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ロードテスト マセラティ・レヴァンテ ★★★★★★★☆☆☆

掲載 更新
ロードテスト  マセラティ・レヴァンテ ★★★★★★★☆☆☆

もくじ

ーはじめに

初試乗 ジャガーFペースSVR V8スーパーチャージャー 遅れて現れたお手本

ー意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

ー内装 ★★★★★★☆☆☆☆

ー走り ★★★★★★★★☆☆

ー使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

ー操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆

ー快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆

ー購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

ースペック

ー結論 ★★★★★★★☆☆☆

はじめに

去年は、マセラティ・レヴァンテにとっていい年ではなかった。おそらくはマセラティの親会社であるフィアット・クライスラー・オートモービルズの経営陣にとっても、それは驚きだっただろう。2016年の導入以来、2万5000台ほどが販売されたが、昨年の総販売台数が3万2000台ほどだったマセラティにとっては、この新型SUVは期待の星だった。レヴァンテはマセラティに、ジャガーならFペースが、ポルシェならカイエンが、そしてベントレーならベンテイガがしたようなことをもたらすと思われていた。すなわち、繁栄の時へと導き、トラディショナルなスポーツカーの開発を続けるための財政基盤を築いてくれるものだと。

ところが、FCAのミラフィオリ工場におけるレヴァンテの生産は、2018年には40%以上も減少し、需要と供給を適正に保つべく従業員は一時的に手を休めることにさえなった。ちなみに、最大の得意先は中国で、それに次ぐのがアメリカ。欧州市場は第3位となっている。この下落ぶりは激しいだけでなく、世界的な人気の高まりを受けてSUVセグメントが拡大を続けている中での出来事だという事実をあわせて考えると、一層手痛いダメージだということができる。これほどまでにルックス抜群の、しかも自動車界屈指の長い歴史を誇るブランドの放つ新型車が、どうすれば流行の波に乗り遅れるというのか。

そのヒントは、デビュー時にオートカーが行なったロードテストの結果に見出せる。10点満点で獲得できたのは6点止まりで、その根拠となったのは力無いターボディーゼルのパフォーマンスであり、平凡なハンドリングであり、疑問を感じる室内の装備や質感であった。このボローニャ生まれの名門ブランドが生み出したSUVがオールラウンド性や攻めた価格設定で奮闘しても、ハッキリいってレンジローバーやドイツ勢には敵わなかったのである。

そんなレヴァンテに、マセラティはリフレッシュを施し、新技術の投入や運動性の改善を図ってきた。また今回は、昨年まで英国仕様にラインナップされていなかったV6ガソリンモデルを試すことができた。この主流から外れた高級SUVは、今度こそひとびとを惹きつけてやまないものとなったのだろうか。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

レヴァンテのアップデートに際して、マセラティはライバルとの競争力を高めるべく、メカニズム面で多少の変更を施した。2.1トンのSUVにおいて、レヴァンテを「クラシックなメセラティのスポーツカーのように仕立てた」というマセラティの主張は、ちょっとばかり虚しく聞こえる。それがジープのコンポーネンツではなく、ギブリやクアトロポルテと同じアルミを多用したプラットフォームをベースとしているにもかかわらずだ。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアが5リンク。ジオメトリはまさしくギブリがベースだが、悪路走行用にトラベルは延長され、スプリングレートは高められた。また、キャンバーとトーアングルは、標準装備のエアスプリングによって6段階に変わる車高への反応もよりよくなっていると、マセラティでは説明している。

以前と同じく、四輪ともスカイフックダンパーを装備し、テスト車のSグランルッソを含めた欧州仕様の大半は、フロントに6ポットのブレンボ製ピストンを装着している。V8モデルの改良版にはフロントのタワーバーを追加したが、それ以外のモデルでもシャシーのリアは主にスティールを使用して剛性を確保している。V6モデルとV8モデルの重量差は60kgあるが、前後重量配分は全車とも50:50だとされている。また、空気抵抗がクラスでもっとも低いのはこれまで通りだ。

