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オット・タナク移籍後初優勝。Mスポーツに1年ぶりの勝利をもたらす/WRC第2戦スウェーデン

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オット・タナク移籍後初優勝。Mスポーツに1年ぶりの勝利をもたらす/WRC第2戦スウェーデン

 2月12日、WRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』競技最終日のSS16~18が行われ、首位でこのデイ4を迎えたオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)が総合優勝を飾った。Mスポーツ・フォードWRTの優勝は、セバスチャン・ローブが制した2022年開幕戦モンテカルロ以来、約1年ぶりだ。

 スウェーデン北部の都市ウメオを拠点に9日(木)に開幕したラリー・スウェーデンは、北極圏近くで行われるシーズン唯一のフルスノーラリーだ。選手たちは、タイヤの表面に無数のスパイクが埋め込まれたスタッドタイヤを履いたマシンで、“スノーバンク”と呼ばれる雪壁に囲まれたステージを駆け抜けていく。スウェーデンは同じく北欧ラウンドのWRCフィンランドと並んで非常にハイスピードなラリーであり、ストレート区間での車速は190km/hに迫る。

【順位結果】2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン SS18後

■古巣復帰後初優勝を懸けたタナクとブリーンの熱戦

 そんなラリー・スウェーデンの2023年大会で主役を演じたのはオット・タナクとクレイグ・ブリーン(ヒョンデi20 Nラリー1)のふたりだった。今季、ヒョンデから古巣Mスポーツに復帰したタナクは、10日(金)デイ2のオープニングとして行われたSS2で2番手から総合首位に浮上。その後SS4までこの順位を守った。

 一方のブリーンは、今戦がMスポーツから古巣ヒョンデに出戻っての初陣となった。初日のSS1を7番手で終えた彼はSS2でベストタイムを刻んで総合2番手に順位を上げると、今大会2度目のステージ優勝を果たしたSS5でトップに躍り出る。ここからタナクを従えデイ3のSS13までラリーリーダーを務めた。

 ふたたび順位が入れ替わったのは、両者のギャップが0.5秒まで縮まったデイ3終盤のSS14だ。タナクはこのステージで左フロントタイヤのバーストに見舞われながらもブリーンを上回るタイムを記録し、ハイブリッドパワーを失っていたライバルを逆転。続くSS15でもブリーンを先行し、最終日を前にその差を8.6秒に拡げてみせた。

 迎えた競技最終日デイ4は、まずは首位タナクがSS16で2番手タイムを刻み、ステージ4番手となったブリーンをさらに4秒後方に追いやる。しかし再走ステージのSS17ではブリーンが2番手、タナクが4番手と真逆の展開に。両者のタイム差は8.5秒となった。

 運命の最終SS18は、タナクが先にタイムを出したブリーンを0.2秒上回りステージ3番手でフィニッシュ。この瞬間、タナクの古巣復帰後の初優勝と、2019年以来4年ぶりとなるラリー・スウェーデン制覇が確定した。

 キャリア初優勝が期待されたブリーンは惜しくも2位。なお、彼にはTC遅着によるペナルティ10秒が加算され、最終リザルトでは順位こそ変わらないものの、タナクとのタイム差が8.7秒から18.7秒になっている。

■ヌービルとロバンペラの表彰台争いも白熱

 タナクとブリーンがラリーの序盤から優勝争いを繰り広げるなか、総合3番手には氷雪上ラリーを得意とするエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)がつけていた。しかし、ラッピの移籍後初表彰台はSS13でのスタックで夢と消えることに。

 代わって、序盤戦は路面コンディションに苦しめられたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)と、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)がこのポジションを争うこととなった。デイ3のSS14終了時に同タイムで並んだ両名。翌SS15で抜け出したのはヒョンデのエースだった。

 3.8秒のリードで最終日に入っていったヌービルは、SS16を制したロバンペラに1.1秒差に迫られるが翌SS17ではステージウインをやり返し7.1秒差にギャップを拡げる。迎えた最終SS18では左の直角コーナーでアウト側にはらみスノーバンクにヒットする場面も見られたが、大事には至らず6番手でフィニッシュ。直前に築いた貯金を活用し、ディフェンディングチャンピオンを5.1秒差で振り切って表彰台の一角を確保してみせた。

 これはトヨタ勢が今戦で表彰台を逃したことを意味し、大会連覇を狙ったロバンペラは4位、チームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5位という結果に終わっている。
 
 また、デイ2のアクシデント後、デイ3から再出走し最終パワーステージでのボーナスポイント獲得を目指していた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)だったが、直前のSS17走行後リタイアに。エンジントラブルが出走中止の原因とされている。

■オリバー・ソルベルグ、母国でWRC2クラス優勝

 総合6位入賞を果たしたピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は、最終SS18の最中にエンジントラブルが発生した。このため彼はステージ途中で一度停車し、最後はプラグイン・ハイブリッドシステムを用いたEVモードでクルマをフィニッシュまで運んでいる。

 総合7位は前日のスタックで7分以上の後れを取ったラッピ。総合8位はオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)だ。スウェーデン国籍を持つ彼は、オーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)を下しWRC2クラスで母国優勝を飾った。同クラス3位はサミ・パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2)で、総合では10位に入っている。

 WRCの次戦第3戦『ラリー・メキシコ』は、3月16~19日に開催される予定だ。

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