現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 車の税金は高すぎる!! なんとかして!! 自工会が税制改正の要望を公表

ここから本文です

車の税金は高すぎる!! なんとかして!! 自工会が税制改正の要望を公表

掲載 261
車の税金は高すぎる!! なんとかして!! 自工会が税制改正の要望を公表

 2020年11月24日に一般社団法人 日本自動車工業会(以下自工会・豊田章男会長)は、リモート会見により令和3年度の税制改正への要望事項を発表した。

 日本のクルマユーザーの高すぎる税負担を軽減するとともに、補助金による購入支援で国内市場の活性化を図るとともに、コロナ後の日本の経済復興のカギを握る企業に対して、税制面での支援をお願いするものだ。

昭和の縛りなぜ残る 軽馬力規制がいまだ撤廃されない深い事情

 どのような内容が盛り込まれているのかについて考察する。

文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA、NISSAN、HONDA、MITSUBISHI、MAZDA

【画像ギャラリー】CEV補助金の対象車となっている次世代日本車&補助金額すべて見せます!!

自動車の取得時にかかる税負担の大幅な軽減が狙い

 自工会がまとめた税制改正・予算に関する要望は、ともに令和3年度(2021年4月~2022年3月)に税制改正される自動車税制と企業税制に分かれている。

 まずは、自動車税制についての要求について具体的に見ていく。

■環境性能割
 自動車取得税が廃止になった代わりに登場した自動車税・軽自動車税の環境性能割は、取得価額に環境性能に応じて課税(登録車:0~3%、営業車:0~2%)されていて、取得税廃止の意味をなしていない。

 消費税対策で2020年9月末まで税率1%ぶんを軽減する臨時的措置は、コロナ禍において2021年3月末まで延長されたが、最低でも現状維持、特段の措置を要求。

軽自動車は車両価格は高くなっているが、優遇されている税制での変更は販売にシビアに響く。今軽自動車が売れなくなると大変

■自動車税の月割り課税
 購入時の自動車税の月割り課税を廃止することも必要であるとの見解を示している。

■自動車重量税の当分の間税率の廃止
 そもそも自動車重量税はすでに課税根拠を喪失している。本則税率に上乗せされている当分の間税率(1000分の407)を廃止すべきと主張。

■エコカー減税
 令和3年3月末に期限切れとなる自動車税・軽自動車税のグリーン化特例は、自動車ユーザーの選択肢を増やすためにも、対象を絞り込むことなく延長すべきと断言。

 現在は2020年度燃費基準達成車から減税対象となっている。それに対し、2021年4月からは、2030年度燃費基準が対象で、その2030年度燃費基準は、2020年度燃費基準に対し平均44.3%という厳しい改善が要求される。

 そのため減税対象は2030年度燃費基準の40~45%達成車とすべきというのが自工会サイドの主張だ。

 上記のものなどにより、自動車の取得時にかかる税負担の軽減を狙っている。

次世代車は普及が大前提

 当然ながら、EV、PHV、FCV、クリーンディーゼルなどの次世代車についても自工会では言及している。

 2030年の次世代車政府普及目標の達成、2050年のカーボンニュートラル達成には、次世代車の普及なしではありえない。そのためには、現状どおりに免税措置の継続を要求。

 また、次世代車の普及のためにはインフラの整備は不可欠で、燃料電池自動車など低公害車については、燃料電池車の普及のためにも、令和3年3月末に適用期限となる水素充填施設に対する固定資産税の特例措置の継続が不可欠であることを強調。

 加えて電気自動車の普及や災害時に有効活用できることからも、高出力充電器を固定資産税の特例措置の対象施設に加えるべきであると主張。

EVのインフラはかなり進んできているが、さらに販売台数を伸ばし普及させるためには、高出力充電器の増設は必須となる

予算要望

ホンダeはCEV補助金の対象となっていて金額は、23万6000円(標準)と16万8000円(アドバンス)

 自工会では、補助金の拡充・延長についても言及している。

 まず1点目は、今後さらに高齢化社会となり、高齢者が運転することを考えたうえで重要になってくるのがサポカー補助金だ。

 現行のサポカー補助金は、65歳以上が条件で、2021年3月末までが補助金が支払われる期間となっているのに対し、自工会では、年齢要件の撤廃、期間延長を要求している。

