■現地生産だからできる、米国の需要を優先した海外専用車
日本車が初めて海外に輸出されたのは1940年代のこと。当初はあまり評価が高くありませんでしたが、徐々に支持されるようになると、1970年代のオイルショックを経て経済的で故障の少ない日本車はメインストリームへと躍り出ました。
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その一方で、日本車の隆盛は貿易摩擦を生み、不均衡の是正をすべく日本のメーカーは輸出ではなく現地生産を余儀なくされました。
そして日本のメーカーのクルマでありながら海外で生産されるモデルは年々増加し、今では輸出される台数を大きく上回っています。
そんな現地生産のクルマですが、じつは日本で走っているクルマばかりではありません。
現地では需要があるものの日本ではセールスが見込めないような車種も、輸出のコストや関税、為替の変動を度外視できる現地生産なら、販売することができるのです。
たとえば、道が広くガソリンが安い米国では、大柄なボディに大排気量エンジンを搭載したモデルも受け入れられますが、日本ではビジネス的に難しいと判断されます。
その結果、日本では生産も販売もされない「海外専売モデル」が誕生。近年はSUVブームが続いていますが、例に挙げた大柄で大排気量という属性とSUVというカテゴリーのマッチングは抜群で、北米を中心に海外専売モデルが多数存在します。
そんな米国で販売される日本メーカーのSUVのなかで、「日本でも売れそう!」なモデルを紹介します。
●ホンダ「パスポート」
現在ホンダが国内で販売するSUVは、コンパクトな「ヴェゼル」とミドルサイズの「CR-V」ですが、北米ではラージサイズの「パイロット」とミドルサイズの「パスポート」がラインナップされています。
パスポートは、北米市場向け車両として1993年に初代モデルが登場。いすゞ「ミューウィザード」のOEM車で、1997年にベース車両と同様にフルモデルチェンジを受け、2002年に販売を終了しましたが、それから17年の時を経て、2019年にまったくのニューモデルとして復活しました。
ミドルサイズといっても全長は4800mmを超え、全幅も2m近いというなかなかの巨漢。パワートレーンも280PSを誇る3.5リッターV型6気筒エンジンに9速ATの組み合わせと、日本では持て余しそうなスペックです。
しかし、トヨタ「ランドクルーザープラド」や絶版となった三菱「パジェロ」と大きな差はなく、十分にヒットする土壌はあるといえるでしょう。
都会的でCR-Vの延長上にあるパイロットのスタイリングに対し、パスポートは大型グリルが備わり無骨な雰囲気なのも日本ではウケそうです。
米国での価格は3万7870ドルから(約435万円)です。
●トヨタ「4ランナー」
北米トヨタのSUVラインナップには、日本にはない「ハイランダー」、「4ランナー」、「セコイア」というモデルが存在します。「ヴェンザ」という耳慣れないクルマも販売されていますが、これは「ハリアー」の北米での名前です。
なかでも4ランナーは、かつて日本で「ハイラックスサーフ」として販売されていたモデルが、2009年に4代目の生産終了をもって日本では販売終了しましたが、北米ではモデルチェンジを受け5代目が登場。
発売から12年が過ぎましたが、改良を受けながら今もその5代目が現役で販売されています。
スタイリングは歴代モデルの流れを汲むルーフがやや低いスポーティなフォルム。エンジンは270PSの4リッターV型6気筒を搭載し、トランスミッションはマニュアルでのシフトが可能なモードを備える5速ATを採用します。
2WDとパートタイム式4WDが選択可能で、価格は3万7305ドルから(約429万円)です。
日本で販売されるトヨタの大型SUVは「ランドクルーザー(300)」やランドクルーザープラドがありますが、それらとはまた違った選択肢として、導入されればきっと人気が出ることでしょう。
■日本でも販売されているけど米国にしかないグレードが存在!?
