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X氏の値引き大作戦 レヴォーグから34.8万円引き!

掲載 26
X氏の値引き大作戦 レヴォーグから34.8万円引き!

新車値引き情報 [2022.08.25 UP]


X氏の値引き大作戦 レヴォーグから34.8万円引き!

目的別クルマ選び【10】渋滞をラクにやり過ごす!

筋金入りのスバリストが大苦戦。越境作戦も同士討ち攻撃も不発……イチかバチか、捨て身の大逆襲!
【プロローグ】 若い頃は車検ごとに買い替えていたので、交渉も3年おきでした。しかし、年を重ねるごとに保有期間がだんだん長くなってきています。
 現在の愛車、エクシーガは13年目に突入し、走行距離は15万kmを突破。質実剛健が売りのスバル車もさすがに疲れが見えてきたので、ついに買い替えを決意したわけです。
 これまで6台のスバル車に乗り続けているのは、なによりもその独特な走りに惚れ込んでいるからです。以前、弟が所有していたトヨタの某高級サルーン(去年、生産終了したクルマ)を運転させてもらったときに「なんか変だ!?」と違和感を持ちましたが、これはスバルの走りの真髄が身体に染み付いていたからにほかなりません。ボクサーエンジン由来の安定感と官能的な走り、そして走破性は他社のクルマではけっして味わうことができないでしょう。
 というわけで、今回の第一候補はもちろんレヴォーグ。もうガチガチの本命です……とはいっても、そこはそれ、X氏となったからには他社のクルマにも目を向けて競合に持ち込みます。
 また、隣県にも越境できるという地の利を生かしてスバル同士の争いをあおる作戦も考えています。さらに「決定には妻と娘の合意が必要」という家族総動員戦術で最後のひと押しを仕掛けるつもりです。
 ともあれ、まわりから「社長、またこんな高いクルマ、買っちゃってぇ~」との声があがっても「いやいや、めちゃ安く買ってるんだよ」と逃げが打てるように頑張ります!

【交渉1日目】 エクシーガの車検は来年3月まで残っていますが、昨今の「納期の異常な遅れ」を考えて余裕をもって商談を開始することにしました。
 まずはマツダへ。CX-5とCX-30の展示車をじっくり見せてもらいました。
X「レヴォーグが有力候補にあがっていますが、最近のクルマをよく知らないので、色々見てまわりたいと思ってます」
 ここで奥から上司らしき人が出てきて「Xさんのカーライフにぜひともマツダ車をお役立ていただきたいと存じます」と挨拶。名刺を見ると店長さんでした。こういうことをされると少し嬉しくなりますね。
 ただし、店長さんを相手に突っ込んだ交渉をすると抜き差しならぬ事態に陥りそうな気がします。早々に退散しました。
 続いて日産へ。セールス氏は茶髪にスリムスーツ、細眉とイマドキのちょっとチャラい若者ですが、話をしてみると礼儀正しく、熱意も伝わってきます。
X「クルマを買うのは13年ぶりなんですよ。今日乗ってきたエクシーガを買ったときもこちらでデュアリス(今は絶版となった小型SUVです)の商談をしたんですが、残念ながら縁がなかったようです」
セ「今回はぜひお願いします」
 対象に選んだのはキックス。ツートーンの内装がかわいいし、取り回しがよさそう。妻が同伴していたら「これがイイ!」って言うだろうな。
 試乗後、商談を開始。
セ「いかがでしたか?」
X「いやぁ~驚きました! e-POWERの走りって、凄く気持ちがいいですね」
セ「評判、いいんですよね! では見積もり、出してみますね」
 エクシーガの下取り査定額は5万円でしたが、キックスの値引き額はいきなり25万円!
 内心おおっ!って感じですが、ここは年の功、ポーカーフェイスを貫きました(笑)。
セ「実はぶっちゃけ、今月は一年で一番クルマが売れない月なんですよ。もし今月中に成約いただけるのであれば、値引き、もっと頑張りますよ!」
 さらにここでも店長さんが登場してきました。
店「何としても売りたいんです。決めていただけませんか?」
X「エクシーガの車検がまだたっぷり残っているんで急いでいるわけではないんです。ほかの候補もじっくり検討したいと思っています」
セ「ほかのクルマというと?」
X「やっぱりレヴォーグですね、CX-5とかも考えてます」
セ「それでは他社の条件が出たら、今週末、もういちど商談させてください」
 無印だったキックスですが、走りの良さと値引き条件、そして販売店の熱意によって有力候補として浮上してきました。妻がこの場にいたら「これにしよう!」と即決したかも……連れてこなくてよかった(笑)。




