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ヤマハ「EC-05」【世界の電動2輪車図鑑 Vol.11】

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ヤマハ「EC-05」【世界の電動2輪車図鑑 Vol.11】

純粋なモーターサイクルのEV(電動車)のみ・・・ではなく、ハイブリッド車そのほか様々な古今東西の「ローエミッション」な2輪車を紹介する連載企画。今回はアメリカの副大統領だったアル・ゴアがバックアップする台湾企業、Gogoro Inc.とのコラボで生まれた「EC-05」をご紹介します。ところで・・・なんで、EC-02、EC-03ときて、04を飛ばしてEC-05なのでしょう?
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2021年5月24日に公開されたものを転載しています。

Gogoro Inc.のバッテリー交換プラットフォームを採用!
2019年8月1日に、スクーター大国の台湾で発売されたヤマハEC-05は、ヤマハと台湾のスタートアップであるGogoro Inc.との協業により開発された電動スクーターです。

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Gogoro Inc.は元合衆国副大統領のA.ゴアも支援するという今伸び盛りのスタートアップであり、今年の4月にはインドの大手2輪メーカーであるヒーロー・モトコープと、インドにおける「バッテリー交換ネットワーク」を構築する合弁会社の設立を含む、スケールの大きな提携を結ぶという報道が、世界のビジネスマンたちを驚かせたのも記憶に新しいです。

台湾で「2輪のテスラ」とも呼ばれるGogoro Inc.の成功を支えているのは、Gogoroエナジーネットワーク社が台湾に約1,200カ所以上に設置したバッテリー交換ステーション「GoStation」のサービス網です。

EC-05はこの街中に点在する「GoStation」を活用し、電気が切れたら「GoStation」で簡単・迅速にバッテリーを交換することで、現状の2輪EVの最大の悩み事である航続距離の短さ問題を解消しています。なおヤマハのEC-05の生産も、Gogoroが担当しています。



なんで「EC-04」はナイの?
「EC-05」はヤマハにとって、2002年の「Passol」、2005年の「EC-02」、2010年の「EC-03」、そして2014年の「E-Vino」に続く、ヤマハ製市販2輪EVの5車種目・・・です。なぜ「EC-04」はないの? という素朴なギモンが生じますが(E-Vinoは4番目ではありますが)、これは推察するに1960年代当時からのヤマハのネーミングの伝統の踏襲かもしれません。

1970年代にヤマハは車名を「排気量表示」に改めていますが、1955年の創業から1960年代をとおしてアルファベットの「排気量区分」と登場順の「数字」の組み合わせを車名に用いていました。例えば・・・ヤマハ初号機のYA-1(1955年)は「A」が125ccを示し、「1」が最初のモデルであることを示しています。またヤマハ初のスーパースポーツ、YDS-1(1959年)は「D」が250ccを示し、「1」はYA-1同様にシリーズ最初の作であることを示しています(なお「S」はスポーツの意です)。

YA-1とYDS-1の2機種にはそれぞれ、YA-2、YA-3、そしてYDS-2、YDS-3という後継モデルが登場していくことになりますが、ともにYA-5、YA-6、そしてDS5-E、DS6とネーミングに「4」を使用せず、数字を飛ばしていくことになりました。これは「4」が「死」と読めるので好ましくない・・・という判断によるものでした。

1970年代からは車名に排気量を使うのが定例になったのは先述のとおりですが、そもそも排気量の表示をしようがないEVのネーミングに、改めて登場順に数字を割り振る「昔の流儀」を使うのはある意味合理的と言えるのかもしれません。でもやっぱり当時と同じ理由から、あえて「4」は使わなかったのだろう、と推察するのですが真相は・・・?

サイバーパンクなプロモ動画が面白いです!
脱線失礼・・・。4ストローク125ccクラスのスクーターと、同等のパフォーマンスを発揮するのがEC-05の特徴ですが、その最新モデルの公式プロモ動画がサイバーパンク的でなかなか面白いです。ぜひご覧ください。

国内4メーカーや、日欧4メーカーの交換式バッテリーのコンソーシアムが発足したり、BMWが全固体電池開発の投資を進める独自EV戦略を見せたりと、昨今は2輪EVの「将来のバッテリー」をめぐる動きが活性化しています。交換式バッテリーの分野で台湾における成功をおさめ、ヒーロー・モトコープとの提携で世界進出を狙うGogoro Inc.ですが、この覇権争いが将来的に世界のユーザーのプラスになることを願いたいですね。



ヤマハ EC-05 ABS 主要諸元
動力形式 G2アルミニウム合金 水冷 永久磁石同期モーター(Sバージョン)/ MOSFET水冷モーターコントローラー 最高出力10hp @ 3,000 rpm 最大トルク26Nm @ 0-2,500 rpm
フレーム 高張力鋼管 サスペンション 前テレスコピック 後スイングアーム
ブレーキ 前 ディスクブレーキ/Φ245/対向4ピストンキャリパー後 ディスクブレーキ/Φ190/一方向シングルピストンキャリパー 全長×全幅×全高1,880×670×1,180mm ホイールベース 1,300mm シート高 768mm 重量129kg(バッテリー2個を含む)タイヤ 前 100 / 80-14 48L 後 110 / 70-13 55L

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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