WEC世界耐久選手権の選考委員会は、来る2024年シーズンのエントリーリストを作成するにあたり「論理的で正しい決断」を下した、とWECのCEOであるフレデリック・ルキアンは語った。
11月27日(月)に発表された来シーズンの暫定エントリーリストには、ハイパーカーに記録的な19台、初年度となるLMGT3カテゴリーには9メーカー計18台、合わせて37台が名を連ねている。
V10化も検討。エントリー申請が拒否されたヴァンウォール、エンジンサプライヤー変更も報われず
■ヴァンウォールの申請を拒否した理由は語られず
フロイド・ヴァンウォール・レーシングチームを含むいくつかのチームや、アウディ、メルセデスAMGといったGT3ブランドはスペースの関係で不参加となったが、ルキアンはこの選考が極めてシビアに行われたことを強調した。
「いくつかの決断を下すのは簡単なことではなかった」と語ったルキアンCEO。
「私たちは37台のクルマで構成される限られたグリッドで、さまざまな基準をすべて考慮しなければならなかった」
「スポーティングレギュレーションに関しては、選考委員会が使用する基準があり、(チームの)歴史やマシンのパフォーマンスなど、さまざまな基準に基づいている」
「たとえそれが簡単ではなかったとしても、私たちは論理的で正しい決断を下したと思う」
「当然、全員がグリッドにいることを望むが、残念ながら受け入れられるマシンの数には限りがある。もちろん、いくつかの決断を下さなければならなかった」
Sportscar365から、従来のギブソン・テクノロジー製からピポ・モチュール製のエンジンに載せ替える予定であった『ヴァンウォール・バンダーベル680』でエントリー申請を行っていた、ヴァンウォールを受け入れない理由について尋ねられたルキアンは、具体的なことには触れたくないと答えた。
Sportscar365は、ヴァンウォールが2023年シーズンでトップ8入賞を果たしたのが開幕戦のセブリング1000マイルのみであったことを理由に、申請が拒否されたものと理解している。
「この件に関しては、あまり多くのコミットをするつもりはない」と述べたルキアン。
「先ほども言ったように、私たちはさまざまな基準に基づいて決断を下さなければならない」
「ヴァンウォール・レーシングにとっては、いくつか(の項目で)OKではないものもあった。しかし、私はチームに対して多くの尊敬と称賛を持っていることを付け加えておきたい。それは非常に難しい決断だった」
■WECにはロッシやシューマッハーのような“ビッグネーム”が必要
来季2024年のグリッドは、ハイパーカーとLMGT3を合わせて14ブランドという、シリーズ始まって以来の記録的な数のメーカーが参加すると同時に、バレンティーノ・ロッシやミック・シューマッハーなど著名なドライバーがWECデビューを果たすことで、さらに華やかさを増す。
元F1ワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテルやジェンソン・バトンもグリッドにつくと噂されているが、まだ確定はしていない。
これらのビッグネームが集まることはシリーズにとって、間違いなく良いことであるとルキアンは語った。
「我々はいま、複数のビッグネームや有名ドライバーを惹きつける力を持っている。バレンティーノ・ロッシがいい例だ」と同氏。「ミック・シューマッハもまたいい例だね」
「これは間違いなくチャンピオンシップにとって良いことだ。私たちは観客を増やしたい。そのためにはビッグネームが必要なんだ」
「耐久レースに参加しているドライバーたちは本当に素晴らしいドライバーたちだが、彼らはスペシャリストだということも強調しておきたい」
「1台のマシンに3人も乗っているため、F1と同じようにメディアに取り上げてもらうのは、はるかに難しい。しかし、もちろん著名なドライバーを迎えることはWECにとって非常に興味深いことだ」
「我々はもう一度も多くの観客を集めたいと思っているし、そのためにはビッグネームを迎える必要がある。これは我々にとって非常に重要なことだ」
ルキアンは、そのビッグネームのひとりであるロバート・クビサを指名したAFコルセの3台目の『フェラーリ499P』が、ハーツ・チーム・JOTAとプロトン・コンペティションのプライベーター・ポルシェ963とともに“ハイパーカー・チームズ・トロフィー”に参加することを認めた。
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みんなのコメント
楽しみでしか無い来季のWEC
アウディなら尚更良かったと思ってしまう