 また現行のCFV補助金はEV(上限40万円)、PHV車(上限20万円)、燃料電池車(上限225万円)、クリーンディーゼル(上限15万円)となっているが、補助金の増額と期間の延長の必要性を述べている。これは、前述のとおり普及のためだ。

燃料電池車の普及も2050年にカーボンニュートラルを達成するためには欠かせない存在となるが、普及は進まず苦戦中。写真は新型MIRAI

企業税制

 2020年は新型コロナウイルス感染拡大により世界規模で経済活動が抑制され、日本の基幹産業であるクルマ産業も大きな打撃を受けた。6月以降は徐々に回復傾向にあるが、5月の国内販売は、前年比マイナス44.9%にまで落ち込んだ。

 コロナ禍を乗り切り、コロナ後に日本経済のけん引役となるべく努力を続けている企業に対して、税制面での支援を嘆願している。

 その項目は多岐にわたるが、大きく分けると、以下のとおり。

■研究開発税制の拡充
■固定資産税の大幅な引き下げ
■法人事業税の資本割・付加価値割の減税、事業所税の廃止
■法人税率の実効税率引き下げ

日本のクルマユーザーの税負担は世界一高い

 日本の自家用車ユーザーは例えば240万円のクルマを13年間使用すると、6種類の自動車関連諸税が課せられ、その税負担額は約180万円になると試算されている。

 これはアメリカに比べて約30倍、ドイツの約4.8倍、イギリスの約2.2倍もの税金を支払っているという。少なくとも先進国の中では日本は世界で最も税負担が大きい。

 個人ではなく、全体で見てみるとどうなるか?

 日本のクルマユーザーは、取得、所有、走行(燃料)という各段階においてなんと9種類もの税金が課せられ、年間9兆円にもなっているというから驚く。

 昔から言われ続けているガソリンの二重課税などを含め、クリーンかつ納得できる税制になってもらいたいものだ。

 最後にこれは言っておきたい。現状では自動車税が初年度登録から13年超で高くなる。古いクルマに優遇するという世界的な流れとは逆行しているのは改善すべきだろう。

 今回の要望の中には入っていないが、自動車税についての悪しき制度の見直しも早急にお願いしたい。

車両価格240万円といえばヤリスクロスが匹敵。新車で購入して13年間乗ると、税額は車両価格の75%に相当する約180万円。高額車はさらに高くなる

【画像ギャラリー】CEV補助金の対象車となっている次世代日本車&補助金額すべて見せます!!

