現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 待望の新型登場 ホンダCR-V e:PHEVへ英国試乗 エンジンやダッシュボードはシビック譲り

ここから本文です

待望の新型登場 ホンダCR-V e:PHEVへ英国試乗 エンジンやダッシュボードはシビック譲り

掲載 8
待望の新型登場 ホンダCR-V e:PHEVへ英国試乗 エンジンやダッシュボードはシビック譲り

e:HEVのシステムはシビックとほぼ同じ

近年のホンダには、モデルチェンジ・ラッシュが訪れている。ジャズ(フィット)にHR-V(ヴェゼル)、シビックが新世代へ生まれ変わった。日本ではステップワゴンも。更にまったく新しいZR-Vと、バッテリーEVのe:Ny1もリリースされた。

【画像】期待の新型登場 ホンダCR-V e:PHEV 競合クラスのSUVと写真で比較 全126枚

だがもう1台、重要なモデルが控えていた。中型SUV、CR-Vが6代目へ交代を果たした。初代の登場は1995年。トヨタRAV4と並ぶ、都会派オフローダーの先駆けといえるモデルは、間もなく誕生から30年を迎える。

新鮮なスタイリングをまとう新型CR-Vながら、パワートレインの内容には見覚えがあるという読者もいらっしゃるだろう。お手頃な方には、シビックやZR-Vが搭載するものとほぼ同じ、e:HEVと呼ばれるハイブリッドシステムを採用している。

欧州仕様の場合、2.0L直列4気筒ガソリンエンジンをフロントに搭載し、市街地などでは発電機として働く。そこで作られた電気を利用し、駆動用モーターがフロントタイヤを回転させる。だが、高負荷時にはクラッチがつながりエンジンの力も利用して走る。

ただし、CR-V独自の制御も加わっている。エンジン側に2速ATが組み合わされ、シビックのように高速域だけでなく、低速域でもエンジンが直接駆動力をタイヤへ伝えるようになっている。これは、トレーラーを牽引する場面などで有効といえる。

プロペラシャフトで結ばれた、四輪駆動も選べる。2023年10月には、プラグイン・ハイブリッド仕様も英国へ導入予定。今回試乗させていただいたのは、その後者のe:PHEVだった。

バッテリーだけで最長80km走れるe:PHEV

CR-V e:PHEVが搭載する駆動用バッテリーの容量は、17.7kWh。蓄電された電気だけで、最長80kmを走れると主張される。英国で一般的な、会社からの貸与車両として乗る場合は、現物給付税が有利になる。

駆動用バッテリーはフロア下に搭載され、荷室容量は従来的なe:HEVから72Lも広がり、635Lが確保される。冷却システムの違いにより、荷室のフロア下から移設されたという。

駆動用モーターはe:HEVと変わらず、最高出力は183ps。鋭い加速を得られるわけではないが、駆動用バッテリーが大容量なため、高い出力を長時間発揮できることが特徴だ。CR-V e:PHEVの最大牽引重量は、1500kgまでとなる。

ドライブモードには、牽引モードも実装。ナビデータを利用し、駆動用バッテリーの電力量を制御したり、内燃エンジンで効果的に充電することが可能だという。

インテリアを観察すると、新しいシビックとの血縁関係の濃さがわかる。ベーシックながら快適に使えるインフォテインメント・システムや、ダッシュボードのデザインは殆ど同じといっていいだろう。

製造品質が高く、レイアウトは扱いやすく、共用していたとしても印象を落とすものではない。それでも、キアやヒョンデの同クラスのモデルと並べたら、特別な空間だとは感じにくいかもしれない。素材の質感で、劣るわけではないけれど。

リアシートは、リクライニングだけでなくスライドも可能。リアシートを折りたためば荷室を拡大できるが、フロアには段差が残る。7シーターは設定にない。

スムーズで快適な印象 長距離も安楽

ホンダは、6代目CR-Vの発表資料に「刺激的」や「スポーツカー」といった表現を用いている。実際のところ、筆者の印象としては「スムーズ」や「快適」といった表現が妥当なように感じた。

