グレシーニのマルク・マルケスは、MotoGPオーストリアGPのスプリントレースで「楽観的すぎた」ためにクラッシュを喫し、簡単に獲得できたはずの表彰台を手放してしまったと悔やんだ。
マルケスは3番グリッドからレースをスタートし、ポジションをキープ。前を走るホルヘ・マルティン(プラマック)やフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)を追った。
■スプリント2位のマルティン「あのペナルティは不公平」バトル中のオーバーランへの罰則に納得できず
トップ3がやや隊列から抜け出す中、首位攻防でシケインをショートカットしてしまったマルティンにはロングラップペナルティが科され、マルケスが2番手に浮上。しかしマルケスは14周のレース10周目、ターン3でスリップダウンの転倒を喫してしまった。
マルケスは走行再開できたものの、その周の終わりにピットインしてリタイア。転倒さえなければ2位でフィニッシュできた展開だけに悔しい結果となった。
マルケスのスプリントレースでの転倒はここ4戦で3度目となるが、今回は最新型のバイクに乗るバニャイヤやマルティンに迫るペースを見せていただけに、マルケスとしては悔しさも大きいようだ。
クラッシュの原因について聞かれ、マルケスは「僕が楽観的すぎたから起きたことだ」と答えた。
「正直なところ、表彰台はイージーに獲れたはずだ。僕はとてもよく乗れていたし、レースの序盤は『OK、落ち着こう』と思っていた」
「彼ら(バニャイヤとマルティン)は僕より半歩前だった。昨日は一歩、今日は半歩だ」
「それで最後の周に何かを感じて、『よし、アタックだ』と思った。残り5周のところでアタックした時、とてもスムーズに走れて追い上げられたんだ」
「それからもう少しアタックしようとしたんだけど、ターン3で楽観的すぎた。その周のターン1がすでに僕の中で最速だった。プッシュしすぎたんだ。でもそうして(プッシュしすぎて)しまったのは、長い間優勝争いができると考えていなかったのに、今回はそれができると感じたからなんだ」
「もちろんペッコ(バニャイヤ)はもっと何かを持っていたと思うけど、少なくとも僕たちは彼に近づいていた」
マルケスは問題のターン3への進入でタイヤをロックさせてしまったと明かした。
「路面の限界を理解するのがとても難しいんだ。特に誰かの後ろを走っている時はね。朝は涼しいし、路面温度も15度くらい低い。ライディングスタイルも全く違ってくる」
「今日のレースはフロントをロックさせることが多くて、かなり難しかった。実際転倒する前はブレーキがロックしてしまい、少しブレーキを温めてからまたレバーを引っ張ったら、スピードがあったから転倒してしまった」
マルケスは2週間前のイギリスGPでもスプリントレースで転倒。決勝に向けて控えめなアプローチをすることを選んだ。しかし今回はそうせず、今季5度目の表彰台獲得を狙っているという。
「シルバーストンでのクラッシュの方が、今日よりずっと気分が悪かった。今日は、もちろんクラッシュはしたくなかったけど、少なくともあそこにいられるペースがあったんだ。僕はトップを争っていた」
「明日、賢く走れば3位を狙えるのは事実だ。でもレース中にハンマーを振り下ろす時が来るのかどうか、それは分からないよ」
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