1963年から73年まではワークス体制で参戦していた
1993年に乗用車の生産・自社開発を打ち切って、バス・トラックなどの商業車メーカーになってしまったいすゞだが、1963年の第一回日本GP から1973年のオイルショックまで、ワークス体制でレースにも積極的に参戦(モータージャーナリストの津々見友彦さんは、このいすゞのワークスドライバーだった)。
とくに1969年から1970年代初頭までは、スポーツプロトタイプの本格的なレーシングカーまで制作していた。その主なクルマを紹介しよう。
・ベレットR6クーペ
ドライサンプ化した117クーペ用の1.6リッター直列4気筒のG161Wエンジンをミッドシップに搭載した、いすゞ初の本格的なレーシングスポーツ。写真のとおり、車高は極めて低く、今見てもスタイリッシュなボディ(当初アルミ→FRP)を持つ。1969年の日本GP に参戦。
・ベレットR6スパイダー
R6クーペとは別に、鈴木板金(ベルコレーシング)がボディとシャーシを製作。1.6リッター直列4気筒でデビューし、1.8リッターバージョンも追加。1970年の日本オールスターレースで優勝。
その他、市販車ベースでは、「和製アルファロメオ」とも呼ばれた、ベレットもレースで大活躍。とくに、国産車で初めて「GT」と名付けられた「ベレットGT」は、60年代のレースで数々の勝利を挙げている。
高性能の1.6リッターDOHCエンジンを積んだベレットGT-RもスカイラインGT、ブルーバードSSS、トヨタ1600GTのライバルとして熱戦を繰り広げ、名車として名高い。デビューレースの1969年の鈴鹿12時間耐久レースでは総合優勝を果たしている(プロトタイプでGTXという名前)。
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