近年のマセラティは、フェラーリとの関係を最大限に活用することに熱心だが、550~590psを発生する3.8ℓV8も、テスト車にも積まれる3.0ℓV6ツインターボも、このビッグネームに由来するユニットだ。V6は350ps仕様も設定されるが、テスト車はよりパワフルな430ps仕様。このほか、275psのVMモトーリ製V6ディーゼルも用意される。最速仕様の0-100km/h加速は3.9秒だが、テスト車であるSグランルッソの5.2秒もそう悪い数字ではない。

トランスミッションは全車ともZF製の8速ATで、マセラティのQ4全輪駆動システムを搭載。後輪偏重の駆動力配分は、スリップを検知してさえ変わらない。リアLSDは標準装備で、ブレーキを用いるトルクベクタリングシステムの改良版と協調して機能する。

アップデートされたレヴァンテの電子制御スタビリティコントロールには、インテグレーテッド・ヴィークル・コントロールと銘打たれた新プログラムが織り込まれた。これはエンジン回転とブレーキを予測制御し、SUVでは早々と発生しがちなアンダーステアを緩和するという。

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

レヴァンテSグランルッソのインテリアを細かく見ていくと、快適さと腹立たしさを共に見いだすことになる。一見すると、見栄えも感覚も上質なだけではなく、明確な個性や高級感、センスを、ポルシェやアウディといったライバルのよりシリアスで目的のはっきりしたインテリアに近づけようと、マセラティがかなり力を注いだように思える。

テスト車のタンレザーと、エルメネジルド・ゼニアのシルクは一番の好例だ。また、1035ポンド(約15.5万円)のエバーノウッドは、リーヴァの高級ボートやヴィンテージ物のフェンダー・ストラトキャスターのようだと、テスター陣の話題にのぼった。パッと見なら、このレヴァンテのキャビンは、高級で洗練された印象なのだ。ところが、このウットリさせられるような第一印象は、細部へと目を向けるにつれ、徐々に損なわれていくのである。

スイッチや操作部に用いられたプラスティックのチープさが、とても1200万円級のクルマでは許容しがたいものだというのが一番の問題だ。それが、先に述べたような高級素材とともに、あちこちに使われているというのはうれしくない。センターコンソール周辺の操作部はプラスティック感丸出しで、とりわけウッドパネルとそぐわず、インフォテイメントディスプレイを取り囲む硬いグレーのモールディングも、同じく見栄えが悪い。その下に並ぶエアコンの操作系は、エルゴノミクス面では良好かもしれないが、車両価格から期待されるスイッチ類の手触りのよさや素材の高級感には欠けている。

広さは妥当ながら、5m級の全長から想像されるほどではない。レンジローバー・スポーツやカイエンを上回る全長とホイールベースを持ちながら、後席レッグルームではそれらを下回る。レンジスポーツが740mm、カイエンが790mmなのに対し、レヴァンテは710mmにとどまるのだ。大人4人が快適に乗るのに不足ないとはいえ、マセラティのパッケージングに関する努力には疑問が残る。

その疑問は、荷室に目を向けると再び湧いてくる。後席使用時の容量は580ℓで、カイエンの745ℓやレンジスポーツの784ℓに大きく水をあけられているのである。

走り ★★★★★★★★☆☆

マセラティ最強の6気筒を積むレヴァンテが見せるパフォーマンスの数値は、馬鹿にならないものだ。ディーゼル仕様とは異なり、運転席で感じるレヴァンテSはまさしくパフォーマンスSUVである。トラベルの長いスロットルペダルを奥まで踏み込んでみれば、それがハッキリするはずだ。スタンディングスタートに、身内のライバルであるアルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオのようなアグレッシブな野蛮さはなく、常により円熟し洗練された性格を保つ。フルスロットルでも、よりスムースで平穏だ。