こんな記事も読まれています

動体検知機能付きで駐車中も安心! KENWOODから前?と後?の同時録画に対応した2カメラドライブレコーダー「DRV-G50W」が登場
動体検知機能付きで駐車中も安心! KENWOODから前?と後?の同時録画に対応した2カメラドライブレコーダー「DRV-G50W」が登場
くるまのニュース
豪華で手頃なサイズが魅力 ジャガー Eペイス UK中古車ガイド オシはD180 見た目より広い車内
豪華で手頃なサイズが魅力 ジャガー Eペイス UK中古車ガイド オシはD180 見た目より広い車内
AUTOCAR JAPAN
ちらり肌見せが今っぽい! SUPER GTの「LEON RACING LADY」はファッショナブルなコスチュームでK2 R&D LEON RACINGをサポート!
ちらり肌見せが今っぽい! SUPER GTの「LEON RACING LADY」はファッショナブルなコスチュームでK2 R&D LEON RACINGをサポート!
Auto Messe Web
ポルシェ、電動モデル『タイカン』に“GTS”と4輪駆動の“4”を追加設定。左ハンドル仕様も初導入
ポルシェ、電動モデル『タイカン』に“GTS”と4輪駆動の“4”を追加設定。左ハンドル仕様も初導入
AUTOSPORT web
トヨタ、ダカールラリーの王座奪還へ。2025年は6台の最新型ハイラックスを投入
トヨタ、ダカールラリーの王座奪還へ。2025年は6台の最新型ハイラックスを投入
AUTOSPORT web
ライバルもフェルスタッペンの選手権4連覇を祝福「すべて彼の力によるものだ」「彼の時代が来たことを裏付けている」
ライバルもフェルスタッペンの選手権4連覇を祝福「すべて彼の力によるものだ」「彼の時代が来たことを裏付けている」
AUTOSPORT web
全長5m超え! 新型「最上・最高級SUV」世界初公開! 奇抜な“一文字ライト”&「3列7人乗り」豪華ラウンジ風内装採用! “メーカー初の機能”も搭載の「アイオニック9」発表!
全長5m超え! 新型「最上・最高級SUV」世界初公開! 奇抜な“一文字ライト”&「3列7人乗り」豪華ラウンジ風内装採用! “メーカー初の機能”も搭載の「アイオニック9」発表!
くるまのニュース
ポルシェの空力モンスターマシン! サーキットで911 GT3 RSを変貌させる「マンタイ・キット」がリリース
ポルシェの空力モンスターマシン! サーキットで911 GT3 RSを変貌させる「マンタイ・キット」がリリース
VAGUE
2026年のF1参戦に関する基本合意について、GM社長は「世界最高峰のシリーズに参加するのは名誉なこと」コメント
2026年のF1参戦に関する基本合意について、GM社長は「世界最高峰のシリーズに参加するのは名誉なこと」コメント
AUTOSPORT web
NSX GT3が北米主要レースから消滅。レーサーズ・エッジは2025年からアストンマーティンに変更へ
NSX GT3が北米主要レースから消滅。レーサーズ・エッジは2025年からアストンマーティンに変更へ
AUTOSPORT web
若手成長株が初ポールから今季最多の3勝目。新型SUV『トヨタ・カローラクロス』も登場/SCB第11戦
若手成長株が初ポールから今季最多の3勝目。新型SUV『トヨタ・カローラクロス』も登場/SCB第11戦
AUTOSPORT web
コンパクトなのに "いかつい" 新SUVが登場! 改良で大胆イメチェン キア・スポーテージ実車公開
コンパクトなのに "いかつい" 新SUVが登場! 改良で大胆イメチェン キア・スポーテージ実車公開
AUTOCAR JAPAN
【気づけばビートル越え】フォルクスワーゲン9世代目の新型パサート 計7グレード展開にて販売開始
【気づけばビートル越え】フォルクスワーゲン9世代目の新型パサート 計7グレード展開にて販売開始
AUTOCAR JAPAN
アライ、MotoGPライダーのマーベリック・ビニャーレス選手レプリカモデルを発売 オークリーとコラボ
アライ、MotoGPライダーのマーベリック・ビニャーレス選手レプリカモデルを発売 オークリーとコラボ
レスポンス
トヨタに22歳のWRC2王者パヤリが新加入。勝田貴元も認める才能と、「スーパースムーズ」なドライビング
トヨタに22歳のWRC2王者パヤリが新加入。勝田貴元も認める才能と、「スーパースムーズ」なドライビング
AUTOSPORT web
トヨタWRC育成の小暮と山本が『ラリージャパン』初参戦。高難度の母国イベントで多くの学びを得る
トヨタWRC育成の小暮と山本が『ラリージャパン』初参戦。高難度の母国イベントで多くの学びを得る
AUTOSPORT web
ホンダ最強「タイプR」の“VTECエンジン”搭載!「GT-R」に並ぶ“超加速”実現する「爆速スポーツカー」に反響殺到! 日本でも手に入る「アトム」が凄すぎる!
ホンダ最強「タイプR」の“VTECエンジン”搭載!「GT-R」に並ぶ“超加速”実現する「爆速スポーツカー」に反響殺到! 日本でも手に入る「アトム」が凄すぎる!
くるまのニュース
デザイナーが憧れていた「1970年代の国産GT」のようなルックスがカッコいい! “6速MTのみ”とメカも硬派なミツオカ「M55」ついに市販化
デザイナーが憧れていた「1970年代の国産GT」のようなルックスがカッコいい! “6速MTのみ”とメカも硬派なミツオカ「M55」ついに市販化
VAGUE

みんなのコメント

261件
  • 記事には基本的に同意なのだが、個人的には車検の期間延長をしていただけないだろうか。
    2020年の現代において、2年ごとにやる意味ある?
    そこは自工会も絶対に言わないだろうが、ぜひ身を切る思いで発言頂きたい。
  • 車検も 無くす 5年ごと 少なくとも3年ごとで 充分
    世界をみて 車検があり 関係機関が潤っているのは 数か国。

    また 保険についても車(バイク)にかけるのではなく
    ドライバー(ライダー)に
    かけるように制度を変えるべきである。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村