■「ABT」はチューニングだけじゃない! EVモデルも開発
VW&アウディ・グループのプロダクション・モデルをチューニングするブランドとしては、もっとも大きな規模と知名度を持つのが、「ABTスポーツライン」であろう。
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このABTスポーツラインは、いわゆるABTグループのひとつの子会社ともいえる存在だったわけだが、これまで同社には、そのほかにも今後のABTを支える重要な子会社が設立されていたことを知る者は少ない。2018年に設立された「ABT Eライン」社がそのひとつである。
ABT Eラインは、2009年にはすでにその設立の検討が始められ、2013年には商用車のVW「キャディ」をベースとしたエレクトリック・ヴィークル(BEV)の試作に成功している。
そして正式にABT Eラインが設立された後は、VWCV(VWコマーシャル・ヴィークル)のオフィシャル・プレミアム・パートナーとして、商用車のBEVへの改造をおこなっているのだ。
そのABT Eラインから今回発表されたニューモデルが、「ABT eトランスポーター 6.1」と呼ばれるモデルだ。
ベースとなるのは、商用車のVW「トランスポーター・コンビ」、または乗用車のVW「カラベル」として販売されているワンボックスのロングホイールベース車である。
ABT Eラインが、まず大きな特長としてアピールしているのは、BEV化しても、最大で6.7立方メートルの貨物スペースは完全に保持することが可能であること。荷物を運ぶことがクライアントのほとんどの目的であるため、これは絶対に譲れない条件だった。
最大積載量はトランスポーター・コンビでは1096kg、カラベルでは977kg。ブレーキ付きトレーラーは、最大1500kgまで積載が可能だ。
■正規ディーラーで購入できる「ABT」製EVモデルとは?
搭載されるバッテリーの容量は、37.3kWhと比較的コンパクトなサイズを採用。これが室内の荷物容量、あるいは最大で9名の乗車定員をそのまま実現する大きな理由となっている。
バッテリー重量は333kgで、それを搭載することで重心のさらなる低下、そしてほぼ50:50という理想的な前後重量配分を実現することができた。
前輪を駆動するエレクトリック・モーターの最高出力 & 最大トルクは113ps & 200Nm。ABT Eラインは、荷物の集荷など商用車として使うには、パフォーマンスと経済性を考慮して最適な性能だと評価している。
事実90km/hに制限された最高速(オプションで120km/hの設定とすることも可能)を日常的な使用方法と考えれば、もっとも燃費を稼げる計算になるという。
実際の電費は27.0-35.8kWh/100km。WLTPによる航続可能距離は、モデルにもよるが、105kmから138kmだ。eトランスポーター 6.1で使用されるトランスミッションは、電力を回生するうえでも有利な3速DSG3となる。
バッテリーの充電は、普通充電では約5.5時間、また急速充電ステーションだと45分で80%の充電が可能。実用性は十分に高いと評価できそうだ。
eトランスポーター6.1は、ゼロ・エミッションであるばかりでなく、低騒音でもあることから、深夜や早朝の走行にも適している。メンテナンスコストも低いうえに、ABT Eラインでは70%のバッテリー残存容量を8年、もしくは16万kmで保証している。
バッテリーは16のモジュールで構成されており、それらは個別に交換できるので、整備コストを低減させることも可能である。
ABT Eラインによれば、2021年末までにeトランスポーター6.1を約5500台生産する計画だという。ABTグループには、どうやら明るい未来が待っているようだ。
日本市場には、エンジン仕様のカラベルやトランスポーター自体が正規導入されていないが、eトランスポーター 6.1は実際に欧州の正規ディーラーでも販売されている。
パネルバン仕様のeトランスポーターが、4万500ユーロ(邦貨換算約510万円)からとなっており、日本でもそれなりの反響が得られることは確実であろう。
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