それでも、十分なトルクとトラクションをもつレヴァンテSは、5.1秒で97km/hに、13秒以下で161km/hに達し、48-113km/h加速はたった4.5秒だ。どのケースでも、V8ディーゼルを積むアウディSQ7でキックダウンした際に匹敵するペースだ。もちろん、2016年にテストしたレヴァンテ・ディーゼルより速い。もっと高い金額を払えばより速いクルマは手に入るだろうが、直接的な競合車に、スピードと気迫、メカニズムの芳醇さや良好なマナーの調和ぶりが、これほどうまくしつけられ、魅力的なものを見つけるのは容易ではない。

フェラーリの手になる狭角V6ツインターボの型式はF160系で、アルファがクアドリフォリオ仕様に積むF154系とは異なるファミリーに属するユニットである。とはいえ、しなやかさやドライバーを駆り立てる感じ、ときに6000rpmまで回す価値のあるほど上限を感じさせないパワーデリバリーは変わらず、さらに中回転域ではより速く走るのも容易だ。サウンドは控えめなエキゾティックさを持つ上品な音色で、そこにスポーティな鋭さがいいスパイスを利かせている。

グランルッソ仕様のテスト車は、ステアリングコラムから生えるシフトパドルを備えていなかったが、パフォーマンスマシンというよりはグランドツアラー色が濃いので、それも大きな問題ではないだろう。8速ATは、Dレンジでは賢明なタイミングでシフトする。マニュアルモードならもう少しクイックに変速できただろうと考えるとやや残念だが、それも作動のスムースさを考えれば、十分に看過できる程度だ。

テストコース

ハードに攻めたコーナリング中、荷重がかかっている側のタイヤに大きなバンプや隆起がヒットすると、このクルマの運動性が、高級SUVカテゴリーでもっとも磨かれたものではないことが露呈する。そういう際には乗り心地がこわばって不安定になるが、それは機敏さを十分秘めているのに、ボディをまっすぐ保つ能力が欠けているからだ。

中庸な速さのステアリングは、タイトコーナーで思いのほか大きな入力を必要とする。スポーツモードでは横方向の抑えがしっかり効いて、スロットルが安定していればラインをきっちりキープできるが、リアのLSDはアペックスから出口までの挙動を落ち着かせたりアジャストしやすくしたりはしてくれない。スタビリティコントロールを切ってコーナリング中にパワーをかけると、穏やかにアンダーステアへと向かう。

T2へのターンインはほどほど鋭いが、激しく旋回することはなく、トルクベクタリングも巧みで素早い脱出を実現してはくれない。

ステアリングは、前輪の負荷の変化をみごとに伝えてくれるので、T5でのキャンバー変化も手元に感じ取れる。ただし、アペックスをタイトに捉えるシャシーバランスはない。

発進加速

テストトラック条件:乾燥路面/気温9℃
0-402m発進加速:13.8秒(到達速度:166.9km/h)
0-1000m発進加速:25.0秒(到達速度:212.4km/h)

アウディSQ7 4.0 TDIクワトロ
テストトラック条件:乾燥路面/気温16℃
0-402m発進加速:13.8秒(到達速度:167.7km/h)
0-1000m発進加速:25.0秒(到達速度:211.3km/h)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温9℃
97-0km/h制動時間:2.73秒

アウディSQ7 4.0 TDIクワトロ
テスト条件:乾燥路面/気温16℃

使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

インフォテインメント

レヴァンテのインフォテイメントシステムは、マセラティのタッチコントロールプラス(MTC+)と銘打たれたものだが、これはFCAのUコネクトをお色直ししたものだ。そのため、このクルマの機能の大半を操作し、情報を確認するのは8.4インチのタッチ式ディスプレイを介することとなる。ナビやオーディオはもちろん、Bluetooth接続、シートやステアリングホイールのヒーターなどもこれに含まれる。Apple CarPlayとAndroid Autoは標準装備だ。

