積算1万3455km 高速道路での優れた燃費
これまで2400kmほど、高速道路を中心にジャガーXFへ乗ってきたが、燃費は13.5km/Lを記録している。ディーゼルターボではないにも関わらず、Eセグメントの4ドアサルーンとしては良好な数字だ。
【画像】ブリティッシュ・スポーツ ジャガーXF サルーンとステーションワゴン XEも 全66枚
だが、英国南部のサリー・ヒルズ国立公園に広がる道では、スポーツ・モードを選ばずにはいられなかった。一時的に悪化したものの、その後は12.4km/L前後まで回復している。エンジンとシャシーの備える、優れた二面性をよく表していると思う。
積算1万3920km 手の汚れが目立つタッチモニター
最新のXFのダッシュボードには、巨大なインフォテインメント用タッチモニターが据えられている。グラフィックが美しく、上級サルーンにふさわしい車内に思える。ところが、最近は表面に残る指紋と埃が気になってしまうようになった。
除菌ジェルを入れていたカップホルダーへ、一緒にモニターを拭くクロスを置くことで解決。COVID-19の時代では、常に清潔であることも重要だ。
積算1万4162km エンジンは2.0L直4ターボ
ジャガーXFの長期テストが始まる際、筆者は正真正銘のブリティッシュ・スポーツサルーンだと表現した。ブラック・アウトされたボディトリムを備える、Rダイナミック仕様の見た目はかなりスポーティだ。
だが、現在選べるエンジンは2.0L直列4気筒ターボのみ。ジャガーといえば、甘美に回る直列6気筒やV型8気筒だった時代は終わってしまった。
ジャガーのモデルラインナップに、まだV型6気筒が残っていることを知ると、XFで選べないことに疑問を抱かなくはない。不満なくパワフルな3.0Lインジニウム・ユニットを搭載するジャガーは、今ではSUVのみとなっている。
かつてのXJRのように、熱々のXFRが登場することもなかった。最もパワフルなトップグレードのXFであっても、300馬力程度に過ぎない。寂しく感じるのは、筆者だけではないだろう。
実際のところ、高速道路で能力を発揮するであろうEセグメントのサルーンに対して、カーブの続く一般道での輝きは、あまり期待してはいなかった。ラグジュアリーで燃費も悪くないが、車重が軽いとはいえない。
郊外の道を軽快に駆け巡る時、選択肢として上位に来るタイプではないと思う。アイドリング時に聞こえてくる、P250のディーゼル風エンジンノイズも、強い期待を抱かせるものではない。
見た目がカッコいいだけではない
しかし、交通量の少ない郊外の道を数kmほど走らせただけで、魅力的なドライビング体験を与えてくれることを実感した。見た目がカッコいいだけではないと、確実にいえる。
長期テストでは、基本的には殆どをエコ・モードで過ごす。ガソリン価格も安くはない。それでも、後輪駆動のXF P250はダイナミック・モードを選びたいと強く思わせる。
変速がクイックになり、アクセルペダルの反応が敏感になり、ステアリングホイールの重みが適度に増す。メーターパネルが赤く染まり、パイプで導引されるエンジン音に気持ちが高ぶる。
P250の最高出力は、フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIに匹敵する251ps。意欲的な加速と、小気味いいシフトパドルの反応を楽しめる。コーナー間の鋭い加速が、さらに気持ちを盛り上げる。
エンジンサウンドは、人為的なものではある。だが、車内でその存在を聞くことができなければ、ドライビング体験の喜びは小さくなるだろうとも思う。
コーナーリングでは、Rダイナミック仕様のサスペンションが、ボディをフラットに維持。コミュニケーションの取りやすいフロントタイヤと、驚くほど快活なリアタイヤが融合し、爽快な操縦性を味わえる。
運転する筆者は笑みを抑えきれない。ジャガーXFが、バランスに優れたサルーンであることを証明している。
マイナーチェンジを受けたXF P250 Rダイナミック SE RWDなら、BMW 320iにも不足なく太刀打ちできるだろう。価格に対する動的能力でも。
テストデータ
気に入っているトコロ
伝統的なサルーン:XFの荷室は巨大。より多くの家族が、サルーンを選んでも良いと思うほど。
気に入らないトコロ
物足りない贅沢装備:オプションはふんだんに選べる。だが、アダプティブ・クルーズコントロールとワイヤレスのアップル・カープレイは欲しいところだ。
テスト車について
モデル名:ジャガーXF P250 Rダイナミック SE RWD(英国仕様)
新車価格:3万7835ポンド(約586万円)
テスト車の価格:4万3110ポンド(約668万円)
テストの記録
燃費:12.7km/L
故障:なし
出費:なし
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