一極集中が招く交通事情の悪化
コロナ禍でちょっと歯止めがかかったかに見えた東京への一極集中が、再び始まっています。それをあらためて知ったのが、先月行われた衆議院議員選挙でした。
【第1回】森口将之の「もびり亭」にようこそ:クルマとモビリティはどこがどう違うのか
東京都の選挙区は、3年前の衆議院議員選挙のときの25から30に増えました。たった3年で5も増えたことに驚きました。ちなみに東北6県の選挙区の合計は21、中国四国地方9県の合計は27です。ひとつの都道府県で、こんなに広い地域を上回る民意の力を持ってしまっているのです。
逆に上に挙げた東北地方や中国四国地方を含めて、多くの地方では人口減少が目立っています。その結果、苦境に陥っているのが公共交通で、ローカル線は赤字に悩み、バスは減便や路線廃止が相次ぎ、廃業となった事業者もあります。
ふだんクルマで移動している人には、一極集中はピンとこない話かもしれません。クルマがあれば、公共交通を使う必要はないので、廃止や減便はわからないからです。駅前商店街が衰退しても、広い駐車場がある郊外のショッピングセンターに行けばいいという考えの人が多いでしょう。
ただ最近ドライブをしていると、一極集中はドライバーにとっても悪い影響を及ぼしているのではないかと思いつつあります。
東京近郊の高速道路を走っていると、平日でも渋滞に遭遇することが多くなりました。それとともに、トラックの比率が増えたと感じています。
東京の人口が増えれば、それだけ東京に運ぶ荷物は増えます。地方にとっても、東京に出て行く農産物や海産物が多くなれば、トラックの通行量は増えるでしょう。
環境対策の面からも、運転手不足の観点からも、地産地消を進めることは大事ですが、実際は逆の流れになっているような気がしています。
人口集中が自家用車普及率を下げる
羽田空港の駐車場が慢性的に混雑しているという話題も耳にします。個人的には、羽田空港へは公共交通を使って行くのが当然と思っていますが、人口が増えればその分、マイカーで空港に向かう人も増えるでしょう。
その結果、小さな子どもや車いすを使う人を連れた家族など、真にクルマでの移動が必要な人たちが、犠牲になっているのではないかと懸念しています。
もうひとつ大事なことがあります。日本での乗用車の販売台数が減っていくことです。都道府県別の自家用乗用車の普及率を見ると、ひとり当たりの台数がもっとも多いのは群馬県で約0.7台なのに対し、最下位は東京都で約0.2台です。
東京は公共交通が発達しており、自転車シェアやカーシェアも普及しているので、マイカーがなくても生活できます。仮に所有しても、自宅や出先の駐車場代が高くついてしまいます。しかも交通量が多く、走りを楽しめるようなシーンはなかなかありません。
なので普及率が低いのは当然と言えます。そんな東京への一極集中が進めば進むほど、乗用車の販売台数が減ることは理解できるでしょう。
国内での販売台数が減れば、当然ながらメーカーは日本向けの車種を絞るか、海外メインで開発された車種を日本で売ることが多くなるはずです。輸入車についても、車種が絞られていくでしょう。選ぶ楽しみが薄れていく可能性があります。
ドライバー目線で移住を考える
仕事で日本各地の道路を走り回ってきた経験からも、東京はクルマを持ち、走らせて楽しむのに向いていない土地だと断言できます。
一方、仕事で行くことが多い長野県は、東京ほどの酷暑にはならないし、至るところにワインディングロードがあって、クルマ天国と言いたくなります。だからでしょう、現地を走っていると平日でもヒストリックカーとすれ違うことがあります。
おそらくクルマも、爽快な空気を吸いながらの走りは心地よいと思っているのではないでしょうか。
フェラーリやランボルギーニのようなスーパーカーも、本来であればそういうステージのほうが楽しめるはずです。にもかかわらず、現実は東京でもっとも多く見かけます。こうした車種には人に見せるという価値もあるからでしょう。
たしかに地方は走る場所はたくさんありますが、見てくれる人が少ないので、宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。
ちょっと脱線してしまいましたが、一極集中が公共交通だけでなく、クルマにとってもネガであることを理解してもらえたでしょうか。今の状況がエスカレートしてしまうと、お米を作ったり、お魚を獲ったりする人も足らなくなってしまうわけで、やっぱり何事にもバランスが大事だと感じています。
クルマを楽しめるのは間違いなく地方のほうが上です。クルマ好きには地方が向いていると言い換えてもいいでしょう。実際に自分のまわりでも、そういうライフスタイルを選んだ人は複数います。
二拠点生活ができる人、東京にはたまに行けばいいという人は、地方に住んで、その土地ならでの景色や食材を楽しみながら、カーライフを満喫してみてはいかがでしょうか。そのほうが愛車も幸せに感じるはずです。
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