“やっちゃえ、日産”イイね。スバルは競合禁止!? ヤダね
【交渉2日目】 いよいよ本丸スバルです。交渉するお店は次の3か所を選びました。
○スバルA店 C営業所=なじみの正規店。ただし、3台を購入した担当セールスのE氏が昨年、他の営業所に移動してしまいました。新しい担当者に引き継いだのですが、3か月経っても連絡がこないため、ちょっと不信感を持っています。
○スバルA店 D営業所 前記C営業所と同じ販売店。購入したことはありませんが、以前寄ったときの対応が好印象でした。我が家からはC営業所と同じくらいの距離にあります。
○スバルB店 地元のスバルA店とは経営の異なる隣県の正規店。越境となりますが、距離的にはさほど遠くありません。
 この3店と商談して三つ巴の争いに持ち込むつもりですが、その前に前担当・E氏の個人携帯に電話を入れました。
X「ご無沙汰です。ようやくレヴォーグに買い替えることにしました。Eさんから引き継ぎをした担当さんに話をしようと思ってるんですが、あとで『水臭いじゃないですか。なんで私に相談してくれないんですか?』となったらいやなんで、その前に電話しました」
E「ありがとうございます。電話をいただけて大変嬉しいのですが、私としてはスバルA店という会社から買っていただければ本望です。新しい担当者をよろしくお願いします!」
X「なるほど。さすがEさん、大人の対応ですね(笑)。ところで、レヴォーグって値引き、どうなっていますか?」
E「すみません、以前のようにはいかないんですよ、今は『ワンプライスで売れ!』って会社から言われてますしね。ホント、値引きは5万円、6万円の世界なんです」
 これまた大人の対応です。Eさんにバックアップをお願いできたらと思っていましたが、自力で頑張るしかないようです。
 最初はスバルA店のD営業所に出向きました。応対してくれたのは若くて感じのいいセールス氏。私が狙っているレヴォーグGT-Hを所有しているとのことで「どうぞ、試乗してください」と勧めてくれました。
 やっぱりイイ! 安定した走り、これぞスバルだ。内装の質感も素晴らしい。
 試乗を終えて商談を開始。
セ「下取り車のエクシーガですが、ウチのC営業所でお買い上げいただいて、その後、点検なども受けていますね。ウチは会社内での競合が禁止されているので、一応、C営業所に連絡を入れさせていただいてよろしいでしょうか?」
X「かまいませんが、実はね、長年担当してくれたセールス氏が昨年移動になって新しい担当者に引き継いだんですが、ちっとも連絡がこないんですよね。だからちょっと不信感を持っちゃってね……行くのをためらっているんです。で、今回、こちらのD営業所に来たのは理由があるんですよ……」
 それは10年ほど前の娘の成人式のことです。折からの大雪で道路は大渋滞。会場に1時間も遅れて到着し、娘と妻を下ろしてほっとした途端、トイレにいきたくなってしまいました。で、すぐそばにあったD営業所に飛び込んでトイレを拝借させてもらったことがあります。すると、熱いコーヒーを出してくれて、娘と妻が戻ってくるまで時間をつぶさせてくれました。さらに引き上げようとすると、大渋滞の幹線道路のクルマを止めて逆車線へとしっかり誘導してくれました。これには家族三人、感動しましたね。
 この話をすると、
セ「待ってください! 10年前に成人式というと……」
 なんたる偶然か、セールス氏は娘と同い年でした。
 すっかり盛り上がったので、「これは好条件が飛び出すのでは!?」と期待したけれど、レヴォーグの車両本体値引きはたったの5万円、付属品からは15万4000円ほど値引きしてくれたけれど、エクシーガの下取り額は「オイル漏れがあるようなので1万円になってしまいます」とのこと。
X「値引きとかやっぱり こんなもんなんですかね?」
セ「これでもけっこう頑張らせてもらったんですけど……」
 帰宅するとスバルA店C営業所の担当セールス氏から電話がかかってきました。
セ「Xさん、D営業所にお見えになったそうですね。ウチにも声をかけてくださいよ~」(かなりあわてた様子です)
X「正直に言いますね。引き継いでから3か月も連絡がなかったんで、ちょっと違和感を持っているんですよね。で、今回の買い替えにあたって『ほかのお店の対応もみてみたいな』と思って、D営業所に行ったんです。まあ、それはともかく、近いうちにそちらにも伺いますよ」
セ「ありがとうございます! お待ちしております」

【交渉3日目】 越境して隣県のスバルB店へ出向きました。
 若くて爽やかなセールス氏が応対。日産やマツダとの競合、さらに地元のスバルA店とも商談していることを伝えると、車両本体5万5000円引き、付属品15万4000円引き、下取り1万円で、乗り出しは404万円。
X「値引き条件は地元の店とほとんど同じですね。やっぱりレヴォーグは渋いなあ~」
セ「これでも目一杯やらせていただいているんですけど……」
 越境作戦、不発でした。
 スバルB店を出ると、日産から電話が入りました。レヴォーグの条件を伝えると「Xさん、うちはもっといけますよ!」。
 しかし、キックスはゴルフバッグが二つしか積めないのがネックです。仲間たちが同乗してゴルフに出かけることが多いので、四つ積めないと困ってしまいます。その点、レヴォーグとCX-5は合格です。
 その足でマツダへ。CX-5に試乗させてもらいました。内装はひと昔前のマツダ車よりも上質さを感じます。 見積もりを出してもらうと、車両本体値引きの記載はなく、付属品から19万5000円引き、下取り5万円で、乗り出しは370万5000円。
X「え~と、車両本体の値引きが入ってませんね」
セ「大きな声では言えないんですが 5万円か6万円というところですね」
X「え???」
 13年前、交渉した際、スバルのセールス氏から「マツダさんとの勝負だけは勘弁してくださいよ。値引きではとても太刀打ちできません」と言われたのを覚えています。そういえば、かつては値引きのマツダと異名をとっていたのに……どうなっているのでしょうか?
 自宅に戻って、じっくり検討したが、やはり「レヴォーグ!」となりました。しかし、現状では値引き条件も下取り額も満足がいきません。はてさて、どうしたものか……渡辺真知子のように迷い道に入り込んだような気がしてきた(昭和歌謡ギャグです。笑ってくださいね)。
 で、結論は「イチかバチかしかないな!」。