●日産「パスファインダー」
日産のSUVで米国と日本の両方で販売されているのは、「アリア」と「キックス」のみ。「ローグスポーツ」、「ローグ」、「ムラーノ」、「パスファインダー」、「アルマダ」の5車種は米国のみの展開です。
といっても、ムラーノは先代まで日本でも販売されていましたし、ローグスポーツは「デユアリス」の名で販売されていたクルマの後継車。ローグは「エクストレイル」の海外名で、現行ローグは日本での発売が期待される次期エクストレイルの姉妹車です。
そして「アルマダ」は「パトロール(日本名:サファリ)」の北米版で、パスファインダーは「テラノ」の流れを汲むモデルと、5車種すべてかつて日本で販売されていたモデルと所縁があるのです。
テラノといえば、直接のライバルはトヨタ「ハイラックスサーフ」でした。前出のように、現在は4ランナーとして後継モデルが北米で販売されていますが、そのキャラクターは伝統に則ったもの。
一方でテラノがルーツのパスファインダーは、近未来的なルックスで2021年に5代目が登場しました。
パワートレーンは3.5リッター直噴V型6気筒エンジンに9速ATが組み合わされ、4WDモデルにはドライブ&テレインモードセレクターを備える新型「インテリジェント4WD」が採用されます。
また、ステアリング制御を含むクルーズコントロールといった運転支援技術「プロパイロット アシスト」が用意されるなど、見た目に違わぬ先進的なクルマに仕立てられています。
3万3680ドルから(約387万円)と競争力の高いプライスもパスファインダーの魅力のひとつ。ボディサイズはランドクルーザーとほとんど変わらないので、お得感たっぷりです。
●スバル「アセント」
米国での販売台数が世界全体のおよそ6割を占めるというスバル。それだけに米国を重視した商品開発をおこなっていそうなものですが、そもそもそれほど多くの車種をラインナップするメーカーではないため、日本になくて米国で販売されているのはセダンの「レガシィ」とSUVの「アセント」くらいです。
アセントは「トライベッカ」の後継として、2018年に発売された全長5m級の大型SUVです。
ファミリーユーザーをターゲットに3列シートを備え、7名乗り仕様と8名乗り仕様を設定。7名乗り仕様では、2列目シートにキャプテンシートを採用しています。
ランドクルーザー並みのサイズながらエンジンは4気筒の2.4リッターと小さめ。しかし、スバルらしくターボを装着することで260PSと十分なパワーを確保しています。
スバルらしいといえば、水平対向エンジンを核としたパワートレーンを左右対称にレイアウトする4WDシステム「シンメトリカルAWD」と両統合制御技術「X-MODE」を搭載すること。もちろんスバル得意の安全運転支援機能「アイサイト」も標準です。
3万2295ドルから(約371万円)というお買い得感のある価格にもかかわらず、アセントは全モデルAWDになります。
コストパフォーマンスに優れていることから、もし日本で発売されたら「フォレスター」や「レガシィアウトバック」のオーナーの次期愛車候補になるのではないでしょうか。
●スバル「アウトバック ウィルダネス」
スバルには、米国でも日本でも販売されている車種だけど、米国専用のグレードをラインナップするモデルがあります。それはクロスオーバーSUVの「アウトバック」です。
アウトバックに追加設定された「ウィルダネス」は、走破性や機能性を強化したグレードです。
専用サスペンションや17インチオールテレーンタイヤを採用し、内外装には高い機能性を感じさせるパーツを装着。9.5インチ(241mm)の最低地上高を確保したというのですから、否が応でもSUV感が高まります。
パワーユニットは2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボで最高出力260PS。トランスミッションにはリニアトロニックCVTが採用されています。
価格は3万6995ドルから(約425万円)とアウトバックシリーズのちょうどど真ん中。アウトドアブームが続く日本でも人気になりそうな一台です。
なお、2021年9月にはフォレスターにもウィルダネスが設定されました。
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みんなのコメント
だからといって日本で売ったとしても中々浸透しないのが現実。