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輝きを増すマイチェン BMW 3シリーズ M340i xドライブへ試乗 3.0L直6ターボ継続 前編

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輝きを増すマイチェン BMW 3シリーズ M340i xドライブへ試乗 3.0L直6ターボ継続 前編

歴代の3シリーズで最も多売のG20型

現行のG20型は、歴代のBMW 3シリーズで最も多くの数が売れている。2019年に発売されて以降、これまで110万台がラインオフしたという。COVID-19の流行やウクライナ危機など、多くの課題が連発したここ数年の世界にあって、驚くべき結果といえる。

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もちろん、その完成度は素晴らしかった。以前に実施したAUTOCARの詳細データテストでも、満点といえる成績を残している。

というわけで、G20型の3シリーズはモデル中期のマイナーチェンジを受けたわけだが、BMWが控えめな内容に留めた理由は理解できる。成功作のバランスを、あえて崩す必要はない。

ヘッドライトはスリムな形状に一新され、キドニーグリルにはハニカム状のメッシュが与えられているものの、全体的なデザインに大きな変化はない。グリル自体が過度に大型化されることもなかった。

Mスポーツ・グレードを選択すると、フロントバンパーの両サイドに新形状のエアインテークが追加され、ワイド感を強める。往年の、鼻先が逆スラントで尖っていたスタイリングを彷彿とすると、BMWは主張している。

ちなみに今回のフェイスリフトでは、フォグライトが装備から外されている。オプションでも選べないという。

ダッシュボードで目を引く2連モニター

英国へ導入されるトリムグレードは、スポーツとMスポーツの2種類。エントリーグレードのスポーツでも、3ゾーン・エアコンにヒーター内臓のレザー・スポーツシート、ワイドな2連モニターなどが装備される。

キーレスエントリーやワイヤレス・スマートフォン充電機能、電動シートなどは英国ではオプション扱い。アダプティブダンパーは、Mスポーツのみで選択できる。パッケージオプションも多いから、コンフィギュレーターで時間を掛けて悩みたい。

今回のマイナーチェンジで1番目を引くのは、先出の2連モニターだろう。ドライバーの正面に12.3インチのメーター用が、その隣には14.9インチ・タッチタイプのインフォテイメント用が、1枚のパネルに組み込まれている。

最新のアウディA4やメルセデス・ベンツCクラスに並ぶ、ハイテクなダッシュボードを獲得したといえる。稼働するソフトウェアはiドライブ・バージョン8で、バッテリーEVのiXから実装が始まっている最新版だ。

その結果、実際に押せるハードボタンの数は大幅に少なくなった。スッキリした車内の印象は、センターコンソールの小さなスイッチ状シフトセレクターによって、さらに強調されている。

エアコンのインターフェイスも、遂にタッチモニターへ集約された。温度調整のメニューはモニター下部に常時表示され、運転中でも比較的簡単に触れることができるけれど。

インテリア全体も大幅に刷新

BMW iドライブ用の、ロータリー・コントローラーとショートカットキーが残ったのは朗報だろう。タッチモニターの反応は素早く、アイコンは大きく鮮明で、触れた位置を正確に判断してくれる。グラフィック自体も美しい。

アップル・カープレイとアンドロイド・オートには無線で対応し、ソフトウェア自体のアップデートもネットワークを介して行える。車載ナビも高機能。スマートフォンに頼ろうと考えることはなさそうだ。

最新のソフトウェアは、音声認識機能も磨かれている。エアコンの温度を変えて欲しいと3シリーズへ話しかける度に、正確に反応していた。このクラスではベストかもしれない。

インテリア自体も大幅に刷新されている。品質の高い素材がふんだんに用いられ、大きなタッチモニター・パネルも含めて、レイアウトは人間工学的にも優秀。このクラスのサルーンとして、最上位にランクインする仕上がりだと思う。

基本的な構造は変わっていないから、車内空間の広さは従来と同等。とはいえ、リアシートには大人2名が快適に過ごせるゆとりがある。荷室の容量は480Lと充分だが、開口部はやや狭い。

パワートレインなどは従来からの継続

パワートレインなどのメカニズムは、ほぼそのまま受け継がれている。英国に入ってくるディーゼルエンジンは、2.0L直列4気筒ターボの320dと、3.0L直列6気筒ターボのM340dという2種類。330dはラインナップから外れてしまった。

ガソリンエンジンは今回試乗したM340iの他に、2.0L直列4気筒ターボの320iと330iが選べる。同じ2.0Lエンジンに、駆動用モーターと12kWhのバッテリーが組み合わされるハイブリッドの330eも用意され、EVモード時の航続距離は62kmがうたわれる。

M340i xドライブには、3.0L直列6気筒ターボが搭載される。最高出力は374ps、最大トルクは50.9kg-mと、かなりたくましい。0-100km/h加速を4.4秒でこなし、340psのディーゼルターボで4.6秒のアウディS4を凌駕する。

トランスミッションは、ZF社製のトルクコンバーター式8速オートマティックが標準。マニュアルは選べない。

英国価格は未公表だが、320iで3万8000ポンド(約627万円)から。M340i xドライブでは5万4000ポンド(約891万円)以上になるだろう。3シリーズとしてはお高い金額に思えるが、M340iには本物のMモデルへ迫るような高度が装備が与えられている。

サスペンションにはアダプティブダンパーが組まれ、リアには電子制御のリミテッドスリップ・デフを採用。トランスミッションは専用ソフトウェアで制御され、ローンチコントロールも実装される。

四輪駆動のxドライブ・システムも、よりリアタイヤが主役になるよう、今回のマイナーチェンジで調整を受けた。古くからのブランドファンの期待へ応えるように。

この続きは後編にて。

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