オペレーションシステム自体に慣れるのは容易だが、1200万円級のクルマが積むインフォテイメントシステムに期待するほど滑らかには動かない。メニューの切り替えには明らかな遅れがあり、ナビのグラフィックは傑出しているとはいえない。Apple CarPlayやAndroid Autoのセッティングは容易だが、ショートカットボタンがないので、ラジオのチューニングやシートヒーターの温度調整などのメニューを呼び出そうとする際にはイラつかされることになる。

駐車

燈火類

LEDマトリクスヘッドライトは、ロービームのレベルは上々だが、ハイビームはこれまでテストした同種のものほど明るくなかった。自動減光の早さにも不満が残る。

ステアリングとペダル

エンジン縦置きにより、足元は極めて狭く、大きなペダルオフセットがある。絶対的に不快なということはないが、窮屈さは否めない。

操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆

レヴァンテSのシャシーとアダプティブダンパー、エアスプリングは高いグリップレベルや立派なボディコントロール、ときとして勇気付けてくれるような手触りを示すステアリングをもたらす。だが、それらが生み出すスポーティさもハンドリングのバランスも、平均的な大型SUVのレベルを上回る程度でしかない。

つまりこのセグメントにおいて、現状の投資だけでは、どんなものであれ2016年に登場したばかりのクルマが、このクラスの一般的なスタンダードにすぐ後れを取ってしまいかねないのである。それはバンプの吸収や乗り心地の巧みさ、コーナリング中のスタビリティやスロットルオン時のハンドリングのバランスといった点においてだ。

レヴァンテは、必ずしも大きく的を外しているわけではない。にもかかわらず、ポルシェ・カイエンやレンジローバー・ヴェラール、アウディQ8などに乗った後では、レヴァンテの振る舞いに強く感銘を受けることはありそうもないというのが現実だ。ライバルに比べ、軽くも、小さくも、鋭くも、俊敏にも感じられず、ほかのクルマのように飛ばそうという気にはなれないのである。

このクルマのエアサスペンションは、速度に応じて連続的に車高を調整するが、コンフォートモードではゆったりした柔軟さをみせはじめる。このモードは限定的な成果しかないが、こういうときには選びたくなる。ただし、横方向のボディコントロールが多少は犠牲とされ、バンプを超える際には気まぐれなところがやや感じられ、素早くコーナリングすると予想以上にロールするようになる。スカイフックダンパーをスポーツモードに切り替えると、ボディコントロールは改善され、当初はかなり軽かったステアリングの手応えが増す。しかし、乗り心地は明らかにしなやかさや落ち着きが目減りし、ときに不安定になる。

操作の手応えやハンドリングの精確さ、乗り心地の追従性が、英国の道路にマッチしていることは、さまざまなシステムやメカニズムが寄与した結果だろう。とはいえ、現状のチューニングでは全面的に享受することができない。しかも、このクルマのサスペンションに用意されたモードの機能ぶりは、とても満足行くものではない

快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆

レヴァンテの運動性能に関する不足を考えると、快適でリラックスしたロングツアラーとしての説得力で名誉を挽回してもらいたいところだが、そうはいかなかった。そわつく感じはプライマリーライドもセカンダリーライドも乱すだけでなく、ほかにも多くの悪影響をもたらす。

たとえば外界と乗員を隔絶する能力は、素晴らしいというところからはかけ離れている。高速道路の速度域でのタイヤノイズは明確で、エンジンノイズも疲れの大きな原因となる。113km/hでの定速巡航では、V6の滑らかな轟きが絶え間ない唸りに取って代わられるのだ。そうした状況下で計測した室内騒音は68dBで、あの騒々しい5.0ℓV8スーパーチャージャーを積むレンジローバー・スポーツSVRより1dB大きい。

