ベテランモータースポーツジャーナリスト、ピーター・ナイガード氏が、F1で起こるさまざまな出来事、サーキットで目にしたエピソード等について、幅広い知見を反映させて記す連載コラム。今回は、アルピーヌから2024年末で離脱することが決定したエステバン・オコンと、彼にハースのシートを譲り渡すことになるかもしれないケビン・マグヌッセンの、チームプレイヤーの面での違いに焦点を当てた。
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ケビン・マグヌッセンが今シーズン終了後、ハースF1チームのシートを失う可能性が高まっている。マグヌッセンは2017年にハースに加入し、2021年を除き、今年にいたるまで7シーズンにわたり、このチームで走ってきた。彼は常に真のチームプレイヤーであり、個人的な野心よりもチームの利益を優先するドライバーだ。
今年のジェッダとマイアミでは、チームメイトをサポートするためにとった行為により、マグヌッセンはペナルティを科された。第9戦終了時点での獲得ポイントは、マグヌッセンの1ポイントに対して、ニコ・ヒュルケンベルグは6ポイントと大差がついている。だがヒュルケンベルグのポイントの半分は、マグヌッセンのサポートのもとで達成できたものだ。マグヌッセンの助けがなければ、ヒュルケンベルグは、ジェッダの1ポイントとマイアミ・スプリントの2ポイントはつかめなかったかもしれない。
マグヌッセンの後任候補として最有力と考えられているのは、エステバン・オコンだ。オコンのF1キャリアは波乱に満ちている。メルセデスのジュニアドライバーとなり、2016年にマノーからF1にデビュー、好パフォーマンスを見せたため、翌年、メルセデスのカスタマーチームであるフォース・インディアでシートを得た。オコンはこのチームに2年間在籍し、良い結果を出したものの、ローレンス・ストロールが息子ランスのためにチームを買収した影響で、シートを失い、2019年にはメルセデスのリザーブドライバーの役割に甘んじなければならなかった。
しかしこの時点ですでにオコンには「扱いにくい」という評判が立っていた。2017年から2018年にかけてセルジオ・ペレスのチームメイトだった間に、ふたりは何度かコース上で接触を起こした。オコンはバクーでペレスをウォールに押し付け、ハンガロリンクでは接触、スパ・フランコルシャンでもチームメイトバトルが手に負えないレベルまで過熱した。
コロナ禍の2020年にはオコンはルノーで走った。この時のチームメイト、ダニエル・リカルドは、大抵の場合、オコンよりずっと前にいたため、チームメイト同士の事故は起こらなかった。
翌年、リカルドの代わりにフェルナンド・アロンソがやってきた。アロンソはハンガリーでオコンが勝利をつかむために大きな貢献をしたが、逆のパターンはなかった。ふたりは何度か激しいバトルを繰り広げ、揉め事に発展することもあった。アロンソは2023年にアストンマーティンに電撃移籍したが、その理由のひとつは、オコンの攻撃的な態度に嫌気がさしていたことだともいわれている。
そして昨年、ピエール・ガスリーがアルピーヌに加入し、より深刻な問題が発生するようになった。ガスリーとオコンがカート時代からすでに敵対関係にあったことは有名だ。そして、この1年半の間に、ふたりは何度か接触事故を起こした。
最新のインシデントはモナコGPで起きた。最初のラップでオコンが前を行くガスリーに対して無謀な追い越しをかけたことで接触。チーム代表ブルーノ・ファミンは激怒し、次のカナダGPではオコンを出場させない罰を下すことすら考えたとうわさされた。今思えば、そうしていてもよかったかもしれない。カナダGP決勝終盤、オコンはガスリーを前に出すようにというチームの指示になかなか従わず、ガスリーは前を追うチャンスを失ったのだ。
モンテカルロでの行動はオコンのF1での将来を台無しにする大きな出来事だと考える者は多い。チームメイトを敵とみなして混乱を引き起こすドライバーに、トップチームは関心を持たないからだ。
そんななかで、ハースはオコンの獲得を前向きに考えているようだ。マグヌッセンという、現在のF1界で最も忠誠心のあついドライバーを降ろして、来年、チームプレイヤーという面では最悪のドライバーを雇うことになるかもしれないわけだ。
フェラーリの育成ドライバー、オリバー・ベアマンが来年ハースのレギュラーシートをつかむことは確実といわれている。ルーキー、ベアマンとオコンのペアは果たしてうまくいくだろうか。ベアマンはF1におけるポジションを確立するために、オコンに勝とうとするだろう。そして、歴史が示すように、オコンはチームメイトに対して決して友好的ではない。今季チームワークでポイントを重ねているハースだが、2025年にはチームメイト間のトラブルが多発するようになるかもしれない。
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