CR-V e:PHEVには、状況に応じて減衰力が変化するアダプティブダンパーが標準装備。荒れたアスファルトでは若干硬さが目立ったものの、全般的に乗り心地は滑らか。不自然な揺れは抑えられている。

適度な重み付けのステアリングホイールを切ると、正確にフロントノーズが反応し、手のひらには僅かながらフィードバックが伝わってくる。アンダーステアへ転じにくく、パートナーが不快に感じる速度で飛ばさない限り、グリップ力にも不足はない。

ブレーキペダルの感触も好ましく、効きは漸進的。制御が複雑なプラグイン・ハイブリッドでは、珍しいといえる。

パワートレインも好印象。車重1916kgを183psで引き受けるため、速いとまではいえないものの、大きな不満を感じる場面は限られるだろう。駆動用モーターのトルクで発進は滑らかで、内燃エンジンのノイズは余程の高負荷時以外は聞こえてこない。

比較的速度域が高くても、駆動用モーターのみでCR-Vの大柄なボディをまかなえる点も、美点の1つ。安楽に長距離を運転できそうだ。

ファミリーSUVの必要条件は充分以上に満たす

燃費もうれしい。今回は駆動用バッテリーの電気を使い切ることはできなかったが、充電量を温存するセーブ・モード時で17.3km/Lだった。満充電時には、103kmもエンジンを始動せずに走行可能だと表示されていた。

これらは、トヨタRAV4 プラグイン・ハイブリッドと同等。最高出力は306psと、遥かに強力だが。

英国市場での6代目CR-Vの価格は、e:HEVで4万5895ポンド(約830万円)から。e:PHEVはトップグレードのみとなり、5万3995ポンド(約977万円)となる。ライバルに対し、競争力のある設定といっていい。

7シーターも選択可能なら、更に魅力度は高まるはず。ホンダらしい、キラリと光るドライビング体験が備われば、なお一層。

それでも快適で経済的で、実用性は高く、安楽に長距離を運転できる。駆動用バッテリーの容量は大きく、ファミリーSUVとしての必要条件は充分以上に満たした仕上がりだ。

ちなみに、CR-Vは2代目から4代目まで、グレートブリテン島南部、スウィンドンの工場で生産されてきた。新世代の英国仕様は、バッテリーのサプライヤーの都合で、中国の工場から運ばれてくるという。

ホンダCR-V e:PHEV アドバンス・テック(英国仕様)のスペック

英国価格:5万3995ポンド(約977万円)
全長:4694mm
全幅:1866mm
全高:1682mm
最高速度:194km/h
0-100km/h加速:9.4秒
燃費:125.0km/L
CO2排出量:18g/km
車両重量:1916kg
パワートレイン:直列4気筒1993cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps(電気モーター)
最大トルク:34.5kg-m(電気モーター)
ギアボックス:2速オートマティック(内燃エンジン)+シングルスピード・リダクション(電気モーター)(前輪駆動)