土壇場で女性軍が緊急参戦! 史上最高額?が飛び出した!!
【交渉4日目】 ついに本丸中の本丸、スバルA店のC営業所に出向きました。これまでの経緯をすべて話して、
X「できれば、またスバル車に乗りたいと思っています。正直『隣県に越境してスバルB店から買ってもいい』とも思っていましたが、かつて担当だったEさんに『ぜひうちから買ってください!
新しい担当をよろしく!』と、お願いされたこともあって、いままで通りC営業所さんとお付き合いをしたいと考えています」
セ「ご連絡が遅れたことはお詫びします。これまで通りお付き合いを続けさせてください!」
X「わかりました。ひとつ約束しますよ。いい条件を出してくれたら、他社はもとよりスバルの他店にも、もう行きません」
セ「ありがとうございます! では、ぎりぎりの見積もりをお出しします」
 提示してきた条件は車両本体値引き6万9000円、付属品値引き16万円で、乗り出しは403万円。これではスバルB店と違いがありません。なお、エクシーガは買い取り専門店に売却することにして「下取り車なし」で見積もりを出してもらいました。
セ「これが目一杯です」
X「う~ん……ハンコを押す条件じゃないね。正直、乗り出しが400万円を超えた時点で、私にはもう別世界です」
セ「では、乗り出しを399万円にします! これでお願いします!」
X「いやいや、1万円切っただけでは難しいですね。日産は350万円、マツダは370万円くらいですからね。それにエクシーガの車検がまだ残っているので急いで買うつもりもありません。今回はいったん白紙に戻して、しばらくしてから仕切り直しってことも考えているんですよ」
セ「…………」
X「ともかく今日は引き上げますね。もしいい条件が出せたら、すぐに電話してください」

【交渉5日目】 翌日、C営業所の担当氏に次のような内容のメールを送りました。
《妻と娘にレヴォーグの条件を伝えたところ『以前はもっと値引きしてくれたのに、スバルさん、どうしちゃったの? 380万円くらいにならないの?』と言われました。現在の状況を鑑みると、380万円は無理だと思いますが、もしも390万円にしてくれるなら、私が全力で家族を説得します》
 すると、返信がありました。
《ありがとうございます。何とか頑張ってみます》

【交渉6日目】 翌日、C営業所から電話が入りました。
セ「Xさん、上司からOKが出ました! 390万円にできます。私史上最高の値引き額です。ただし、お願いがあります。『下取り車をうちに出していただく』というのが条件です」
X「いいでしょう。では、後日、ハンコを持って伺います」
 というわけで、日産とマツダ、スバル2店には断りの電話を入れました。すると、スバルのセールス氏二人は口を揃えて「390万円ですか? それは凄い。どこに出しても恥ずかしくない金額です!」と、太鼓判を押してくれました。

【交渉7日目】 スバルA店C営業所に出向きました。
X「ハンコ、持ってきましたよ。実はね、下取りのエクシーガは10万円くらいで買い取り専門店に売る自信があったんですよ。そのお金で付属品をいろいろ買おうと思っていたんですけど、その軍資金がなくなってしまったんで困っているんです。でね、STIシフトノブかSTIエンジンプッシュスタートスイッチのどちらかを無料でサービスしてくれませんか? あとガソリン満タン納車ね。OKならハンコを押します!」
セ「えぇ~まいったなぁ……う~ん……上司と相談してきます」(戻ってきて)「Xさん、プッシュスタートスイッチ(1万9140円)とガソリン満タンで決めてください!」
 これにて成約です。
 注文書には車両本体から19万3450円引き、付属品(59万7135円)から15万4860円引き(無料サービスのプッシュスタートスイッチ分を含む)、下取り2万5370円(リサイクル預託金1万5370円を含む)となっていました。

購入データ
SUBARU レヴォーグ
GT-H
From東京都
トータル値引き 34.8万円
値引き採点 5
当初はどこの店も合計20万円引き程度で「限界」としてきたが、最終的に車両本体19万3450円引き、付属品(59万7135円)15万4860円引きの合計34万8310円引きに。値引き率は8.9%。




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みんなのコメント

26件
  • 絶対この購入者は面倒な人間だと思う。
    13年も保有した車の、引き継ぎの挨拶が
    ないだけでゴチャゴチャ言ってる時点で
    お察し。
  • ディーラーとしては一番来てほしくない客。値引き多くて走れば何でもいいんでしょという感じ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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