FIAは、4月に行われたF1第5戦中国GPの週末に物議を醸した2件のインシデントを受け、F1レギュレーションの改定版を発表した。
どちらのインシデントも、フェラーリのカルロス・サインツが関与していた。土曜日のスプリントレース中、サインツはフェルナンド・アロンソに衝突され、アロンソは衝突を引き起こしたとして10秒のペナルティを受けた。アストンマーティンはその後、ペナルティを消化する前にレースからリタイアした。通常であればペナルティは次のレースに持ち越されることになるが、インシデントはグランプリではなくスプリントで起きたため、この場合は当てはまらなかった。
スチュワードはアロンソにペナルティを科すも、リタイア後の罰則に関する規則の修正を勧告/F1第5戦
週末の2回目のインシデントでは、サインツ自身が予選でスピンし、ホームストレートで一時停止してしまった。その後、彼は再び始動してセッションへの参加を続けることができた。そこでアストンマーティンは、「予選セッションまたはスプリント予選中に車両がコース上で停止したドライバーは、そのセッションにそれ以上参加することはできない」というルールを根拠に抗議を行った。抗議は却下されたが、スチュワードらは状況とルールの文言が不明確であり、統括団体が調査し次第明確にする必要があることに同意した。
FIAは両方の問題に対処するために、新たに改正版のルールを発表した。まず、スプリントレースで科された未消化のペナルティは、次のグランプリに持ち越されることになり、以下のように書かれている。
「ドライバーに上記のいずれかのペナルティが科され、そのドライバーがスプリントセッションまたはレースでリタイアしたために、スプリントセッションまたはレースにおいてペナルティを履行できない場合、スチュワードは次回のレースでそのドライバーにグリッド順位のペナルティを科すことができる」
後者のインシデントに関しては、新ルールで次のように規定されている。
「予選セッションまたはスプリント予選セッション中にピットレーン以外のエリアで車両が停止し、物理的な援助を受けたドライバーは、そのセッションにそれ以上参加することはできない」
新しいレギュレーションは、自力で走行できる車両は改正版のスポーティングレギュレーションに従って予選セッションを継続できることを意味しており、当時のサインツの行動が合法であったことを確認するものだ。一方で、当時有効だったレギュレーションの下では、サインツが予選続行を許されるべきではなかったことが示唆されているものの、今後何ができて何ができないかということが、誰にとっても明確になった。
その他の調整としてFIAは、赤旗が出てピット入り口が封鎖され、車両がガレージに戻ることができない場合について、スポーティングレギュレーションを変更した。
「例外的な状況では、安全上の理由から、車両がピットレーンに戻る前にピット入口が閉鎖されることがある。このような状況では、すべての車両は低速でスターティンググリッドまで進まなければならない。グリッドに最初に到着した車両がポールポジションを獲得し、他の車両は到着順に残りのグリッドポジションを獲得する」
赤旗提示時の残りの手順は、車両の待機場所がピットファストレーンではなく、グリッドに変更されたこと以外は変更がないと述べられている。
スポーティングレギュレーションの変更はすべてFIA世界モータースポーツ評議会によって承認され、正式に発表された。
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