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ランボルギーニ・カウンタックでキャノンボールを再現 英国のA66号線を西へ 前編

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ランボルギーニ・カウンタックでキャノンボールを再現 英国のA66号線を西へ 前編

スーパーカーを定義したカウンタック

過去の伝説を蘇らせることは難しい。うっかり間違えると、オリジナルの輝きさえも霞ませてしまう。

【画像】復活のランボルギーニ・カウンタック ベースのアヴェンタドールとシアン 初代も 全113枚

2021年に復活を遂げたランボルギーニの伝説、カウンタックでも同じ。小さい子供から大人まで、思わず振り返って声を漏らしてしまうような、スーパーカーであるべきだ。

1974年に華々しくデビューしたオリジナルのカウンタックは、20世紀後半を代表するモデルの1台といえる。ランボルギーニとして2番目のミドシップであり、スーパーカーというクルマを定義した存在でもあった。

1970年代から1990年代にスーパーカーを説明するなら、尖ったフォルムを真っ先に挙げただろう。ルーフは低く、攻撃的な雰囲気も必要だ。エンジンは8気筒か12気筒で、ミドシップであるべき。それは、まさにカウンタックだった。

象徴的なモデルとして、2021年にはアメリカの国立ヒストリック・ビークル・レジスターという団体に1台が所蔵されている。アメリカを代表する、いわばクルマの殿堂。リストに名が刻まれたのは、まだ30台ほどしかない。

実際に保管されることになったカウンタックは、シャシー番号1121112の、1979年式LP400 S。前後にウイングの付いた黒いカウンタックで、ハリウッド映画、キャノンボールに出演したクルマだ。

日本の読者にも、ジャッキー・チェンの映画としてご記憶の方がいらっしゃると思う。架空のストーリーではあったが、1970年代に密かに実行された、東海岸から西海岸を目指す違法の公道レースから影響を受けたものだったらしい。

6.5L V型12気筒エンジンで112台の限定

映画評論家は、キャノンボールを低レベルの作品だとこき下ろした。芸術性の低いお粗末な映画だと。だが、観衆の反応は違った。大きな興行収入を稼ぎ出し、続編も制作されている。

最近は、古い名作のリメイクが流行らしい。そこで筆者は、カウンタックの復活を祝うべく、グレートブリテン島の東海岸から西海岸を目指すことにした。英国にはルート66はないが、A66号線がある。

2021年版のカウンタックは、最高速度355km/hを誇る、ミドシップのスーパーカー。6.5LのV型12気筒エンジンを搭載し、生産数は112台の限定となっている。

スタイリングに対する印象はいかがだろう。英国のデザイン博物館の創設に関わった、スティーブン・ベイリー氏は、「カウンタックのフォルムを更に良くすることは難しい。でもコンセプトを維持しながら、ディティールを展開させることはできたでしょう」

「50年という歴史を持ち、その時代の象徴でもあります。独特なスタイリングと並外れた動力性能で、自動車のエリートとしての地位を勝ち取っていますね」。と、オリジナルのカウンタックに対して言葉にする。

初代のデザイナーにも触れる。「マルチェロ・ガンディーニは、新しいカウンタックには関わっていないと表現するでしょう。1971年のオリジナルを手掛けた本人として」

「彼が抱いていたスピリットやビジョンといったものが、新型には反映されていません。型破りなイノベーションといったものを」

ドラマチックなエンジンルームの眺め

少なくとも筆者は、新しいカウンタックに対する印象はポジティブだ。キャノンボールのように、感じ方は人それぞれだと思う。

ランボルギーニはガヤルドをベースとした、軽量な20台限定のセストエレメントで、ウラカンを予告した。マサチューセッツ工科大学と共同開発したコンデンサー、スーパーキャパシタを搭載する、テルツォ・ミッレニオというコンセプトカーも生み出した。

そのスーパーキャパシタを搭載したブランド初のハイブリッド・スーパーカーとして、シアンFKP 37をリリースしている。そして、復活したカウンタックのベースにあるのは、アヴェンタドールとシアンFKP 37だ。

780psの6.5L V型12気筒エンジンと、トランスミッションに内蔵される電圧48Vで稼働するモーター、スーパーコンデンサーが組み合されている。実のところ、なかなかのイノベーションだといっていい。

スタイリングは、フロントからリアへ弧を描く大胆なラインに、ドラマチックさや純粋さを感じずにはいられない。アヴェンタドールをベースに、初代カウンタックへ似せただけのモデルには、まったく見えない。

エンジンリッドを開くと、ゴールドのエアボックスを王冠のように載せた、素晴らしいV12ユニットが姿を表した。手前側のプレートには、点火順序が記されている。

エンジンルームの眺めで、これほどドラマチックなモデルはそう多く存在しない。後方では、横倒しのコイルオーバー・サスペンションが輝いている。デザイン評論家の意見を、筆者は気に掛けないことにした。

この続きは後編にて。

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みんなのコメント

5件
  • キャノンボールを再現するならフロントとリアにウイング必須でしょ!ドライバーはファラ・フォーセットのような美女じゃないとね
  • イギリスのキャノンボールと言えば、
    スモーキー永田の公道350kだっけ?
    逮捕されちゃったけどさ。
    最新ランボもそのぐらいで巡航できるんか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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