こんな記事も読まれています

「めちゃくちゃ変わった」 宝塚IC接続の「尼宝線」大改造が完了 IC渋滞ゼロ「効果絶大」の声
「めちゃくちゃ変わった」 宝塚IC接続の「尼宝線」大改造が完了 IC渋滞ゼロ「効果絶大」の声
乗りものニュース
なぜ「ETCレーン」でバーがあがらない? “突破”しても良い!? 「正しい対処法」とは
なぜ「ETCレーン」でバーがあがらない? “突破”しても良い!? 「正しい対処法」とは
くるまのニュース
高速道路を乗り降り自由!? 料金も半額以下に!? ETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」って何? 使い方と注意点とは
高速道路を乗り降り自由!? 料金も半額以下に!? ETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」って何? 使い方と注意点とは
VAGUE
50ccエンジンバイクの新車が国内から消える!! 二重規制で2025年6月に前倒しか?
50ccエンジンバイクの新車が国内から消える!! 二重規制で2025年6月に前倒しか?
バイクのニュース
ルクレール、スペインGPでレッドブルの復調を予想。これからは四つ巴の優勝争いが見られる?
ルクレール、スペインGPでレッドブルの復調を予想。これからは四つ巴の優勝争いが見られる?
motorsport.com 日本版
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第10回】フェラーリへの愛
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第10回】フェラーリへの愛
AUTOCAR JAPAN
脱「コの字」型ヘッドライト採用! [新型フォレスター]は新世代スバルSUVの旗手となるのか?
脱「コの字」型ヘッドライト採用! [新型フォレスター]は新世代スバルSUVの旗手となるのか?
ベストカーWeb
FIAがスーパーライセンス規則を変更、17歳でF1参戦が可能に。注目されるアントネッリのF1プランへの影響
FIAがスーパーライセンス規則を変更、17歳でF1参戦が可能に。注目されるアントネッリのF1プランへの影響
AUTOSPORT web
フェラーリの「ル・マン24時間」総合優勝はなんと10回! 跳ね馬の58年前の栄光の戦績を振り返りながら、2年連続優勝を祈りましょう
フェラーリの「ル・マン24時間」総合優勝はなんと10回! 跳ね馬の58年前の栄光の戦績を振り返りながら、2年連続優勝を祈りましょう
Auto Messe Web
「B+COM TALKワイヤーマイクペアユニット」はこれからインカムを始めるふたりにピッタリ!セットでお得に高性能をゲット!  
「B+COM TALKワイヤーマイクペアユニット」はこれからインカムを始めるふたりにピッタリ!セットでお得に高性能をゲット!  
モーサイ
【写真蔵】一部改良されたジープ ラングラーには、エントリーグレードの「スポーツ」も登場
【写真蔵】一部改良されたジープ ラングラーには、エントリーグレードの「スポーツ」も登場
Webモーターマガジン
【20世紀名車ギャラリー】ゆったりとしたツーリングが似合う英国オープン、1955年式トライアンフTR2の肖像
【20世紀名車ギャラリー】ゆったりとしたツーリングが似合う英国オープン、1955年式トライアンフTR2の肖像
カー・アンド・ドライバー
洗車のオプション「下回り洗浄」は選択するべきですか? クルマの「底面」は見えないのに、なぜ洗浄する必要があるのでしょうか?
洗車のオプション「下回り洗浄」は選択するべきですか? クルマの「底面」は見えないのに、なぜ洗浄する必要があるのでしょうか?
くるまのニュース
【リコール】レクサス、トヨタ スバル25車種23万台超リコール
【リコール】レクサス、トヨタ スバル25車種23万台超リコール
Auto Prove
光明は高速グラベルラリーにあり。不運が続くトヨタのエバンス「早い段階で自信を取り戻すことが重要」
光明は高速グラベルラリーにあり。不運が続くトヨタのエバンス「早い段階で自信を取り戻すことが重要」
AUTOSPORT web
トヨタ8号車が総合トップ! 雨が強まりSCでレース折り返し|ル・マン24時間:12時間経過
トヨタ8号車が総合トップ! 雨が強まりSCでレース折り返し|ル・マン24時間:12時間経過
motorsport.com 日本版
【クルマら部】クルマ愛クイズ!三菱が誇るスペシャリティクーペ『FTO』から全4問!
【クルマら部】クルマ愛クイズ!三菱が誇るスペシャリティクーペ『FTO』から全4問!
レスポンス
木村武史、レクサスで挑む6回目のル・マン24時間に自信あり「ひさびさに手ごたえがありますよ」
木村武史、レクサスで挑む6回目のル・マン24時間に自信あり「ひさびさに手ごたえがありますよ」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

336.2418.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.8440.0万円

中古車を検索
CR-Vの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

336.2418.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.8440.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村