10月13日(日)、静岡県小山町の富士スピードウェイで、全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝レースが行われ、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が前日の第6戦からの連勝で2024年シーズン3勝目を挙げた。
今季の富士で抜群の強さを見せた坪井、惜しくも敗れ2位となった福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、3位表彰台を獲得しランキングでは2位に浮上した牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そして優勝チームから舘信秀監督が決勝後の会見に出席し週末ダブルヘッダーの2戦目を振り返った。
“富士マイスター”坪井がポール・トゥ・ウインで完勝。3度のSCも追い風に【第7戦決勝】
■舘信秀(VANTELIN TEAM TOM’S)
優勝チーム監督
「久しぶりのポールポジション。スタートも良くて、ずっと1位をキープしてるというのはレースが長く感じますね。今までは抜いていくシーンが多かったのですごく力が入っていたのですけど、今日のレースは本当にすごく長く感じました」
「完璧ですね。もう坪井くんありがとうです。本当にありがとう」
――次はいよいよ最終ラウンド
「もうなんか(ライバルチームには)申し訳ないですけど、何かこの強さがそのまま続くような気がします」
■坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
予選1番手/優勝
「予選が鬼門だと思っていたので、まず今朝ポールを獲れたことで今日のレースに向けてポジティブだったのですが、やはり決勝は皆、昨日のレースを踏まえてすごいレベルアップしていました。僕もレベルアップしていったつもりでしたが、やや足りない部分も見え、ちょっと苦しいレースだったかなという印象でした」
「かなり展開に助けられたという印象は強くあります。今日のレースは明らかに福住選手が速そうでしたしね」
「自分たちは富士のレースペースがいいと思うのですが、まだちょっと足りていない部分が見えてきたので、またこれはこれでしっかり課題と捉え、鈴鹿に向けて考えていきたいと思います」
――舘監督は長いレースだとおっしゃっていました。
「本当に疲れましたね。昨日のレースは結構は短く感じたのですが、今日はセーフティカー(SC)が3回出てその都度スローダウンして休む時間はあったのですけど、めちゃくちゃ長く感じました」
「(チャンピオンシップでは)昨日スタートラインに戻ってきて、今日はリードを拡げて最終戦に挑むことになりますが、やっぱりライバル勢は手強いですし簡単にひっくり返ってしまうポイント差だと思っています。なので気を引き締めて、また鈴鹿に向けて頑張りたいです」
■福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
予選3番手/決勝2位
「昨日の第6戦はああいった接触でちゃんとしたパフォーマンス出すことができなくて悔しいレースだったのですが、今日こうやって勝てるチャンスが巡ってきたなかで、レース後半は僕のほうも状況としてはそんなに楽な感じではありませんでした」
「ただ、坪井選手のミスが少しずつ見えてきて、『あ、チャンスかも』と思ったタイミングでセーフティカーが出てしまったので、展開的にはあまりタイミングはよくなかったですね」
「それでも、スタートとか昨日のレースで良くなかったところは少し良くなりましたし、4番手に落ちてから2番手まで戻ってこれたというところも、今日のレースとしては非常に良かった点かなと思います」
――手応えを持って最終ラウンドに臨めるでしょうか。
「富士大会に関しては今年すべて調子が良かったと思います。一方、もてぎ(第5戦)に関してはつらかったですし、鈴鹿となるとまたサーキットの特性は違うので……個人的には相性はそんなに悪くないサーキットかなと思っていますし、鈴鹿で今年やってきたことがどれだけ通用するのかというところで、非常に楽しみな部分も多いです」
「チームとしては、昨日は(小林)可夢偉さんが表彰台に乗って今日は僕が乗れてと流れとしては本当に良いと思うので、この勢いのままもっともっと強いチームにしていきたいなと思います」
■牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
予選4番手/決勝3位
「一番セーフティカーの割を喰らったと思っています。(ミニマムの)10周目に入るのは最初から決めていて、僕は例えトップであっても入るつもりでした。それはそのまま作戦どおりにやったのですが……まあSCばっかりは自分ではどうしようもないですね」
「(SCラン中に起きた佐藤蓮との接触について)個人的には僕が前に出ていたんじゃないのと思っていたのですけど、(チームからの指示で)順位を戻しました。そのあともう一回抜き返したのでとりあえず、最低限やれることはやったかなとは思います。ただ、あのままSCが入らずにレースが続いていたらまたどうだったかな、という思いはすごくあります」
――10周目までに前を捉えるイメージだった?
「そうですね、エンジニアの杉さん(杉崎公俊チーフエンジニア)と『今日はもうガンガン攻めよう』というコンセプトでやっていました。ただ攻めすぎた結果、1周目に丸々OTS(オーバーテイクシステム)を使って、そのままストレートでも使っていて、気がついたらもう残り100秒しかなくて『これはまずい!』となりました」
「攻めた結果が3位なのかどうなのかよくわかんないですけど、このレース内容の中で自分の持ってるものは出し切ったかなと思います」
――14.5ポイント差のランキング2位に浮上
「富士は正直、(坪井選手に)ふたつ取られる可能性があると思っていました」
「最終ラウンドの鈴鹿2連戦はダンデとしては得意にしているサーキットだし、まだ(逆転戴冠の)可能性は充分にあると思います。個人的にはFIA-F4で負けた(編注:2015年のチャンピオンが坪井、2位が牧野だった)のを頑張ってやり返したいんですけどね。頑張ります!」
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