4月28日、2023年F1第4戦アゼルバイジャンGPの予選が行われ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が通算19度目、今季初ポールポジションを獲得した。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は今季初Q3進出を果たし8番手で予選を終えている。
現地時間17時(日本時間22時)、アゼルバイジャンの首都バクーに特設されたバクー市街地サーキットを舞台に、気温19度、路面温度38度、湿度80%、ときより上空に霧が立ち込めるなか予選は開始された。なお、今大会ではC3タイヤがハード(白)、C4タイヤがミディアム(黄)、C5タイヤがソフト(赤)と、もっとも柔らかめのコンパウンドが割り当てられている。
今年初のスプリントイベントとなるアゼルバイジャンGP、この金曜日の予選結果は4月30日に行われる51周の決勝レースのグリッドに適用される。
■Q1:2度の赤旗中断のなかルクレールが最速
直前のフリー走行1回目でマシンから炎が上がったピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、チームによるマシン修復が間に合い、18分間のQ1開始と同時にコースインを果たした。20台がコース上にマシンを進めるなか、まずはセッション開始から5分が経過したところでルクレールが1分42秒105で上回り暫定トップに浮上する。
ただ、その直後にはフェルスタッペンが1分41秒887でルクレールを0.218秒リードし、暫定トップの座を奪う。フェルスタッペン、ルクレールに続く3番手には、1分42秒648をマークしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が続くなか、Q1セッションは後半を迎えた。
残り10分30秒を切ったところでニック・デ・フリース(アルファタウリ)がターン3でオーバーシュートし、フロントからウォールにクラッシュ。これでセッションは残り10分17秒時点で赤旗中断となった。
ただ、クラッシュバリアにノーズから突き刺さるようなかたちとなったため、デ・フリースのマシンをクラッシュバリアから外すことに時間がかかり、赤旗中断は16分間に及んだ。Q1セッションはマシン回収、バリア修復が済んだ現地時間17時24分(日本時間22時24分)に、西陽が差し込むなか、残り時間10分17秒で再開を迎えた。
この時点でのノックアウトゾーンには、エステバン・オコン(アルピーヌ)、角田、ガスリー、デ・フリース、カルロス・サインツ(フェラーリ)という順に。各車がウォームアップに入るなか、赤旗中断前にターン15でわずかに右リヤタイヤとウォールが接触した角田のマシンはガレージから出てこない。
そんななか、残り7分32秒というところで、ガスリーがターン3でクラッシュ。右リヤセクションを中心にマシンは大きくダメージを受け、ターン4のエスケープゾーンまで滑るように進みストップ。これによりQ1セッションは2度目の赤旗中断となった。なお、その赤旗導入直前にはサインツがターン1で単独スピン。接触なくピットに戻ったがサインツはまたもタイムを記録することができなかった。
セッションは現地時間17時37分(日本時間22時37分)にふたたび再開を迎えた。今度は角田もセッション再開のタイミングでコースインを果たしている。残り4分を切ったところでペレスが1分41秒756をマーク。しかし、その背後から続いた1分41秒398をマークして首位を譲らない。角田は最初のアタックで1分42秒723で暫定11番手までポジションを上げる。
そんななか、18番手タイムのケビン・マグヌッセン(ハース)は、FP1でのトラブルが続いているのか、残り時間1分少々の時点でガレージイン。終盤ルクレールが1分41秒269をマークしてトップに浮上。2番手にフェルスタッペン、3番手にアロンソ、4番手にペレスが続いた。
16番手周冠宇(アルファロメオ)、17番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、18番手マグヌッセン、19番手ガスリー、20番手デ・フリースの5台がノックアウト。角田は最後のアタックで10番手に上げている。また、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)が初のQ2進出を果たした。
■Q2:SQ3指定タイヤをQ2に投入した角田裕毅が今季初Q3進出
続く15分間のQ2セッションは現地時間17時52分(日本時間22時52分)に開始された。この時点で気温20度、路面温度30度と、Q1開始時から気温は1度、路面温度は8度低下している。まずはアロンソが1分41秒400をマーク。ただ、その直後にペレスが1分41秒131と、アロンソを0.269秒上回るタイムでQ2暫定トップの浮上する。
続いてフェルスタッペンもタイムを出しに行くが、Q2最初のアタックは1分41秒193と、ペレスに0.062及ばずの暫定2番手。フェラーリ勢の2台はアタックタイミングを遅らせるなか、ルクレールは1分41秒216でレッドブル勢に続く暫定3番手につける。
そんななか、残り7分を切ったところで角田が1分42秒038をマーク。実は角田はスプリント・シュートアウトSQ3での指定タイヤとなる新品ソフトをこのQ2に投入。これでユーズドのソフトでアタックに入ったルイス・ハミルトン(メルセデス)らを上回る暫定8番手に浮上する。
残り4分を切り、ここでルクレールが1分41秒037をマークしてトップに。一方、暫定5番手につけるサインツはターン3でオーバーシュート。エスケープゾーンで一旦停車し、即座にコースに復帰した。
チェッカー直前、フェルスタッペンが1分40秒822、全セクター最速タイムを更新しトップに浮上する。その背後で角田が1分41秒569をマーク。土曜日のスプリント・シュートアウトでSQ3に進出した際に使用できるタイヤは無くなるものの、決勝を優先したタイヤチョイスにより7番手につけ、今季初のQ3進出を果たした。
最終的にQ2はフェルスタッペン、ルクレール、ペレス、サインツ、アロンソ、ランド・ノリス(マクラーレン)、角田、ランス・ストロール(アストンマーティン)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ハミルトンまでがQ3進出。セクター3でミスがあり11番手となったジョージ・ラッセル(メルセデス)、12番手オコン、13番手アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、14番手ボッタス、15番手サージェントの5台がQ2敗退という結果となった。
■Q3:ルクレール&フェラーリが今季初ポール獲得
ポールポジションを決める最終Q3は12分間。すでに新品ソフトの残りがない角田はユーズドのソフトでコースインする。
残り8分30秒というところでまずはペレスが1分40秒563をマーク。それをフェスルタッペン、ルクレールが上回るが2台のタイムはともに1分40秒445と同タイム。セクター1はルクレールが先行するも、セクター2と3はフェルスタッペンが上回るという状況に。
角田は最初のアタックを終えて1分42秒038で暫定7番手と好位置につける。その後、ストロールが7番手に浮上するが、ストロールのマシンはDRSが動かないトラブルに見舞われる。
残り3分を切り、全車がふたたびコースに戻る。ノリスはQ2で角田が見せた、スプリント・シュートアウトでSQ3で使用する新品ソフトを投入し、ラストアタックに勝負をかけた。
各車ラストアタックでタイムを更新するなか、ルクレールが1分40秒203をマークしてフェスルタッペンを0.203秒上回りトップに浮上。そのまま首位の座をキープし、ルクレールが今季初、通算19回目のポールポジションを獲得した。
今季過去3戦でポールポジションを独占してきたレッドブル勢も最終アタックで自己ベストを更新するが、フェルスタッペンは0.188秒届かず2番手、ペレスは0.292秒届かず3番手となった。ルクレールのチームメイトのサインツは4番手。以下、5番手ハミルトン、6番手アロンソと続いた。
なお、角田は最終アタックで1分41秒581をマーク。最終的にSQ3用ソフトを投入してきたノリスに先行されたものの、今季ベストグリッドとなる8番手を獲得した。9番手にストロール、10番手にピアストリが続いた。2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP決勝は、日本時間4月30日(日)20時にスタートを迎える。
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