BEVスポーツカーとラグジャリー
今回で5回目となる「Design No.5 – Creating Iconic Luxury」と題した、メルセデス・ベンツのデザインワークショップが開催された。今回は“走る実験室”と呼ばれたコンセプトカーのC111をモチーフとしたBEVスポーツカーのほか、ラグジャリーを追求した新たな提案が印象的だった。
【最新モデル10番勝負!:JUDGE 01】オープンエアを手に入れた新作トライデントの第一印象とは!?【MC20チェロ×SL63】
【画像11枚】ヴィジョン111のディテールのほかメルセデス・デザインの神髄を見る!
正真正銘の高級ブランド
メルセデス・ベンツは定期的にデザインのワークショップを開催している。自動車開発におけるデザインとは秘密の塊のようなもので、メーカーは積極的に情報開示したがらないのだけれど、メルセデスは「真似できるならどーぞご自由に」と言わんばかりに、将来に繋がるヒントを自信満々に披露する。
毎回テーマが決まっていて、今回は簡単に言うと「ラグジャリーにおける象徴の重要性」みたいなことだった。クルマに限らずラグジャリーブランドはいくつかの象徴的存在を有している。例えば“バーキン”のように名前だけですぐにエルメスと認識できる商品や、モノグラム柄を見ればルイ・ヴィトンと分かるテキスチャーなど、いわゆる高級ブランドは独自のアイコンを確立していて、メルセデスも300SLやガルウイングやSクラス、スリーポインテッドスターなどを有しているので、正真正銘の高級ブランドであるというロジックである。
300SLと並んでメルセデスの象徴とも言うべきモデルがC111だ。1969年に第1号車が登場したC111は、メルセデスが開発した実験的プロトタイプスポーツカーで、空力や接地性の向上だけでなく、ロータリー/ディーゼル/V8といったさまざまなパワートレインの可能性も検討されていた。このクルマのデザインを手掛けたのがブルーノ・サッコで、彼は後にチーフデザイナーに就任、190EやW124など数々の名車を世に送り出した。
そんなC111をモチーフに開発されたのがヴィジョン111である。C111と同じオレンジ色を身にまとい、ミッドシップのスタイリングを有しているが、キャビン後方にエンジンは見当たらない。フロアにバッテリーを敷き詰めたBEVである。真横から見ると、EQSやEQEでも採用されている“ワンボウ”の弓のようなデザインコンセプトが踏襲されていて、スポーツカーへの転用も示唆している。
ヴィジョン111のもうひとつの注目すべきポイントはパワートレインだ。リアにふたつのモーターを置き、後輪左右をそれぞれ駆動するのだけれど、このモーターがYASA製なのである。YASAとは英国のモーターメーカーで、メルセデスが2021年に買収している。
YASA製モーターは、同出力の既存のモーターと比べると、サイズも重量も約3分の1というコンパクトさが特徴。ヴィジョン111の量産化は非現実的だが、YASA製モーターの実用化は近いと思われる。1年以内には姿を現すであろうEQGは、4つのモーターで四輪を駆動することがすでに発表されているから、これがYASAのデビューとなるかもしれない。
この他にも、マイバッハに“ナイト・シリーズ”と呼ばれる仕様が登場した。その名の通り、ホイールまで黒で統一した“ちょいワル”な雰囲気満載の仕立てである。また、すでにGクラスなどで展開されている“マニファクチュア仕様”が“マニファクチュア・プログラム”としてスタートする。これはいわゆるカスタムオーダーメイドで、内装の色やステッチの種類など、細部に渡ってオーナーの希望に応えてくれるという。
メルセデスは近々、A/Bクラスを終了すると噂されている。今回のワークショップからも、彼らがあらためて、ラグジャリーブランドへ舵を切ろうとしているのかもしれないと感じた。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
1.5リッターエンジンで「300馬力」オーバー! 超パワフルな「小さな高級車」発表に驚きの声! リーズナブルな「低価格」も実現した新型イヴォークとは
200万円台! スズキ“新型ミニバン”「クルーズ」実車展示! 全長4.4m級ボディ×MT設定あり! 精悍エアロが超カッコイイ「エルティガH」インドネシアで登場
ホンダから「新型軽バン」登場で注目! 「ホテル代が浮くしサイコー!」な車中泊… 1番寝るのに適した軽キャンモデルは?
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
古い「ETC」使えなくなるってマジ!? 「勘弁して」と嘆きの声も! 使用不可な「車載器」の見分け方は?「10年以上使用」は要注意か
軽より小さいマイクロモビリティは日本で明らかに失敗! 原因は「日本には軽自動車があるから要らない」じゃなかった
対向車が「謎のパッシング」! 一体どんな意味があるの!? 運転の状況や“シチュエーション”から考えられる「さまざまな意味」とは
ハイブリッド EV PHEV 4WD…… 欧米車が越えられないと言われ続けてきた日本車の「壁」
車内の子ども置き去りは永遠になくならない!?…BYD「シール」の「幼児置き去り検知システム」を見て思うこと【Key’s note】
いつも通る「一方通行」を違う時間に走ったら「逆走」ってマジか!? 違反車が多数出てしまうのに「逆転式一方通行」はナゼ存在する?
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?