シートレールやステアリングコラム、さらにはペダルのアジャスト性によって、なんとか快適性の失地をいくばくか回復しているが、それでも決して自然に感じられないドライビングポジションを完全に紛らわすことはできない。グランスポーツ仕様ではやや小径になるステアリングホイールも、テスト車のそれは驚くほど大きく、角張ったリムの握り心地もよくない。足元はひどく狭く、ペダルは明らかに右へオフセットしており、しかも左足を置くスペースもあまりない。シートは、横方向のサポートは豊富だが、ランバーサポートを適切に調整するのが難しいという声が、何人かのテスターから上がった。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

レヴァンテSの価格は7万2590ポンド(約1089万円)からで、グランスポーツかグランルッソを手に入れるにはさらに、少なくとも6500ポンド(約98万円)が必要だ。テスト車はグランルッソ仕様で、魅力的なエルメネジルド・ゼニアのインテリアやソフトクローズ式ドア、エクステリアのクロームパーツなどが、ただでさえ充実している標準装備に加わる。

高級SUVとしては、パーソナライゼーションの余地も用意してほしいところ。テスト車に装備されたオプションは、2400ポンド(約36万円)の3コート塗装であるブルー・ノーブル、1300ポンド(約19.5万円)の20インチホイール、360ポンド(約5.4万円)のリアプライバシーガラス、そして2300ポンド(約34.5万円)のバウワース&ウィルキンス製サラウンドサウンドシステム。さらに、1600ポンド(約24万円)のドライバーアシスタンスパッケージも搭載され、死角アラートやアドヴァンスト・ブレーキアシスト、道路標識認識、アイドリングストップ協調式アダプティブクルーズコントロールといったアクティブセーフティシステムが備わる。この安全デバイスは、リセールで有利に働くだろう。

これら追加装備を含むテスト車の価格は、9万2105ポンド(約1382万円)にのぼる。ポルシェ・カイエンターボは手に入らないが、装備が充実し、走りにも優れたカイエンSなら、これより安く買える。

価値の推移

3年/5.8万km走行後の値落ち幅は、ポルシェやBMWの方が小さい。

スペック

レイアウト

フロントに縦置きされるV6ツインターボは、フェラーリのF 160系に属するユニット。マセラティのQ4システムを介し四輪を駆動し、リアアクスルにはLSDを配置する。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。アジャスト式エアスプリングは標準装備される。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型6気筒2979ccツインターボガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ86.5×84.5mm
圧縮比:9.7:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:430ps/5750rpm
最大トルク:66.1kg-m/2000-4750rpm
許容回転数:6500rpm
馬力荷重比:204ps/トン
トルク荷重比:31.4kg-m/トン
エンジン比出力:144ps/ℓ

シャシー/ボディ

構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:2109kg(公称値)/2232kg(実測値)
抗力係数:0.31
ホイール前/後:9.0Jx20/10.5Jx20
タイヤ前/後:265/45R20 108Y/295/40R20 110Y
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:パンク修理キット

変速機

形式:8速オートマティック
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
(1)4.71/9.2(2)3.14/13.7(3)2.11/20.3
(4)1.67/25.7(5)1.28/33.5(6)1.00/42.8
(7)0.84/51.0(8)0.67/64.1
最終減速比:3.27:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.7km/ℓ
ツーリング:8.4km/ℓ
動力性能計測時:3.2km/ℓ

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.9~5.1km/ℓ
中速(郊外):7.3~7.8km/ℓ
高速(高速道路):8.5~9.3km/ℓ
超高速:8.1~8.7km/ℓ
混合:7.4~7.9km/ℓ

燃料タンク容量:80ℓ
現実的な航続距離:607km
CO2排出量:273~282g/km(NEDC)

サスペンション

前:マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー
後:マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.7回転
最小回転直径:11.7m

ブレーキ

前:380mm通気冷却式ディスク
後:330mm通気冷却式ディスク

静粛性

アイドリング:47dB
最高回転時:78dB(4速)
48km/h走行時:61dB
80km/h走行時:66dB
113km/h走行時:68dB

安全装備

ABS/EBD/ASR/MSR/HBA/BAS/マセラティ・スタビリティプログラム
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

