11月3日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されたスーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE』の決勝日、シリーズをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表が出席しGTA定例記者会見が行われたが、この中で、10月20日(日)に行われた第7戦オートポリスで、GT300クラスの公式予選結果が正式結果が出された後に改訂された事案に対し、坂東代表がオートスポーツwebの質問に答えた。
2024年のスーパーGTは、第6戦SUGO以降3戦続けて公式予選が荒天に見舞われており、第7戦オートポリスでは10月19日(土)の公式練習が視界不良のため、午後の公式予選は直前から降った雷雨の影響でキャンセルされてしまった。
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通常、スーパーGTの公式予選はノックアウト形式で行われ、ふたりのドライバーがタイムアタックを行うが、第7戦オートポリスでは決勝日の10月20日(日)8時から30分間のGT300公式予選が、8時30分から30分間のGT500公式予選が計時予選のシステムで行われた。GT300が30分間走行し、続々とチェッカーを受けるなかタイムが更新されていったが、同時にGT500がコースインする混沌としたなかでの予選となっていた。
GT300クラスの正式結果は、11時15分にリザルトNo.03として発表された。ウォームアップ走行開始10分前の11時20分には、13時20分から予定されていた決勝のスターティンググリッド表もリザルトNo.05として発表されている。しかしその後、レースのスタートまでわずか50分、すでにスタート進行が行われている12時30分付けで改訂された公式予選正式結果がNo.06として発行され、12時38分に改訂版のグリッド表No.07が発表された。
改訂の理由は「予選終了時間の誤認」というものだ。この改訂前には1分47秒582を記録し5番手につけていたMETALIVE S Lamborghini GT3、1分47秒630を記録し6番手につけていたUPGARAGE NSX GT3の順位が変わり、METALIVE S Lamborghini GT3は9番手、UPGARAGE NSX GT3は13番手となってしまった。
この変更についてTEAM UPGARAGEの上城直也エンジニアに聞くと、小林崇志がベストタイムを記録した13周目、レースディレクター無線では小林、坂口夏月がドライブしていたMETALIVE S Lamborghini GT3の後方を走っていたHOPPY Schatz GR Supra GTからチェッカーであるという無線が飛んでいたという。また計時モニター上もベストタイムが刻まれていた。
ただその後、正式結果が出された後に、2台がベストタイムを記録した時間が公式予選終了時刻を越えたものであるという指摘があり改訂が行われた。第7戦オートポリスのGT300公式予選の開始時間と終了時間、2台がベストタイムを記録した時間は下記のとおりだ。いずれも終了から1秒も経っていないが、厳密には終了時刻を過ぎている。
第7戦オートポリス 公式予選開始/終了時刻
Start:08:00'00 Finish:08:33'31
(赤旗掲示:08:23'30~08:27'00)
UPGARAGE NSX GT3の13周目の通過時刻:08:33'31.037
METALIVE S Lamborghini GT3の13周目の通過時刻:08:33'31.528
■「スケジュールのあり方やチェック機能をしっかりしていかなければ」
荒天による変則的なスケジュール、さらにGT300のチェッカーとともにGT500もコースインしてくる混沌とした状況のなかではあったものの、計時モニター上にもきちんと表示され、一度正式結果が出された後の結果改訂は、チームとしては困惑するものだ。特にスタート時刻も間近に迫ってのグリッド変更は、戦略の修正にも繋がってくる。
改訂に対しては、決勝レース後の正式結果に、スポーティングレギュレーション30-5『正式予選結果発表後の誤記訂正に伴い、規定時間内にグリッドを発表できなかった』として競技長に訓戒処分が下された旨が記されている。
この件について、第8戦もてぎの定例記者会見のなかで、GTA坂東代表はオートスポーツwebによる今回の事案についての質問に対し「ワンデーになり時間がない中で予選結果、グリッド発表を行わなければならない状況のなかで、チェッカーの位置など、精査の仕方などにも問題があった」と語った。
「本来予選結果に対し、まずは暫定結果を出してから正式結果を出すが、暫定がないまま正式を出した。そうするとチームは抗議を受けられなくなってしまう。暫定結果に対しての抗議はチームが持っている権利であり、ルールでもある。それを与える場をなく正式結果が出るのはおかしい……と言っているので、それはもっともだと思う。スケジュールのあり方やチェック機能をしっかりしていかなければいけないと思う」
「その結果、競技長に対しペナルティが課せられたが、(リザルトに)サインする人たちの責任もあると思うので、その体制づくりや時間、イレギュラーに対してのチェック機能が、ワンデーでやることに対してシミュレーションができていなかった。全体的な組織としてきちんと作らなければいけないと思う。スケジュールのあり方やチェック機能をしっかりしていかなければいけない」
大会審査委員会にGTA派遣委員は入っているが、本来、GTアソシエイションはプロモーターの立場であり、派遣役員が多数入ってともにレースを運営しているものの、競技運営はサーキットを主体とした別組織となる。
「あまりプロモーターが“裁判所”に文句を言っていると、見方が中立ではなくなるのであまり口を出さないようにしているけど、クオリティを上げたいし、きちんとこうした事例を作って“教科書”として作り、書面として次世代に渡さないといけないと思っている。もっともなことをチームが言っているので、その点は反省して次に進めたいと思っている」
これまでにないイレギュラーな予選形式が生んだ混乱だが、今回のケースを活かし、再発防止に繋がることを願いたいところだ。
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収入や宣伝が大事なのは分かるが、エントラントがあって成り立つものだし、エントラントは真剣にやっているのだから、何を大切にすべきかきちんと考えていただきたい。