナミックかつ圧倒的な存在感を放つSUVスタイルを具現化したことがトピック。各部のデザインにもこだわり、フロントマスクは4灯のLEDデイタイムランニングライトを備えたフラットなアッパーライトユニットや、左右を膨らませたフェンダー、大きな開口部を配した厚みのあるバンパーなどを採用して、精悍で印象深い顔を演出する。オプション設定のマトリックスLEDテクノロジーを採用したメインヘッドライトモジュールは、フロントエンドのやや低い位置に配置した。一方でサイドビューは、従来モデル比で86mm長い2893mmのホイールベースに短い前後のオーバーハング、流麗なルーフ造形、シャープなキャラクターラインと力強いショルダー部などによって、スポーティかつスタイリッシュなプロポーションを具現化。特徴的なサイドブレードを備えたフレームレスガラスタイプのドアを組み込んだことも、新型の訴求点である。そしてリアセクションは、ポルシェの特徴であるフライラインにフラットなリアウィンドウを配し、合わせて彫刻的な3Dライトストリップや新造形のバンパーおよびディフューザーを組み込んで、存在感あふれる後ろ姿を創出した。マカンターボについては、クレストなどに新メタリックカラーの「ターボナイト(Turbonite)」を採用。また、ボディカラーとして新色のスレートグレーネオをラインアップし、さらに20インチのマカンSホイールを新設定する。フロントバンパーの形状を最適化してアプローチアングルを向上させる新しいオフロードデザインパッケージもオプションで用意した。
空力性能も重視し、アダプティブリアスポイラー、フロントエアインテークのアクティブクーリングフラップ、完全に密閉されたアンダーボディのフレキシブルカバーなどで構成するポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)を採用。さらに、ヘッドライトモジュール下にはエアカーテンを、リア部には横方向のティアオフエッジとルーバー付きディフューザーを配備して、空力効率を高める。空気抵抗係数(Cd値)は、クラストップレベルの0.25を実現した。
内包するインテリアは、ポルシェドライバーエクスペリエンスを新しいオペレーティングシステムやAR技術によって最大限に進化させたことが訴求点である。インパネには曲面デザインの12.6インチ自立型インストルメントクラスターと10.9インチセンターディスプレイを配した、最大3つの画面を備える最新世代のディスプレイと操作コンセプトを採用。また、オプションの10.9インチディスプレイを介して、走行中の助手席乗員によるインフォテインメントシステムの情報の閲覧、設定の調整、ビデオコンテンツのストリーミング再生を可能とする。さらに、AR(拡張現実)技術によるヘッドアップディスプレイも装備。ナビゲーションの矢印などの仮想エレメントは視覚的にシームレスに現実世界と統合され、87インチディスプレイのサイズに相当する画像がドライバーの10m前方に表示される。一方でインフォテインメントシステムについては、Android Automotive OSをベースに設定。標準装備のポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)はコンピューティング性能をアップデートし、たとえば“Hey Porsche”音声アシスタントは充電ステーションを含むルートを瞬時に提案する。また、新しいポルシェアプリセンターではサードパーティプロバイダーの人気アプリに直接アクセスし、マカンに直接インストールできる機能を加えた。
キャビン空間自体は、前2席が従来よりも28mm低く、後部座席は15mm低くなり、足元スペースが増加。また、コクピットの幅は一体化したブラックパネルによって強調され、合わせてセンターコンソールのせり上がるデザインによって、車高が低くパフォーマンス重視のポジションという印象を高める。さらに、大きなウィンドウが室内空間に明るさと開放感を付与。最新のデジタルユーザーインターフェースに加えて、吹き出し口やエアコンのスイッチ類など、アナログのコントロールエレメントも用意した。そして、コクピットとドアのトリムストリップにはLEDライトストリップを配し、アンビエント照明やコミュニケーションライトとして機能。状況に応じて、挨拶、充電プロセス、ドライバーアシスタンスシステムとの連携など、情報や警告も提供する。内装材の一部に環境に配慮した材料を使用した点も、新型マカンのアピールポイントである。
ラゲッジルームに関しては、電動化によってフロントにも設置し(呼称はフランク)、容量は84リットルを確保。一方でリアのラゲッジは後席使用時で540リットル、後席格納時で最大1348リットルを実現している。
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