実測車速mph(km/h)秒
30(48) 2.0

40(64) 2.9

50(80) 3.9

60(97) 5.1

70(113) 6.5

80(129) 8.2

90(145) 10.2

100(161) 12.7

110(177) 15.5

120(193) 19.1

130(209) 23.8

140(225) –

150(241) –

160(257) –


中間加速〈秒〉

中間加速mph(km/h)2速3速4速5速6速7速8速
20-40(32-64) 2.0 3.2 4.9 – – – –
30-50(48-80) 1.9 2.5 3.3 5.1 – – –
40-60(64-97) – 2.5 3.1 4.2 – – –
50-70(80-113) – 2.7 3.2 4.0 – – –
60-80(97-129) – 3.1 3.3 4.2 6.4 – –
70-90(113-145) – – 3.6 4.5 7.0 – –
80-100(129-161) – – 4.3 4.9 7.9 – –
90-110(145-177) – – – 5.4 – – –
100-120(161-193) – – – 6.3 – – –
110-130(177-209) – – – 8.0 – – –
120-140(193-225) – – – – – – –
130-150(209-241) – – – – – – –
140-160(193-257) – – – – – – –



各ギアの最高速

1速 60km/h 6500rpm
2速 89km/h 6500rpm
3速 132km/h 6500rpm
4速 167km/h 6500pm
5速 217km/h 6500rpm
6速 264km/h 6156rpm
7速 264km/h 5171rpm
8速(公称値) 264km/h 4124rpm



8速・113km/h/129km/h:1760rpm/2012rpm 結論 ★★★★★★★☆☆☆

「よりよいエンジンが玉石混淆なSUVを改善したが、汚名返上とまではいかなかった」

2年半前、英国に上陸したばかりだったマセラティ・レヴァンテのディーゼル仕様をロードテストにかけたとき、海のものとも山のものともつかない何かだと結論づけた。SUVマーケットを牛耳るドイツ勢を脅かすライバルでも、真のイタリアン・エキゾティックでもなかったのだ。

しかし、今では平凡なディーゼルではなく、はるかにソウルフルでパワフル、そして魅力的なガソリンユニットのV6ツインターボが設定され、このクルマのアイデンティティの問題には手が打たれた。レヴァンテSはマセラティに期待されるパフォーマンスと洗練性、メカニカルな芳醇さを備えたクルマだ。

とはいえ、このクラスにおけるベストなドライバーズカーへ真っ向挑むには、この仕様であっても多面的な乗り心地やハンドリングの精巧さが欠けており、そのことがマセラティ信者たちを幻滅させるに違いない。われわれがそう感じたように。

贅沢かつ華やかで目を惹く部分もあるが、そのほかの実質的な部分では物足りないマセラティ・レヴァンテSは、以前テストしたディーゼルモデルより評価を星ひとつ分だけ高めた。それでも、高級SUVカテゴリーの上位陣にはそれ以上の差をつけられたままだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースレヴァンテのややぎこちなく落ち着きのないサスペンションは、10年以上前のエアスプリングを備えた重たいクルマの乗り心地を思い出させた。V8モデル導入時には、足回りが完全に見直されていることを望みたい。

サイモン・デイヴィスレヴァンテは、無駄に野心的なスピードメーターを据え付ける愚を犯してはいない。70マイル、すなわち113km/hが12時の位置に来る。高速道路をクルージングしているときに、針が真上を指していて満足できるとは奇妙なものだ。

オプション追加のアドバイス

グランスポーツよりもグランルッソを選んだ方がいい。グランスポーツの走りを感じさせる装いは、ハンドリングの冴えを誇張しているだけだからだ。特別塗装色のブルー・ノーブルは、価格なりの価値を見出せる。

改善してほしいポイント

・乗り心地は、もっと磨きをかけてもらいたい。
・室内のスイッチ類は、質感の改善を図ってほしい。
・キャビンの遮音性向上は、欠かせないところだ。

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角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
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クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
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